テクニカル分析を主体にした確かなトレード手法・技術と、際だったキャラによる情報発信は、もはやFX業界のシンボルといった感さえあるポンド戦士もちぽよさん。
成功したからこそ言語化できた、今に至るストーリーと、今後やりたいことを聞いてきました。
聞き手・本文◉鹿内武蔵/撮影◉@linejka
サラリーマンには絶対になりたくなかった
─FXと出会って、変わったことを教えてください。
「やはりマネーリテラシーはすごく上がったと思っています。トレードで結果を出すためのチャート分析はもちろん、経済のニュースを見聞きして、知らないことがあればすぐ調べるくせがつきました」
─FXのトレードと直接的に関係のない面でも変化があったんですね。
「間違いないですね。FXと出会ってなかったら、確実に縁がなかった分野へも興味が出て、きっと賢くなれたと思います。
とはいえ、トレードを始めて5年くらいは全然うまくいきませんでした。今思えば、あまり真剣じゃなかったのかもしれません。ただ、ある時期からトレードを学ぶことの楽しさに気づき、そこからのめりこんでいきました。今では生活に困らないくらいにはトレードができるようになり、いろいろな面で人生は豊かになったんだなとしみじみ思います」
─トータルで大きなメリットがあったということですね。
「はい。FXを始めて良かったと本当に思います」
─もちぽよさんは、FXを始める前はどういう人だったんですか?
「路頭に迷っている単なるフリーターでした。将来どうしよう、みたいな。音楽をやっていて、バンドで有名になりたいなと思っていたくらいですね」
─いわゆる普通の若者だったんですね。
「そうだと思います。ただ、サラリーマンには絶対なりたくないという思いは、きっと誰よりも強かったと思います。LGBTということもありましたが、普通の企業に勤めて、スーツを着て、黒髪でというのが、まったくイメージできませんでした。確実に辛い思いをするだろうから、自由でいたかったです」
─FXに取り組み始めた最初のころ、印象に残っていることはありますか?
「学校の勉強はまったく好きじゃなかったけど、FXの勉強は本当に楽しかったですね。本もたくさん買いましたし、毎日勉強しまくってもぜんぜん苦じゃなかったです」
─知的好奇心や探究心が満たされた感じですか?
「そうですね。チャートを研究すること自体が楽しかったです。チャート分析は、計算というよりは図形じゃないですか。数学は苦手なんですけど、チャートは今でも好きです。あとは、トレードがうまくなったら夢見ていた生活が実現できるかもしれないという、希望や期待もありました」
お金のためだけでは勝てるようにならない
─もちぽよさんにとって、FXとは何でしょうか。哲学的な質問で恐縮ですが。
「難しいですね(笑)。人間の気持ちがいろいろ詰まっている波形が、チャートなんだと思います。良いときは上昇トレンド、悪いときは下降トレンドになる、みたいな。そういったものが連動しているように感じます。突き詰めていくと、FXはつまり人間じゃないかと思います」
─FX自体をお好きですよね。
「はい。好きだから、ここまで来れました。勉強も苦じゃないし、気になったことは何でも調べるし、検証もします。だから、FXに対して好奇心を抑えきれないような人は、きっとトレードに向いていますね」
─いろいろなトレーダーさんを見てますけど、100%お金のためだけにトレードをしている人は、まず成功しないような気がします。
「同感です。好きだったり、興味があったりしてFXをどんどん追求していって、その結果としてお金が儲かる状態にまでなっていると思います。これは他の仕事もそうで、やはりそれ自体への興味がめっちゃあるからこそ、お金を稼げるレベルまで達するんです」
─好きだから続けられますよね。
「完全にお金のためだけだと、続けられないと思います。どんなトレーダーでも、一時的に負けるときがあるじゃないですか。そういう時期を乗り越えられない」
─話は変わりまして、今はどういう活動をされているんですか?
「自分のコミュニティを運営しつつ、SNSで気ままに発信している感じです。トレードは、スイング的に長めにポジションを持つことが多いです」
─かつてほどは短期売買をされていないんですね。
「そうですね。ただ今年はYouTubeなどの動画配信も積極的にやっていきたいです。もっと有名になりたいんです(笑)。街を歩いていて、『あれ? あの人は…』みたいな。YouTubeのチャンネル登録者数でいくと50万人くらいですかね。FXだけで達成するのは難しいので、エンタメ要素も絡めて盛り上げていきたいです」
─いいですね。もっと有名になっていただければ、それだけFX業界も盛り上がって参加者が増え、今よりさらに環境が良くなるかもしれません。
「ただ、あまりたくさんの方に、FXをやってもらいたいとは考えていません」
─そうなんですか?
「いろいろ調べ、行動する中で、私にたどり着いた方の上達には尽力したいです。教えることは好きだし、それがないと暇すぎて死んでしまいます(笑)。トレードが上達したい方のお手伝いが、今の私にできることです。ただ、他力本願の人は間違いなくうまくいきません」
─最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
「表紙を見て、『誰だこの金髪?』と思われた方もいると思いますが、存在だけでも知っていただきたいです。それと、トレードでつまずいている方、私は教えるのはけっこう自信があります。頼っていただければ嬉しいです」
[撮影協力]焼肉よし
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