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ジュンFX氏特別インタビュー「セオリーを疑え!話はそれからだ」15億円スキャルパーが到達したFXの真理

当サイト限定マネーパートナーズタイアップ

逆張りスキャルピングを極めて資産15億円を築いたジュンFXさん。
天才肌の彼ですが、意外にも情報商材を買って失敗したこともあったといいます。

そんな彼が一体どうやって成功者となったのか、そしてなぜ勝ち続けられるのか。
彼の思考を覗いてみました。

ジュンFX氏プロフィール
ジュンFX氏プロフィール

2008年からFXを始めて研究を重ねた結果、独自のスキャルピング手法を確立して2014年に専業トレーダーとなる。その後、2016年に通算収益1億円を達成し、2022年には年間収益1億円超えを実現。Youtubeでトレードの模様を配信中。

聞き手・本文◉荻田里佳
インタビュー実施日◎2024年9月11日

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お金持ちを目指して一念発起。会社員兼トレーダーに

─ジュンさんは今や15億円を稼いだカリスマトレーダーとして知られていますが、FXを始める前はどんな仕事をされていたんですか?

ジュンFX 高校を卒業してすぐに会社員として7年ほど働いていました。しかし、労働時間が長く、給料が安かったので典型的なブラック企業でしたね。若かったので無茶な働き方もできたとはいえ、睡眠時間もきちんと確保できないほど忙しかったので、頭痛に悩んだり、健康診断では尿検査に引っかかってしまったりして、体調も悪かったです。

─相当無理されていたんですね。

ジュンFX 私だけではなく、周囲の人も辛そうにしていたので、当時はそれが普通になっていました。

─仕事が忙しい中でFXを始めようと思ったきっかけは何だったのですか?

ジュンFX ある日、友達と「お金持ちになったら何でもできるね」という内容の話をしたのがきっかけでした。今の安月給で働いている自分がお金持ちになるには何をしたら良いのか……。友達は株を始めましたが、当時は金利の低い通貨で調達した資金を金利の高い通貨で運用して利ザヤを稼ぐキャリートレード全盛期。ネットで株のことを検索してもFXばかりが引っかかるという時代でした。

 そこで僕は「FXって何?」と興味を持つようになり、会社員との兼業でトレードをスタートさせました。仕事時間も長い中、隙間時間でトレードをしていたので、ずっと体調はすぐれなかったですね。でも、なんとかして状況を変えたいと必死でした。

 当時は口座を開設するまでに1週間ほど時間がかかったので、まずはデモトレードをやってみることにしました。

デモトレードで資産が激増。リアルトレードでは惨敗

─最初はどんな手法を用いてトレードをされていたのですか?

ジュンFX 知識のないまま始めましたが、自分なりに前日の高値または安値を見てエントリーを決めていました。高値で売って安値で買う、そして仕事の合間に決済するという方法です。

 すると、みるみるうちに資産は増加。デモトレードで「これは行ける」と意気込んで、自分の資金を投じてリアルマネーのトレードをやってみることに。最初は5万円からスタートさせたのを覚えています。

 結果から申し上げると惨敗です。その5万円は1度も利益を上げることなく溶けました。瞬間的に利益をあげていたかもしれませんが、ポジションを取った後、次の隙間時間までは放置していて利食いができなかったというのも負けた理由だと思います。

─デモトレードでは資金が増えたのに、実際のトレードでは利益が出なかった。一番の要因は何だと思いますか?

ジュンFX 単純に知識不足だったということに尽きます。最初はビギナーズラックもなく終了したということですね。

真面目に勉強を続けたのに資金はまさかの緩やか減少

─ジュンさんが今年8月に出版された書籍「チリが積もって15億 FXで成り上がった僕とあなたの微差」では、FXの勉強をするために情報商材を買われたと書いてありました。実際にいくつぐらい買われたのでしょうか?

ジュンFX 10個ほどは買ったと思います。安いもので約4000円で、それにはローソク足の基本、ダウ理論、グランビルの法則などが載っていました。ネットで検索したら無料で出てくるものばかりですね。

 当時はMさんのエントリー手法の商材や、Kさんのネットセミナーなどが流行っていた時代です。流行っていたものは結構買っていたほうだと思います。中でも、Sさんの商材はかなり多くの人が買っていた印象があります。

─Sさんの商材の中身はどんなものだったんですか?

