みんな元気か? マッスル武藤だ! 前回は、コモディティの中心的な銘柄のゴールド(金)について解説したけど、なぜゴールドを最初に取り上げたか、みんな理解できたか? それは、FXトレードとの親和性が高いからだ。
為替が動いた後にゴールドを見ると、遅れて動いているのが分かるだろう。つまり、ゴールドはほとんどのケースで為替を見て動いている。だから、目ざとい海外の連中は、いつも為替ばかり見ていて、為替が動いたらすぐにゴールドを取引する。それで十分に間に合うからな。
先日も日銀が国債利回りの変動幅を拡大したが、そのときにドル円が円高に進んだのを覚えているだろう。急激に円が買われたが、その後にゴールドはどうなったと思う? 円高=ドル円の下落に合わせて急騰したんだ。
なぜそのようなことが起きるのか、分かるかな? これは単純な話で、為替が円高に動いたときに、円建ての金価格の価値が変わらないように、市場参加者がドル建て金価格を調整しようとするからだ。だから円高になった分、ドル建ての金価格は上がろうとする。そうすれば、円建ての金価格の価値は変わらなくなる。実際には全く変わらないことはないんだが、市場はそのようにして動こうとするため、為替が動いてからゴールドを取引しても間に合うんだよ。
こういう風に、ゴールドの基本的な短期トレードのコツを知っておけば、経済指標発表などのイベントの際に為替が変動したとき、ゴールドを利用して収益を上げることができるわけだ。ヘッジファンドなんかはこんな取引を普通にやってるぜ。イベントの際に「反応するのが遅れた!」と思ったら、すぐにゴールドに目を向けるといい。そうすれば、FXトレードで収益を上げられなくても、ゴールドの値動きで収益を稼げるかもしれないからな。
このようなテクニックは、特にゴールドのような過去に通貨の代替として使用されていたコモディティのトレードでは、極めて有効だ。だから、コモディティの中心銘柄のゴールドは、FXや金融市場との親和性が高いといえるんだよ。この特性を利用しないのはもったいないぜ。今日からでもゴールドの値動きをFXトレードと合わせて見てみるといいだろう。
次回はゴールドをさらに深堀りしていくから、楽しみにしとけよ。じゃあまたな!
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
定価:980円(本体891円)