テクニカルトレーダーhana氏プロフィール
CFD、FXが主戦場の専業トレーダー兼Fincsアドバイザー。hana塾で累計2000人以上の【自分の頭で考える】トレーダーを育成。鋭いテクニカル分析・分かりやすい指導に定評がある。日々、完全初心者でも根拠のあるトレードができるような情報を発信中。
はじめまして、テクニカルトレーダーのhanaと申します。皆さんはCFD（Contract For Difference）取引という言葉を聞いたことがありますでしょうか？ 一つの証券口座で株価指数、コモディティ、株式、債券など多種多様な銘柄を手軽に少額の証拠金で取引できるため、最近人気を博している取引です。
日本語では差金決済取引と呼ばれるもので、FX（外国為替証拠金取引）と同様、証拠金を預けレバレッジをかけて取引を行う取引です。一般には外国為替の差金決済取引をFX、株式や株価指数、債券、コモディティの差金決済取引をCFDと呼びます。
この連載では、CFD専業トレーダー兼トレード塾講師として、FXトレーダーの皆さんにCFDトレードの魅力をお伝えしていきます。
さて、証券会社が提供しているCFDの売買代金ランキングを見てみると、ナスダック100、日本225、WTI原油、香港ハンセン、ゴールドの順で人気です。一番人気のナスダック100は出来高が多く、ストレスなくスキャルピングできるほどスプレッドも狭いです。適度なボラティリティがあり、毎日トレードチャンスがあるのも特徴的です。一度トレンドが出たらスイングポジションを伸ばすこともできるので、トレードする感覚としてはドル円と似通っています。
また、FX特有のマイナススワップを気にしてポジションを長期間持ちにくいということもなく、フラットな目線でチャート通りにロングでもショートでもエントリーできることが利点です。
FXとCFDの共通点
●ほぼ24時間取引可能（銘柄によって異なります）
●証券会社がFXもCFDもセットで提供していることが多く、トレードアプリ設計が似ている
●レバレッジを利かせられる（株価指数10倍、コモディティ20倍、株式5倍 ※証券会社によって異なります）
●押さえるべきニュース：米国債金利や米国指標発表など
●一般的なテクニカル手法を使用
特徴
●スワップを気にする必要はないが調整金が存在
●1つの口座で多種多様な銘柄をトレード可能
●ナスダックCFDなら最小ロット2400円余りの証拠金からトレード可能（2023年11月現在の価格から算出）
一番人気のナスダックの性質
●株価指数なので基本的にはロング優勢
●構成銘柄にハイテク企業が多く、米国10年債利回りが急上昇しているときには株価が下がりやすい
●VIX指数が高騰しているときには株価が下がりやすい
●近年はCPIの発表数値が高い（インフレが長期化するというニュースが出る）と株価が下がりやすい
FX感覚で取引できる米国のナスダック100
私が普段塾で講義している内容から抜粋して、今回はナスダック100の「お勧めの取引時間帯」「使用するテクニカル手法」「勉強方法」について説明します。
ナスダック100とは、米国のナスダック市場上場企業のうち時価総額上位の約100銘柄を指数化したものです。マーケットのザラ場が始まるのは、夏時間だと22時半から、冬時間だと23時半からであり、この時間帯に出来高が一気に増えるため値動きが活発になります。兼業トレーダーの方の中には、仕事、家事、育児が終わってからこの時間帯のトレードを好まれる人も多いです。
使用するテクニカル手法は至ってシンプルです。流動性がありテクニカル分析が効きやすいので、ダウ理論、ライントレード、フィボナッチ、移動平均線など基礎的なテクニカル手法を応用することで、十分裁量トレードが可能です。MTF（マルチタイムフレーム）分析で、週足から15分足まで目線を落としながら分析していくことが大切です。大局の流れに沿って、順張りするのか、ブレイクアウトを狙うのか、逆張りを狙うのかは皆さんのトレードスタイルに合わせて選択すると良いでしょう。裁量トレードでは、テクニカルが効きやすいかどうかが非常に重要です。代表的なテクニカル分析が有効であることを示すチャートを掲載しましたので、参考にしてください（図2）。
最後に勉強方法です。ナスダックのCFDに関して発信している方は、FXについて発信している人と比べると極めて少ないです。先人として勉強になる資料を提供しているようなサイトやインフルエンサーが少なかったため、私はFXや先物取引の書籍を読み独学で学び、試行錯誤しながら投資手法を確立してきました。私のX（旧Twitter）やブログ、塾などでは積極的にCFDに関して発信をしておりますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。CFDは一度コツをつかめば利益を出しやすいとても良い取引方法だと思います。一緒に楽しく勉強していきましょう！
皆さんも分かりやすい値動きをしている通貨ペアがないときには、CFDを取引するなど、トレードの引き出しを増やしてみてはいかがでしょうか？ 次回はFXでもCFDでも使えるスイングトレードの考え方・具体的な手法について執筆していこうと思います。次回もお楽しみに！
FX雑誌「外国為替」vol.10
発売：2024年4月22日（月）
定価：980円（本体891円）
