米イラン停戦崩壊を半導体が呑み込んだ一週間
7月2週目の結論を先に言えば「中東ショックで崩れかけた相場を、半導体マネーが立て直した一週間」でした。
NYダウは週初の2026年7月6日(月)に史上最高値53,055.91ドルを付けたものの、そのわずか2日後、米イラン停戦の崩壊を受けて570ドルを超える急落に見舞われました。
ところが、週末には本国ではサムソンと共にとんでもない騒動になっている「韓国SKハイニックス」の米国上場という史上最大級のイベントが半導体ラリーを再点火。S&P500とナスダックは週初の水準を上回って取引を終えています。
為替市場では、中東緊迫を背景に一時162円台半ばまで進んだ円安が週末に巻き戻され、ドルは主要通貨に対して全面安で週を締めくくりました。
7月6日(月) 最高値更新という「米国休場明け」
独立記念日の連休明けとなった6日(月)の米国市場で、NYダウは前日比155.84ドル高の53,055ドルと史上最高値を更新! ナスダックもしっかり1パーセントを超える上昇で、主役は半導体とハイテクでした。VIX(恐怖指数)は15台と市場の警戒感は薄い。東京市場の日経平均も69,700円ほどと7万円の大台をうかがう高値圏にあり、週初の景色は穏やかそのものでした。
しかし、相場の格言どおり「最高値の熱気」の裏で、材料は静かに積み上がっていました。
7月7日(火)から8日(水) 停戦「終了」発言が引き金
最初の変調は7日(火)。東京市場では高値警戒からの利益確定売りで日経平均が68,256円ほど、約2パーセント反落。同日の米国市場ではサムスン電子の決算失望をきっかけに半導体株が売られ、ナスダックは1.16パーセント安となりました。さらにホルムズ海峡でタンカーが攻撃を受け、米国がイランの原油販売許可を取り消したことで、原油WTIは1日で5パーセントを超える急伸。エネルギー経由のインフレ再燃という、嫌な連想が広がり始めました。

そして前週最大の転換点が8日(水)に訪れました。東京市場では韓国株急落の連鎖売りも重なり日経平均が1,437.91円安(マイナス2.11パーセント)の66,819.05円と週最大の下げを記録。原油は73ドル台へ続伸し、VIXは16.90へ上昇しました。
つまり「停戦崩壊という原因」が「原油急伸と株急落という結果」を生んだ、教科書どおりの地政学ショックといえます。この日ですらナスダックは小幅高と逆行してるので、売られる場所と買われる場所が、はっきり分かれていた感じです。
FOMC議事要旨(6月会合分)では、一部の当局者が利上げの必要性に言及。米国の政策論議は「利下げ」ではなく「利上げ」が争点という異例の状況にあり、ドル高の流れは続いていくと思われます。
週半ばから週末は再び半導体が立て直した
急落の翌日9日(木)、市場は半導体の買い戻しで切り返し始めました。日経平均は924円高と反発しています。
そして10日(金)、SKハイニックスがナスダックに上場(ティッカーは当初SKHYV)。調達額265億ドルは「外国企業による米国IPOとして史上最大」で、初日は約13パーセント高の168ドル前後で引けました。この追い風を受けて東京の日経平均は813.88円高の68,557.73円で週を終え、米国市場も3指数揃って上昇となりました。
米イランについては停戦協議再開の観測が報じられ、ひとまず最悪シナリオへの警戒は和らいでおり、またしても「トランプTACO」とSNSで話題に…。
為替の背景 ドル全面安で終えた金曜日

ドル円は7月1週目にあったような急落がまた発生し、(わずか1円、2円とはいえ)激しい落ち方を見せたのですが、こちらも単なる押し目買いチャンスとなりました。何度も何度も叩き落されるものの、今のところ160円台すら割れず底堅い状況が続いています。それでも一時的とはいえ円高ドル安となり、高値更新にはいたっておらず。「為替介入」期待の売り勢力がポジションを手放さないと自然には落ち切れず、163円台へ円安が加速する可能性は高そうです。トレーダーは慎重にポイントを絞って短期のみ、ドル円は買いで狙うべきでしょう!
7月3週目となる7月13日(月)からの注目すべき材料・指標は次のとおりです。
■7月14日(火)
21:30~米消費者物価指数CPI
■7月15日(水)
ゴト日
21:30~米生産者物価指数PPI
22:45~BOCカナダ中銀政策金利&声明発表
■7月16日(木)
15:00~英GDP・貿易収支・鉱工業生産指数・製造業生産高
21:30~米新規失業保険申請件数・小売売上高
23:00~米中古住宅販売成約指数
■7月17日(金)
21:30~米輸入物価指数・住宅着工件数
23:00~米ミシガン大学消費者信頼感指数
※7月アノマリー記事もご覧ください。







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