ジュンFX 毎週Sさんが次にどこでエントリーをするかを解説する動画を出していました。資格を持っていない人がエントリーポイントを有料で解説していたので、鹿内編集長によると、投資助言の違反らしいですが(笑)。

 当時はそういう知識もなく、Sさんの動画などを見てひたすらFXの勉強に取り組んでいました。うろ覚えですが、Sさんの商材では、相場の過熱感などが分かるMACDや買われすぎ・売られすぎなどが分かるRSI、トレンドの強さを測るADXなどのオシレーター系を使って売買する手法が紹介されていた記憶があります。

 Sさんの解説動画には勝てるヒントがあるのではないかと考え、食い入るように見ていました。Sさんは過去のチャートを用いて、どこでエントリーをしたのかというのも教えてくれました。それを印刷して持ち歩き、仕事の移動での車の中や、トイレのときなどに、その紙を眺めていました。僕が見たときにはSさんのエントリーポイントの解説は数年分あったので、夜は複数の解説を見て、チャートに自分で丸をつけながら、なぜここでエントリーしたのかを考えました。そして、ある程度理解が進み、仮説を自分の中で立てられるようになってから、過去検証を繰り返します。まさにFX漬けの日々ですね。

 当時はMT4を使っていたので6万本以上のローソク足を表示させ、1本ローソク足を先に送れるF12ボタンを駆使しながら値動きを確認しました。

─Sさんの手法を勉強してFXの成績はあがりましたか?

ジュンFX これだけ勉強したら勝てるようになると思いますよね。でも、実際には負け続けて緩やかに資金は減っていきました。

自分の考え方が根本的に間違っていた

─Sさんの商材を極めるほど勉強された印象を受けましたが、勝てなかった原因は何だと思いますか?

ジュンFX それは「勝てる手法ではなかった」ことに尽きると思います。今僕が勝っているから言えることかもしれませんが、インジケーターやサインを見て売買する手法だけで勝つのは難しいと思います。昔は、インジケーターを見れば全てが分かるといったような説明をする商材が多かったと思います。そんなはずはないので、インチキですよね。

─「これではもう勝てない」と踏ん切りがついたのは何がきっかけだったのか教えてください。

ジュンFX FXは上がるか下がるかの2択なので、単純に考えると勝率も5分5分ですよね。ところが、当時はポジションを取ればすぐにレートが予想と逆に行き、含み損状態で損切りをした途端に跳ね返るという状態で、とても勝率が50%には及ばなかったのです。相場に弄ばれていたという言葉がまさしくぴったりかもしれません。

 そこで、負けている自分と逆のことをすれば良いのではないかと試してみますが、それでも勝てませんでした。これだけ何をしても勝てないということは「自分の考え方が根本的に間違っているのではないか」と気が付き始めます。

 また、本当はSさんでなく、Fさんの30~40万円ほどの商材を買いたかったんです。高くて買えなかったので、Fさんに似ているSさんの商材を買ったわけですが、Fさんへの憧れが消えたわけではありませんでした。そこでFさんの商材は買わなくても、Fさんのトレード履歴は見ることはできたので、ひたすら彼のトレードを研究しました。Fさんがエントリーしたレートを見て、チャートに丸をつける日々。あるとき、丸をつけられない日がありました。過去の履歴によると、Fさんは土曜日にトレードをしていることになっていたのです。そんなはずはない……。FXの取引ができるのは、月曜日の朝~土曜日早朝まで。週末には取引ができないはずなのです。

 それにもかかわらず、土曜日の日中にFさんが売買しているのはなぜだろうか。答えは一つしかありません。Fさんは「取引をしていない」ということ。取って付けたように過去のチャートを見て、あたかも本当に取引をしているように見せていたということです。

 とはいえ、僕もウブでしたので土曜日に取引ができる会社があるのかもしれないと思い、Fさんが使っているFX会社に電話で問い合わせました。「御社は土曜日も取引できますか?」って。もちろん答えはNOです。聞く前からなんとなく分かっていたことですが、確認しないことにはこのモヤモヤは晴れません。

 正式にFX会社から回答を得た僕は、Fさんの手法を勉強した時間が無に帰すのを感じました。ただ、Fさんから得た学びは、無知な投資家を集めてセミナーやアフィリエイトをして稼ぐ人が存在しているということ。僕はFさんのカモにされたということですね。

「こいつニセモノやな」出回る情報は嘘だらけ?

