コインの世界にはグレーディングと呼ばれる評価制度があり、これを利用して儲けることもできます。どうやって儲けるのか? いくつかある方法のうちの一つをご案内しましょう。
グレーディング(グレード)とは?
グレーディングとはコインの評価制度で、付与された数字等がグレードです。製造時の状態を保っていれば未使用、未使用の中でも傷が少なく完璧なものが完全未使用です。流通で摩耗したり傷がついたりすると、その程度によってグレードが下がります。
傷や摩耗の程度は誰が見ても分かるものではなく、知識と経験が必要です。多くの人がコインに親しめるよう、文字や数字でグレードを表現しており、国によって表現が異なります。
PCGSやNGCは米国の鑑定会社で、コインをプラスチックケース(スラブ)に封入して70段階評価(PO-1からMS-70まで)の数字をつけます。スラブに入れるとコインに傷をつけてしまう心配がなく、コインの知識がなくても数字で判断可能で、コインの普及に貢献してきました。
グレードの差を利用して差額で儲ける
グレードはとても便利な仕組みの一方、問題点もあります。専門家であっても、人によってコインの判定にズレが出る可能性があるという点です。
そこで、スラブでは高グレード評価の一方、そのコインの販売業者は高く評価していないというコインを探すと面白いかもしれません。コイン業者で安く買い、他の業者でスラブの数字通りの評価で売れば、差額を儲けられるという仕組みです。
筆者は一度だけこの方法を実行したことがあり、そのときはあっけなく簡単に稼げました。しかし、いつも稼げるかどうかはわかりません。買いたい人が見つからなかったり、売りたいコインの人気が落ちてしまったり、期待通りにならない可能性があります。
なお、この方法で稼ぐためには、2つの条件を満たす必要があります。
条件1:他人がグレードの数字を基にして買ってくれること
条件2:コイン業者が正直であること
1つ目の条件を満たすのは簡単です。コインの目利きができる人は多くないからです。2つ目の条件が難しいです。自社ではグレードが低いと思っても、スラブの数字通りに売れば高値で売れます。そうしないで自社の目利きに沿って(安く)売ってくれるということですから、正直なコイン業者をいかに確保するかが勝負といえるでしょう。
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