グレードの違いはすなわち価格の違い
『外国為替』Vol.16では、金貨のグレードと価格の関係を確認しました。今号では銀貨で比較します。高グレードのほうが価格は高く、同種のコインで同じグレードでも、ちょっとした差で大きな価格差が出る場合があります。
今回の調査対象は、米国の銀貨「モルガンダラー(図1)」です。発行枚数が多く、グレードと価格の関係を確認するのに最適です。

グレードとは
コインの品質を示す指標。米国の鑑定会社では1から70までの数字で示している。70が最上位で未使用の目安は63前後。今回の記事は、鑑定会社「PCGS」社のデータを使用して執筆。
モルガンダラーとは
米国で発行された1ドル銀貨。発行年は1878年~1921年。ジョージ・モルガン氏がデザインしており、モルガンダラーの愛称で親しまれている。
図2は1880年に米国サンフランシスコで製造されたモルガンダラーの価格グラフです。現存枚数がとても多いので、高額で取引されるのは最上級クラスのみです。10(大きく摩耗)と50(未使用に近い)で価格差はありません。


このグラフに、1894年に発行されたモルガンダラーの価格を追加(図3)してみましょう。赤線は1894年発行のモルガンダラーで、青線は1880年発行のモルガンダラーです。赤線の価格があまりに高いので、青線は横軸に重なってしまいました。この2枚は銀の含有量やデザインなど全く同じです。違うのは年号・発行地・発行枚数です。1894年にフィラデルフィアで製造されたモルガンダラーの発行枚数は桁違いに少なく、希少な年号として珍重されています。
写真のモルガンダラーは1894年発行で、グレードは15前後です。コイン全体が摩滅していて、コイン中心部はデザインが消えています。美しい状態とはいえませんが、当記事執筆時点の相場価格は10万円を優に超えます。現存枚数が少ないコインは存在自体が貴重であり、希少性は紛失や火災などにより今後も高まる一方です。このため、大量発行された他の年号よりも価格が上昇しやすいと考えられます。
高額コインの条件はとても厳しい
注意点としては、1894年の発行ならばなんでも高額だというわけではない点です。コインは複数の造幣局で作られており、コインには製造した造幣局の記号等(ミントマーク)が付けられます。発行枚数が極端に少ないミントマークのコインだけが高額なので要注意です。コインを実際に買う場合には、コインカタログを手元において年号や造幣局と価格の関係を確認しながら買うことをお勧めします。
※FX雑誌『外国為替』vol.17(2025年12月22日発売)より転載 最新号の目次・お知らせはこちら

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