 当時の僕はまだFXで何が正解で何が間違いかも分からない状態。とにかく答えを探そうと躍起になっていました。

 そこで次は、Nさんのシグナル売買を試しました。Nさんの書籍はかなり売れていたようなので、もしかすると読者の人もご存知かもしれませんね(笑)。

 Nさんのシグナル売買では、Nさんがエントリーをすると、エントリーをした価格と出口戦略がメールで送られてきました。メールには、指値と逆指値をNさんがどこに置いたか分かるように記載されていたので、その通りに僕もやってみたんです。

 ある日、Nさんと同じようにポジションを取り、指値・逆指値を入れると、ギリギリ逆指値にひっかかり、損切りをしてしまったポジションがありました。

 Nさんは、高値を更新したら逆指値を引き上げていくトレール注文方式でしたが、僕はNさんと同じように逆指値を置いていたので、僕が負けたということはNさんも負けたはず。トレールできるポジションは持っていないはずなのです。

 しかし、シグナルのメールは続き、僕が切ったポジションがまだ損切りされていないことになっていました。そのメールには「高値を更新したので逆指値をスライドさせます」というような内容が書いてあり「俺、もうポジジョンないし!」と怒りが沸きました。

「僕は狩られているのに、Nさんはなぜ狩られていないことになっているのか」。これを冷静になって考えると、「こいつニセモノやな」とハッとしました。

 商材を買い漁ってついに気が付いたのは「出回っている情報は偽物だらけで、何が正解かは分からない。FXで絶対的な答えを探すのは不可能に近い」ということ。どんなに追求してもFXはギャンブルだという答えに辿り着きました。パチンコやポーカー、麻雀に近いものがあると思っています。

座る卓で勝敗が決まる。カモにされるのは一体誰?

 僕はFXを上達させるためのヒントを得ようとポーカーを始めることにしました。麻雀は長期戦になるので僕の性格的に向いていないと判断しましたが、ポーカーだったら1勝負が3分ほどで終わることもあるというのが魅力的でした。

 ポーカーを勉強するうちに、「これ以上良いカードは出ようがない」という強いカードがあることを知ります。相手が自分の強いカードよりも良いカードを持っていたときには、「もはや事故」と諦めがつくようなカードです。

 良いカードを「握り続ける」ときはそんな局面だけなんですよね。これはFXでも通ずるものがあると思います。僕はポジションをずっと握り続けるのは無理だと思っている派です。ポーカーもFXも、強いものは強いうちに、一つ一つのゲームで逆転されないように少しずつ勝ちを確定させていくほうが僕には合っていると学びました。FXでは自分が予想した方向へ抜けて勝っているうちに利食いをする、これをセオリーにするべきだと考えたのです。

 また、僕にポーカーを指南してくれたポーカーの猛者がいるんですが、猛者はどのテーブルに座るかでゲームの勝敗が決まると教えてくれました。FXでも、自分がどこで勝負するかは自由に決められます。つまり、勝負するところを間違わなければ、勝てる可能性は格段に上がるというわけです。

 さらに猛者は、テーブルへ腰を落ち着かせる前にそこに座っている人たちを見て、誰をカモにするか決めていました。それは、猛者だけでなく、他のプレイヤーも同じ。そのときは同じ人をカモとして見ていたとプレイ中に知ります。猛者がプレイ中に耳打ちで僕に教えてくれたからです。

 結局、そのゲームではカモにされた人が負けるという結果に……。もし、ポーカー初心者が「このゲームが初めてなんです」と自己紹介をしようものなら、真っ先に狩られやすくなるというわけです。

 実は、実業家で投資家として有名なウォーレン・バフェット氏もポーカーを好んでいて、投資界隈にこんな格言を広げました。 

「ポーカーを始めて30分が過ぎても誰がカモか分からなければ、あなたがカモだ」

 FXでカモにされるのは、含み損を抱えて損切り間近なトレーダー。実際に目の前にいるわけではありませんが、画面越しにそれを感じることがあります。例えば、売りを入れているトレーダーの予想が外れて上へ突き抜ける局面。誰もが注目する高値を超えたら、その人は損切りを検討しているとします。そして、その高値付近になったとき、誰がカモになるか。もう分かりますよね。カモになった人の損切りの買いが約定することで、大きく上へ動きやすくなります。FXでは、誰の損切りを狙ってポジションを取るか、それを考えるのが大事だということです。

タイムラグ解消?約定力アップで目覚める

─勝てるようになった秘訣を教えてください。

ジュンFX 環境の変化が大きいと思います。昔は買いにしても売りにしてもエントリーのボタンを押すと、それが約定するまで約2秒ほどのタイムラグがありました。自分が見ているレート、入りたいレートでエントリーができないのが普通だったんです。それに加えてスプレッドも3銭ほど。小数点第3位まで表示しているFX会社もなかったと思います。そのため、瞬間的にエントリーして小さな値幅を抜いていくというのはかなり難しい環境でした。

