さまざまな成功しているトレーダーとのコミュニケーションの歴史が、外国為替編集部が保有する最大の財産です!
というわけで、FXの世界で勝ち残り、結果を出しているトレーダーが備えていただろう要素を、分かりやすく抽出してみました!
本文◉外国為替編集部
【1】攻防一体の資金管理術
テクニカル分析をしたり、ファンダメンタルズ分析をしたり、デイトレードをしたり、自動売買をしたりと、FXのトレード手法にはさまざまなアプローチがありますが、どのやり方を選ぶかに絶対的な正解はありません。その人の個性や状況に最もマッチした手法を選べばOKです。
それよりずっと重要なのは、資金管理です。どんなやり方だろうと、資金管理が間違っていればトレードは長続きせず、高確率で退場することになります。
資金管理とは、守りの面では「長く相場で生き残る」ことが目的であり、攻めの面では「守りを整えて安全面を確保した上で、長期的なリターンを狙う」ことが目的です。場当たり的で感情に任せた計画なき資金投下をしていては、どんなに優れた手法でもその性能を生かすことはできません。
【2】自己肯定感
トレードは、メンタルとの戦いでもあります。資金管理をしっかり行い、長期的に取り組めるとしても、勝ったり負けたりが続き、精神的な上下動には必ず直面します。そのときに自己肯定感が低いと、勝っても負けてもろくなことにならない可能性が高いです。
自分が取り組んでいることに自信を持ち、勝っても負けてもぶれない精神でトレードを続ける。そのために、自己肯定感は大切です。
【3】勉強できる時間
実資金でトレードをすることだけが、FXではありません。デモトレードはもちろん、手法の検証やロジックのバックテスト、関連書を読んで勉強することも、全てFXに取り組むことに含まれます。
成否を分けるのは、トレード以外の部分。実際のお金を使う以上、無為に失うわけにはいきませんから、その前にどれだけ勉強時間を確保できるかが重要です。
【4】焦らない心とお金の余裕
運用結果も、実力をアップさせていくトレーニングも、長期的な目線を持つことは非常に重要です。
ですが、心やお金に余裕がなくて焦っていると、さまざまな問題が身に降りかかります。特に現代はSNSにさまざまな情報が溢れており、余裕がない状態で他人のポジショントークに触れると、まともな精神状態を保つことが難しくなります。そして焦った人は、性急な行動を取りがちです。
【5】全勝を求めない意識
野球を例にすれば、高校野球の甲子園ではなくプロ野球のようなスタンスでFXに臨むべきです。甲子園のようなトーナメント戦は一度負ければ終わり、全ての勝負に勝ち続けないと優勝できません。
でもプロ野球のようなリーグ戦は、優勝するチームでも負ける試合があり、トータルで勝ち越すことを目指します。
FXとは、何千回、何万回とトレードを繰り返す中で、損失を上回る利益を得て、トータルでお金を増やすゲームです。目先の勝利に固執しないリーグ戦マインドは必須です。
【6】利回りに対する現実理解
上の図は、皮算用くんというサイトで計算した結果で、資金100万円、毎月5%増える複利運用をした場合、7年と11か月後に資金が1億円になります。
実際は税金がかかりますし、同じ運用が8年近く優位性を保つ保証はないため、この通りにならない可能性は高いです。それでもなお、月に5%、年に60%という利回りは、たった100万円スタートでも十分に億を狙えるものです。
実際、資産運用の世界で、年60%は極端な高利回りで、年に5%、10%でも十分に立派なリターンです。こういった前提を踏まえ、不自然なリターンに惑わされなければ、投資詐欺に引っかかることもなくなります。
【7】一定のITスキル
株取引などとも共通しますが、インターネットを通じて電子取引できるからこそ、手数料が劇的に下がり、売買のタイミングも自由になりました。だからこそ、デイトレードのような短期売買で利益を出せるトレーダーが現れたのです。
なので、ある程度はITスキルが高くないと、せっかくの進化した環境を使いこなせません。スマホでも取引はできますが、大きな画面でチャートを俯瞰できるパソコンで分析できた方が、きっと大局観は把握できるはずです。
自分の取引スタイルに応じて、チャート分析画面をカスタマイズできるのがTradingViewやMT4、MT5を使いこなす醍醐味です。
【8】テクニカル分析
過去の値動きを再計算したテクニカル指標単体では、未来のことは分かりません。ただ、現在まで続く値動きの傾向は把握でき、同じ傾向が今しばらく続くと判断できたら、トレードのチャンスを見つけることもできます。
テクニカル分析はどんなトレードスタイルの投資家にとっても有用なものですが、成功しているトレーダーの多くはシンプルな環境で分析しています。下のようにローソク足が見えないくらいインジケーターを表示すると、何をしているか分からなくなります。
【9】ファンダメンタルズ分析
テクニカル分析は、ほぼチャート分析、価格分析とイコールですが、ファンダメンタルズ分析は幅広いです。テクニカル以外は、全てファンダメンタルズといっても過言ではありません。
ファンダメンタルズを分析することで、未来につながる相場観を得ることができます。テクニカル分析は過去から現在に続く傾向ですから、やはり両者を組み合わせることが有効です。
ファンダメンタルズ分析は範囲が広いため、ある一部分から勉強を始めると良いでしょう。例えば下のように、フェドウォッチだけを見続けるのも有効です。
CMEのFedWatchツールでは、次回以降のFOMCにおける、金利変動がどれくらい織り込まれているかが数値で分かります。
【10】折れない心
何事も、成功体験と挫折の間をいったりきたりしながら、少しずつものになっていくものです。途中経過がどうあれ、諦めずにやり続けた人だけが、収支をプラ転させる可能性を秘めています。
そういった意味では、心が折れにくいように、何回かは失敗する前提で、資産を突っ込みすぎないように制限することも大事です。いきなり資産が半分になってしまったら、ほとんどの人はやる気がなくなってやめてしまうでしょう。
FX雑誌「外国為替」vol.14
発売:2024年12月23日(月)
定価:980円(本体891円)