みんな元気か? マッスル武藤だ! 前回は、コモディティの中心的銘柄であるゴールド(金)のトレードアイデアについて解説したけど、みんな理解できたか? ドル円が動くと、ゴールドも動くことを知っておくと、為替が動いたあとにゴールドをトレードすれば、十分に間に合うんだよ。短期のトレード機会があれば、そのような方法でゴールドを利用して収益を上げるといいだろう。
一方で、少し長めのポジションを持ちたい場合にはどうすればいいのか? 一般的には、ゴールドのファンダメンタルズやテクニカル分析などを利用して収益機会を探そうとするのが普通だろう。それも悪くない。その方法論については、今後の機会に解説するとして、今回は極めてシンプルな方法を一つ紹介しよう。それは、ボラティリティを利用する方法だ。
株式市場では、ボラティリティ・インデックス(VIX)などが有名だが、ゴールドにも同じような指数が存在する。VIXを公表しているシカゴ・オプション取引所(CBOE)では、株式指数のVIXと同様に、ゴールド版の「GVZ」(Gold Volatility Index)を公表している。この数値を利用して、ゴールドをトレードする。
ゴールドのボラティリティは、他の市場に比べてそもそも低い。ゴールドは安全資産と呼ばれるくらいだから、ボラティリティが低いのは当たり前なのだが、その中でもできるだけ低くなったときに買うと、のちにリターンを上げやすくなる。近年は、GVZが15前後まで低下したあと、ゴールドは上昇することが多いようである。この傾向を利用して、実際にGVZが15前後まで低下したときにゴールドを買うと、その後の上昇でリターンを上げられる可能性が高い。利益確定に関しては、GVZが上昇しているときが狙い目になる。無論、そのときにはゴールドも上昇しているだろう。GVZが20以上の水準を狙っておくと良さそうだ。
その時々でGVZの水準は変わるかもしれないが、基本的な考え方は変わらない。どの市場でもそうだが、ボラティリティが低下したときに仕込み、上昇したときに手仕舞うようにすると、リターンを上げやすいんだよ。これは、いわゆるオプション取引の考え方でもあるんだ。
今回はボラティリティ指数を用いたゴールドのトレード方法を紹介したが、次回以降はファンダメンタルズ面で注目すべきポイントを徐々に解説するから、楽しみにしとけよ。じゃあまたな!
FX雑誌「外国為替」vol.12
発売:2024年8月22日(木)
定価:980円(本体891円)