前週、6月29日(月)〜7月3日(金)の為替市場を一言でまとめるなら「円安の極点とその反動」でしょう。
週前半、円は1ドル=162円台と1986年12月以来およそ40年ぶりの安値まで売り込まれました。ところが週後半、予想を大きく下回った米雇用統計と、当局による「不意打ち介入っぽい動き」への警戒が重なり、円は一時2円あまり円高急伸。161円台前半で週を終えました。それでも160円台は維持しており、各紙は170円以上へまだまだ行くと報じられ、200円の可能性など極端な円安まで報じられる始末です。
一方、株式市場ではNYダウが史上初の52,000ドル台に乗せて週内に最高値更新を重ねるも半導体株は連日の急落に見舞われ、日経平均は1,741円安から1,010円高へと乱高下しました。強気と警戒で暴れる荒い一週間だったといえます。
週前半、円安はどこまで進んだのか
週明け6月29日(月)。前週末の半導体株急落の日経平均はマイナス4.15%を続く下落で始まりました。ただ米国市場では、米国とイランが攻撃停止で合意したことをきっかけに地政学リスクの後退が意識され、ハイテク株に買い戻しが入り、この日のNYダウは307ドル高の52,183ドルと、史上初めて52,000ドル台に乗せました。
為替では、日米金利差を背景としたドル買い・円売りが加速。6月30日(火)の東京市場で円は一時1ドル=162円台まで円安となりました。162円という水準は1986年12月以来、およそ40年半ぶりの円安です。
40年前の当時と違うのは、日銀がすでに政策金利を1.00%(2026年6月16日会合で決定、約31年ぶりの水準)まで引き上げているにもかかわらず、米国の政策金利3.50〜3.75%との差がなお2.75%前後残っている点で、この金利差が円を売ってドルで運用する動きを支え続けました。
週中盤、株の主役交代と半導体の急落
7月1日(水)、東京市場からの日経平均は3日続伸で7万円台に乗せました。ところがその夜の米国市場で風向きが変わりました。AI・半導体株の高値警戒感からSOX半導体指数がマイナス6.27%と急落。この流れを引き継いだ7月2日(木)の東京市場では、日経平均がマイナス1,741円(−2.47%)の68,733円まで売られ、前日に乗せたばかりの7万円をあっさり割り込んでしまいました。
週後半、雇用統計が円を動かした
転換点は7月2日(木)21時30分に発表された6月の米雇用統計です。前週の米国は4日(土)の独立記念日(土曜日のため3日(金)が振替休場)を控えた短縮週で、通常は金曜発表の雇用統計が木曜に前倒しされていました。
結果は、非農業部門雇用者数が前月比プラス5.7万人と、市場予想の11.5万人を大幅に下回る弱さとなり、更に5月分も12.9万人へ下方修正されました。
さらに、財務省による事前の予告なしの「不意打ち介入」への警戒感が高まり、アルゴリズム取引がこれに便乗したことで、円は欧米市場で一時162円台半ばから160円台後半まで2円あまり急落しました。積み上がっていた円売りポジションの巻き戻しが、さらに強い勢いで進んだ格好です。

前週の値動きから「過熱したトレンドは、きっかけ一つで急反転する」という当たり前の事実を再確認した感じです。過熱圏では、押し目や戻りを待つ忍耐力がそのままリスク管理になります。介入警戒が残る円相場は上下どちらにも値が飛びやすく、ドル全面高の裏で豪ドルやNZドルは売られ過ぎ圏まで沈んでいます。値幅の大きいドル円とクロス円を触るならたった1日で大きく値が飛ぶ可能性を覚悟しなければいけないでしょう。
7月相場の2週目となる7月6日(月)からの注目すべき材料・指標は次のとおりです。週明けは、米国の連休明けで流動性が戻る過程の急変にもご注意ください。
■7月6日(月)
23:00~米ISM非製造業景況指数
■7月7日(火)
21:30~米貿易収支
■7月8日(水)
11:00~RBNZニュージーランド中銀政策金利&声明発表
27:00~米FOMC議事要旨
■7月9日(木)
21:30~米新規失業保険申請件数
23:00~米中古住宅販売件数
■7月10日(金)
ゴト日・ニュージーランド休場
※7月アノマリー記事もご覧ください。





















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