 しかし、近年はFX会社の企業努力により、エントリーしたときのタイムラグは大幅に減少、さらにスプレッドも狭くなりました。

 ポーカーを勉強している間はFXをお休みしていたので、再びFXに手を出すのは久しぶり。デモ口座はGMOクリック証券を使いました。そのときは、エントリーのボタンを押した瞬間に約定したので感動しましたね。さらに「動きそうな方向にポジションを持ってすぐに切ったら勝てるんじゃない?」とスキャルピングに可能性を感じたのもそのときです。動きそうな方向にポジションを取る、これをひたすら繰り返すと徐々に勝てるようになっていきました。

─スキャルピングで勝てるという気付きは自分で得たのでしょうか?

ジュンFX 多くの商材を漁る中で、Kさんの書籍や動画でスキャルピングのことは知っていました。Kさんが本物のスキャルパーかどうかはさておき、スキャルピングが一番お金を増やしやすい方法なのだと認識していました。ただ、それまではスキャルピングを行う環境が整っていなかったので、今のようなシステムが出来上がるまでは手を出す機会がなかったのです。

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バカラプレイヤーからFXで勝つヒントを得る

─当時は自分の中でルールを設けて売買していたのですか?

ジュンFX マーケットの分析もルールも決めることなく売買していました。動きそうな方向にポジションを持って、すぐに利確または損切りをする。ただこれを繰り返していただけですが、初めて「勝てるかもしれない」と手応えを感じました。

─そこから、高確率でスキャルピングで勝てる方法を確立していますよね。どうやって、その手法に辿り着いたのでしょうか?

ジュンFX 「なんとなく勝てる」ではダメだと思ったんです。カジノのバカラプレイヤー・和田史久さんの書籍『勝つまでやめるな!』を読んでから、「勝ち」にこだわるようになり、考えを改めました。和田さんは、書籍のタイトル通り、勝つまでやめない人。バカラで数百億円も勝っていると言われています。和田さん曰く「負けているときは小さく打って、勝っているときは大きく打つ」のがバカラで勝つ秘訣だそうです。これはFXも同じですよね。損切りは小さくしたほうが取り返しやすいですし、大きく勝てると確信した局面では大きく賭けたほうが良いですよね。

 しかし、FXはその言葉のように綺麗なものではありません。もっと泥臭いものです。勝つまでやめないことは大切ですが、それは損切りをしないということではなく、損切りをしながらでもゲームを続け、勝ち続けることが大事だという意味だと、僕は解釈しています。

逆張りで狙い撃つ。チャンスは必ず来る

─ジュンさんはご自身の書籍の中でも仰っていますが、逆張りで勝っているイメージが強いですよね。

ジュンFX むしろ、僕がやっているのは逆張りのみです。そもそも順張りとは、トレンドが発生している方向に従ってポジションを取っていくことを指します。例えば上昇トレンドなら買い、下降トレンドなら売りを入れることが順張りですね。逆張りはトレンドとは逆のポジションを持つことを意味します。

─最近は「順張りで大きく伸びる方向にポジションを持ったら勝てる」と説明している人が多いように思います。逆張りは難しいですよね。

ジュンFX FXで簡単に勝てる方法はありません。僕も高値を更新したら買いポジションを握る、安値を更新したら売りポジションを握るといった手法を試したことがありますが、そういった高値・安値付近では値動きが重たくなって、結局思っていた方向と真逆に動いて負けてしまうという経験を繰り返してきました。世の中で勝てると言われている方法が必ずしも自分に合っているとは限らないのです。

 とはいえ、やみくもに「逆張りすれば勝てる」というわけではないので、真似をして「勝てないじゃないか」というのはやめてください。単純に逆張りをして利益を得るのは非常に難しいです。

 僕の場合は逆張りで勝てる局面を待って、狙い撃ちするのです。チャンスは必ず訪れます。焦りは禁物です。

ほとんどの本を読んでもWEB情報を漁っても順張り=王道と書いてあるけど本当?

ほとんどの本を読んでもWEB情報を漁っても順張り=王道と書いてあるけど本当?

