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【FX為替相場見通し】5月相場終了〜度々の為替介入でも円安は解決せず。株式市場だけが熱狂した1か月に〜

【FX為替相場見通し】5月相場終了〜度々の為替介入でも円安は解決せず。株式市場だけが熱狂した1か月に〜

ゴールデンウェイ・ジャパン

5月の金融市場は、日米ともに株式市場が歴史的な熱狂に沸いた一方で、為替市場では円安基調が覆らないという、きわめて対照的な1か月となりました。

前週の5月最終週は、またもトランプ米大統領が「イランとは良い合意に向けて…」と繰り返し発言。真意は分かりませんが、市場はリスクオンムードのままです。原油価格が少し落ち着きを見せたとはいえ、本来の正常な水準から見ればまだ十分に高い状態が続いています。それにもかかわらず、市場全体に「インフレリスクは後退した」「ソフトランディングできる」という安心感が漂っていることに対する違和感の報道ばかりでした。

WTI原油先物チャート

少し立ち止まって冷静に市場を見渡してみますと、この安心感にはどこか不気味なほどの「楽観」が混じっているように感じられないでしょうか。今回は、5月の最後を締めくくるにあたり、日経平均、米国株価指数、そして為替の動きを振り返りながら、市場心理と実際の経済状況との間にある「乖離」について紐解いていきたいと思います。

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強い米国株市場の背後に見過ごせない指標

5月の日経平均株価は、4月末終値の59,284円92銭に対し、5月末(29日)の終値は66,329円50銭でした。月間での上昇幅は約7,044円、上昇率は約11.9%に達し、年初来高値(66,505円02銭)を更新して月を締めくくるという強さをみせました!

それには、米国株式市場のテクノロジー・AI関連が主導する強い上昇が続いたことが要因の一つとなっているでしょう。5月の月間上昇率はナスダック100が約8%、S&P500が約5%、ダウが約2%となり、S&P500とナスダックは複数回にわたり史上最高値を塗り替えました。

しかし、その裏では不気味な指標も出ています。28日(木)に発表された4月PCEデフレーターは、約3年ぶりの高水準を示し、米国のインフレ圧力が依然として根強いことを証明しました。市場は米・イランの停戦延長合意などの材料を追い風に「最高値更新」で好意的に反応しましたが、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が示すインフレリスクを、株価が楽観的に無視しているようにも見受けられます。

日経平均と主要米株価指数チャート

為替介入の限界

株価が熱狂する一方で、為替市場では日本の通貨防衛の「限界」が浮き彫りになりました。5月のドル円相場を一言でいえば、「実弾介入の効果が厳しい事を明らかにした1か月」です。
政府・日銀は1ドル=160円を明確な防衛ラインと定め、4月30日に5兆円規模と推測される実弾介入に踏み切りました。さらにゴールデンウィーク期間中の5月1日、4日、6日にも断続的な介入を行ったとみられ、合計の介入規模は約11兆円超えに達したとの観測が出ています。

しかし、これほどの巨額の資金を投じても、ドル円の円安トレンドを根本から転換させる力はありませんでした。

米ドル/円日足チャート

介入直後こそ155円台まで急落し、約5円の円高効果をもたらしたものの、5月末には再び159円台まで押し戻されました。これは160円の高値からの下落幅の「80%以上」をわずか5月中だけで取り戻されてしまったことを意味します。

最終週も、原油高を背景とした米長期金利の急騰や、中東情勢の緊迫化によるドル買いから、28日には159円65銭前後まで上昇する場面がありました。政府が敷いた「160円の壁」はかろうじて崩れなかったものの、「155円への押し込み」を維持することはできませんでした。市場ではすでに当局の介入は円高転換を意図したものではなく、160円超えを防ぐためだけの【時間稼ぎ】に過ぎないとの評価が定着しつつあります。

5月相場を総括すると、円安は何一つ解決しておらず、やはり円キャリートレードもあいまって、一部のAI・半導体銘柄の力だけで株価だけが熱狂している偏った状況といえます。米CPI・PPI・PCEデフレーターが高水準を維持し、FRBが動けない状況と日銀の緩やかなペースでは円安圧力を消すことは難しいといえるでしょう。

6月以降の相場においては、

・米国のインフレ動向とFRBの利下げ時期
・日銀の追加利上げのペース
・中東情勢(米・イラン停戦交渉の行方)
・株価の表面的な最高値更新

という過熱ニュースに惑わされることなく、金利、為替、そして一部銘柄に偏った歪んだ構造という「事実」を直視し、客観的なリスク管理を徹底していきしょう。

6月最初の週となる6月1日(月)からの注目すべき材料・指標は次のとおりです。

■6月1日(月)
NZ休場
23:00~米ISM製造業景況指数

■6月2日(火)
18:00~ユーロ消費者物価指数HICP
23:00~米JOLTS求人件数

■6月3日(水)
21:15~米ADP雇用者数
23:00~米ISM非製造業景況指数

■6月4日(木)
21:30~米新規失業保険申請件数

■6月5日(金)
ゴト日
21:30~米雇用統計

※6月アノマリー記事もご覧ください。

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FX「外国為替」編集部
FX「外国為替」編集部。たくさんの投資家の人生が、FXのおかげでほんの少し豊かになる—。そんな未来を目指して2022年8月に『外国為替』を創刊。雑誌は全国の書店およびAmazonで発売しています。
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