FXで取引できる通貨ペアには、ドル円以外にユーロドルや豪ドルNZドルなどの、日本円が絡まない通貨ペアがあります。これらの通貨ペアが取引できるのがFXの利点ではありますが、FX初心者にとって損益計算がしにくい通貨ペアでもあります。しかしFXで儲ける以上、これらの対円以外の通貨ペアの計算方式は知っておく必要があります。
日本円が絡まない通貨ペアは、口に出すと分かりやすくなります。例えばドル円のレートが130円のときは、口に出すと「1ドルが130円」となります。同様にユーロドルが1.10ドルであれば「1ユーロが1.10ドル」となり、通貨ペアの関係性が分かりやすくなります。つまり、通貨ペアは左側の通貨が、右側の通貨単位でいくらなのかを表しているのです。この左側の通貨を「基軸通貨」、右側の通貨を「決済通貨」と呼びます。
さらに、これが分かれば各通貨ペアの1pips単位の価値の違いも理解できます。クロス円で1pipsは決済通貨単位である日本円で1銭に相当しますが、ユーロドルなどでは1pipsが0.0001ドルに相当します。つまり、ドル円が130円だったときのユーロドルの1pipsは1.3銭相当の価値となるのです。
ちなみに、対円以外の通貨ペアでpips単位にすると小数点のゼロが増えるのは、日本と通貨の基本単位が異なるからです。日本の1円は、1ドルの100分の1である1セント相当になります。そのさらに100分の1の単位である銭に相当する補助単位は米国にはなく、1銭=0.01セント相当になります。なので、対円以外の通貨ペアでは小数点以下のゼロの数が多くなるのです。
事前にリスク許容金額と損切りレートを決めよう!
FXではトレードする際に証拠金が必要で、それは「レート×取引数量÷最大レバレッジ」で計算できますが、実は必要証拠金はユーロ円でもユーロドルでも、基軸通貨が同じであればほぼ一緒の金額になります。例えば、ユーロ円を1万通貨ロングするということは、1万ユーロを買ったということになりますが、ユーロドルでもそれは同じです。1万通貨をロングする=1万ユーロを買ったということになり、ユーロを1万通貨分買ったことに変わりありません。
FXの証拠金は、基軸通貨の価値に掛けて計算されるので、ユーロ円でもユーロドルでもユーロ豪ドルでも基軸通貨が同じであれば最終的に計算式は多少異なりますが、ほぼ一緒の証拠金が算出されます。このことをトレードする上で覚えておきましょう。
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
定価:980円(本体891円)