一般的に順張りとは、トレンドに逆らわないことを指し、反対に逆張りはトレンドに逆らうことを意味します。よって、下降トレンドでは売りを入れるのが順張り、買いを入れると逆張りになります。そして、上昇トレンドでは買いが順張り、売りが逆張りです。

本やWEBなどで得られる多くのFXの情報では、「順張りがトレードの王道」「逆張りは初心者におすすめできない」という方向性で語られます。基本的にはこの認識で正しいかもしれませんが、ジュンさんも言うように、世の中の認識が必ずしも自分にも合うとは限りません。当たり前を疑う姿勢を持つのも、トレーダーとして大切なことです。

ナンピンで探り当てた高勝率売買ポイント

─ジュンさんがどうやって今の手法に至ったのか、詳しく教えてください。

ジュンFX 僕はまず、損切りを20pipsに置いて、その中で利益を出す方法を考えることにしました。FXでは「ナンピンは危険」だといわれていますが、それはリスク管理次第だと思います。

 僕の損切りラインは20pips。20pipsに至るまでナンピンを繰り返しました。すると、「ここでポジションを取ると、すぐに利益に繋がる」というポイントが分かるようになりました。

 それが「オーバーシュート」です。レートが行き過ぎた局面「オーバーシュート」を見極めて、そこで逆張りを仕掛ければ、すぐに利益に繋がりやすいというわけです。チャートを見ていて、値が急激に動き出すことがありますよね。そのことを「値が走る」というのですが、値が走った局面はチャンスだと思っています。

 また、ファンダメンタルズ的なマイナス材料が出て、トレーダーがポジションを投げ売りするときも逆張りするチャンスです。

─レートの急上昇・急下降がどこで止まるかはどうやって判断しているんですか?

ジュンFX こればかりは長年培った感覚です。値動きの癖を見てトレードしているのですが、感覚の部分は言語化不可能で、どの言葉を選んでもしっくり来るものはありません。そのため、説明できないのです。

 ただ、この感覚が分かるようになってくると逆張りでも勝てるようになります。もちろん、そのままレートが跳ね返らないこともあるので、損切りはしっかり行えるようにしておくことが大切ですね。あとは「鍛錬しましょう」としかアドバイスできません。

─答えを人に求めても得られないということですね。私もチャートと会話できるまで極めようと思います。

ついにジュンさんが気付いてしまった逆張りで勝ちやすいポイントとは?

勢いよく突き抜けすぎるとすぐに戻りやすい法則

勢いよく突き抜けすぎるとすぐに戻りやすい法則

FXの相場では、値動きに勢いがつきすぎて、想定可能な水準より遠くまで価格が動いてしまうことがよくあります。ナンピンしながら売買していくうち、こういった行き過ぎのタイミングを狙えば、利食いしやすいことを発見しました。

損切りを喰らい尽くすころが相場が反転するタイミング

損切りを喰らい尽くすころが相場が反転するタイミング

相場が急激に動くときには、新規エントリー以上に、損切りの注文が短いタイミングで一気に執行されていることが多いです。こういった投げ売りの状態は、損切りの注文が一巡してなくなることで勢いを失い、反転することが多いです。

もし一瞬でも利益が出たら必ず幻では終わらせない

─利食いの考え方を教えてください。

ジュンFX 利食いはどんな値動きを取りたいかを自分の中で明確にしておくことが大切です。

 例えば急下降からの反発狙いで逆張りの買いポジションを入れたとします。どこまで値を上げてくれるかは分かりませんが、もし一旦反発したなら、そこで出た利益はなんとしてでも確保しなければならないということ。少しでも勝ったのなら、それを勝ちのままで終わらせるのです。願望としては反落するまで握り続けたいのですが、反落してからでは遅いこともあるので、そこは相場の雰囲気を見ながら利食いを決めています。

 もちろん、利食いはできる限り伸ばす、というのは基本にありますが、マイナスにさせないことも必ず意識しなければならないのです。そのため、何pips取れたら利確するなどといった値幅では利食いを決めないのが基本です。

─次に損切りについても教えてください。

ジュンFX 反発狙いの損切りは、反発しなければ切ります。反落も同じ。ただ、エントリー・利食い・損切りは、成行注文で行いますが、値動きが速いときは成行で損切りできないこともあります。そのときのために、逆指値を常にセットしておくか、特定のレートになったら指定済みの指値注文や成行注文などを有効にするトリガー価格を浅く設定しておくのが良いと思います。

