テクニカルトレーダーhana氏プロフィール
CFD、FXが主戦場の専業トレーダー兼Fincsアドバイザー。hana塾で累計2000人以上の【自分の頭で考える】トレーダーを育成。鋭いテクニカル分析・分かりやすい指導に定評がある。日々、完全初心者でも根拠のあるトレードができるような情報を発信中。
このたびの能登半島地震により犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げると共に、心よりお見舞い申し上げます。まだ予断を許さない状況ではありますが、避難を余儀なくされた方々のご身上を案じると共に、一日も早い復旧・復興を心よりお祈りいたします。
私事ではございますが、今月より実践的投資学習プラットフォーム「Fincs(フィンクス)」という新しい投資情報サービスにて、投資助言者としての発信を開始しました。今までよりもさらに責任ある立場での発信になります。質の高い情報発信に努めて参ります。皆さまにとっても実りある年となることを切に願っております。
移動平均線の向きと逆指値の位置が重要
さて、前回はCFD取引(一つの証券口座で株価指数、コモディティ、株式、債券など多種多様な銘柄を手軽に少額の証拠金で取引できる取引)について、推奨銘柄や取引時間について解説しました。今回はCFDとFX共通で活用可能なスイングトレードの手法について分かりやすく解説していきます。
今回紹介するスイング手法には、大きく三つのポイントがあります。
①相場の方向性を把握し、ロングしたいのかショートしたいのかを決める
チャートの方向性の把握に役立つのが200SMA(単純移動平均線)や20SMAの傾きです。200SMAは長期の、20SMAは短期の方向性を示します。そして、週足で確認した後は、日足、4時間足と目線を落としていきます。自分がトレードしたい向き(ロングなのかショートなのか)と期間を決めます。スイングトレードと一言でいっても2日だけ持つポジションなのか1か月以上保有したいポジションなのかで波の取り方は異なります。
週足と日足チャートで200SMAとダウ理論による方向性を確認してから、日足と4時間足の20SMAの傾きを見て大局(週足や日足)の流れに沿って有利な箇所でエントリーできるかどうかを判断します(図①)。
②損切りできる場所を探してからロットを抑えてエントリーする
スイングを狙うのであれば、スキャルピングやデイトレとは取ろうとしている波のサイズが異なります。ロングの場合は週足や日足、4時間足の安値の下、ショートの場合は高値の上に逆指値を設定します。
初心者の方だと、エントリーしてからどこで損切りするかを考えるという致命的なミスをやりがちですが、それはご法度です。エントリーする前に必ず損切りする場所を決めます。エントリーする場所と損切りする場所が離れていたら損失額も大きくなるため、ロットを抑えないといけなくなります。損切りする場所に近いところ、つまり有利な場所でエントリーできるように十分に引き付けつつ、ロットも張り過ぎないというのが基本的なやり方です。うまくトレードできるようになってからロットを張れば良いので、練習段階ではロットは極力抑えましょう(図②)。
③エントリー後の逆指値の位置の考え方について
逆指値の幅を狭めることはリスクを減らすことにつながるので短期トレードでは多用した方が良いですが、スイングトレードの場合は一概には当てはまりません。図②で置いた逆指値の位置は非常に重要です。逆指値の位置は自分が取ろうと思った波のサイズに応じた逆指値の位置になっているべきであり、エントリー直後にその逆指値をスライドしてしまうとすぐに決済され、本来取ろうとしている波が取れずに損切り貧乏になってしまいます。
例えば4時間足の安値の下に逆指値を置いてロングした場合であれば、少なくとも次の4時間足の安値が決まるまでは辛抱して、逆指値の位置をスライドさせないで待つことが大事です。その後チャートが落ちてきて4時間足の安値を割れたら、4時間足の下降トレンドが始まったと考えてロングを手仕舞いすることは間違っていません(図③)。
今回の講義はいかがでしたでしょうか? スイングトレードのやり方のイメージが少しは湧いたのではないかと思います。私のX(旧Twitter)やブログ、塾などでは積極的により詳しいテクニカル分析について情報発信をしておりますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
次回は順張り、逆張り、ブレイクアウトトレードのそれぞれの特徴とやり方について解説していきますのでお楽しみに!
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