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はじめてのコモディティ[マッスル武藤]

ゴールドの歴史的高騰はまだこれから|はじめてのコモディティ[マッスル武藤]

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 みんな、元気か! マッスル武藤だ!

 ゴールドが過去最高値を更新しているけど、みんな気づいているか? ゴールドがここまで上昇すると考えていなかった投資家が多いようだが、ここからさらに上がると考えている市場関係者は少ないだろう。いや、ほとんどいないといっても良いだろう。

 これまでのゴールドは、米金利の上昇やドル高基調の中で上昇してきた。通常は、このような状況ではゴールドは上昇しない。ゴールドを保有しても、利払いもなければ、配当の支払いもない。また、ドル建てで取引されるため、ドル高では普通は価格が下がる。しかし、今回はそうなっていない。なぜそうなっていないのかを理解できていなければ、現在のゴールドの上昇は予想もできなければ、想像もできなかっただろう。

 では誰が買っているのか。それは、ここでも解説してきたように、新興国を中心とした政府・中銀である。彼らがドル離れを進める中で、積極的に買ってきたからこそ、ゴールドは金利や為替の動きを無視する形で高値を更新してきたわけである。

 しかし、そんな買いは続かないと考える向きもあるだろう。その考えは甘すぎる。彼らは保有しているゴールドを基本的に売らない。だから、市場からゴールドはどんどん消えてなくなることになる。売りが出てこなければ、相場は上がるのがセオリーである。この単純な構図に乗れない投資家は、いつまでも高値更新を続けるゴールドの動きを、指をくわえて見ているだろう。そうなると、「残念な投資家」になるだけだ。

 このような状況に気づき始めた向きもある。それが、欧州とアジアの投資家である。彼らは5月と6月に、これまで売り越していたゴールドの上場投資信託(ETF)を買い直し始めている。それもゴールドが上昇し始めてからもなお買っている。欧州とアジア勢の購入量は、5月が10.8トン、6月が25.1トンと、そこまで大きいわけではないが、売りのフローだった動きが買いに転換した影響は小さくないだろう。

ゴールド価格と米10年債利回りの推移
ゴールド価格と米10年債利回りの推移 出所:LSEGより筆者作成
ゴールド価格とドル指数の推移
ゴールド価格とドル指数の推移 出所:LSEGより筆者作成

 しかし、このような動きは、あくまで目先の動きでしかない。ゴールドの根本的な価値を理解して購入している投資家が世界にどの程度いるかは分からない。しかし、今後のドルの没落を考えれば、ゴールドの歴史的高騰はむしろこれからだろう。過去の基軸通貨の寿命がどの程度かを理解している向きは、今後ドルが10年程度で基軸通貨としての価値が低下し、米国の通貨コントロールが効かなくなることを想像できているだろう。

 これを理解していれば、ゴールドが現在いくらであろうが関係ないということも分かるだろう。ゴールドを保有することに価値を見いだすことが重要である。将来後悔しないように、ゴールドの本質的な価値を今こそ正しく理解すべきだろう。次回もゴールドについて深堀りするから楽しみにしとけよ! じゃぁまたな!

ABOUT ME
マッスル武藤
海外を拠点に活動するグローバルトレーダー。トレード歴は30年超。リーマン・ショック時に空売りで莫大な利益を上げるなど、弱気相場を得意とする。2022年は300%超の利益を叩き出すなど、突出した知識と経験を生かしたトレードが持ち味。著名投機家ジョージ・ソロス氏やジム・ロジャース氏などとのビジネス経験がある。
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