─スキャルピングは高い集中力と経験が必要だということが分かりました。ここであらためて、スキャルピングの最大のメリットを教えてください。

ジュンFX 書籍でも紹介していることですが、1年先のことを予測するより、1秒先を予測するほうが難易度は下がります。さらに、1秒先については機関投資家と個人トレーダーの間に情報格差がないため、戦いやすいというのがメリットだと思います。これからスキャルパーを目指す人は、そのメリットを最大限活かしてほしいと思います。

そのとき出ている利益は大切にしよう。そして反発しないときの潔さが身を守る

そのとき出ている利益は大切にしよう。そして反発しないときの潔さが身を守る

オーバーシュートが発生しても、初心者はどこで値が止まるか悩むかもしれない。これには明確なサインが出るわけではなく、相場によって下落幅・スピードも異なる。しかし、長年トレードに向き合っていると「ここで値動きが反発しそうだ」という感覚が分かってくる。その精度を高めることが大切。そして、●でエントリーしても反発しないこともあるので、そのときは潔く損切りする。一方で、反発した場合はレートが上がり続ける限り、ポジションを握り、反落しそうな雰囲気を感じ取ったら利食いする。

基本をマスターしたならセオリーを疑って勝つ

─ジュンさんのように億り人になりたい人は多いと思います。そんな方に向けてアドバイスをお願いします。

ジュンFX まずは自分がマーケットのカモにならないことが大切です。カモにならないためには、「当たり前がセオリーを作る」ことを理解すること、「当たり前を疑う」こと、この二つが必要です。ダウ理論やグランビルの法則、チャートパターンを勉強するのは基礎の基礎ですよね。それらはトレーダーがどんな動きをするのかを凝縮したものだと思います。

 FXでは「知っていて当然」の情報を使って、自分がどう勝つかを考えなければなりません。価格が停滞したとき、段階的に入る損切りが次に価格を動かすパワーになるということも珍しくないです。例えば上昇トレンド中にダブルトップが現れたとします。セオリー通りにいけば「売り」を入れるでしょう。しかし、値動きが重たい。そんなときは、あなたを狩ろうと買いのトレーダーが待ち構えているかもしれません。

 それぞれの局面で考えなければならないことは異なりますが、どんな市場参加者がいるのかは、基本を知っておかなければチャートを見ても想像ができないもの。基本を知って対策を考えることが勝つために大切なことです。これまで負けていた人はセオリー通りのポジションを持って良いのか、疑ってみてください。

─最後に読者へメッセージをお願いします。

ジュンFX 僕の書籍『チリが積もって15億 FXで成り上がった僕とあなたの微差』では、今回お話ししたことがより詳しく載っています。サブタイトルにあるように全てのトレードを考え抜いて取り組むこと、細かいことを気にして気が付くこと。それが僕とあなたの微差かもしれません。最初の利益は小さくても良いと思います。それを長年積み上げられるかどうか。チリも積もれば山となるのです。あなたが山のような資産を築けることを願っています。

どうせなら狩られるより狩りたい!カモにならない考え方を絶対身につける

どうせなら狩られるより狩りたい!カモにならない考え方を絶対身につける

セオリーを疑うには、セオリーをきちんと理解しておかなければなりません。FXの勉強を一通り終えて、さらにトレーダーとして上を目指すなら、セオリー通りにトレードをしているトレーダーをどう狩るかということも考えていきましょう。そのためには、本当にこの局面で買いなのか・売りなのかをしっかり考えてエントリーするようにしてください。

逆張りスキャルで15億円を稼いだジュンFXさんの歩みをまとめてみた

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担当ライター荻田が「チリ積も15億」を読了した感想

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 ライターの荻田です。「利益を伸ばすなら絶対順張り!」という固定観念があってなかなか思うように勝てなかった人は、この本を読んだときに、その謎が解けるかもしれません。

 今回の記事でもお伝えしましたが、勝ち続けるためにはセオリーを疑うことが大切なんです。FXは何も勉強せず始めたけれど、勝てるようになりたいからしっかり勉強してみた。すると、最初より勝てなくなったという人も少なくありません。それは、型を勉強したからこそ、型通りにやるので当たり前を疑う人のカモになっているのかも……。

この1冊には、逆張りで勝てる人の思考が詰まっています。スキャルピングで必要なメンタルも書かれているので、ジュンさんのような億り人を目指すトレーダーは必読です!

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FX「外国為替」編集部
FX「外国為替」編集部。たくさんの投資家の人生が、FXのおかげでほんの少し豊かになる—。そんな未来を目指して2022年8月に『外国為替』を創刊。雑誌は全国の書店およびAmazonで発売しています。
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