熱狂的なファンを多数抱えるNOBU塾さんが、欲望先行でなかなか安定したトレードができないananさんに、独特のワードセンスによるトレードアドバイス。いわく、相場とは本当に怖いものであり、舐めてかからないように自らをしばく必要があるとか。全裁量トレーダー必見の内容となりました!

NOBU塾(のぶじゅく)氏プロフィール
投資歴21年の量子論ハイボールバラエティー系プロトレーダー。お金が原因でやりたいことができない若者や、お金の悩みから老後に不安を感じる人の役に立つため、次世代支援家として活動している。「トレードは人生の縮図」をモットーに、トレードノウハウと考え方をYouTubeチャンネルで公開中。趣味はトレード、総合格闘技、量子力学研究。【著書】日利1%FX 鉄壁の不動心トレード(KADOKAWA)

anan(あんあん)氏プロフィール
本業は看護師。働きながら投資に励む兼業トレーダー。2017年に株式投資とFXを始め、投資利益で生活することが目標。生涯収支が浮き沈みする中で「投資は欲望と向き合う行為である」という実感を、SNSやセミナーで率直に発信している。
※FX雑誌『外国為替』vol.17(2025年12月22日発売)より転載 最新号の目次・お知らせはこちら
本文◉北原拓実
トレードは才能ではなく継続することが大切
anan ずばり、才能がない人でも勝ち残れますか?
NOBU塾 待つことができる、継続できる、成功や失敗を反省にして改善できる才能は必要です。例えば、利益を取れたら「儲かったから気持ちいいな」で終わりではなく、「なんで利益が出たんだろう?」、反対に損失が出たら「なんで損失を出してしまったのだろう?」と、自分で探求できる人が勝ち続けられると思っています。それらを才能と見なすならば、勝ち残るために才能は必要だと思います。
ですが、「才能がない人でも勝ち残れますか?」と聞かれると、答えは「はい」です。私も最初からそういう気質ではなく、利益さえ出ればいいかなと考えていました。それで、「なぜ利益が出るんだろうか」と考えたときに、損失が出た原因を徹底的に追求しないといけないと思ったんです。いろんな角度から失敗の原因を追究し、損失になる理由を全部しらみつぶしになくしていった結果、利益が出続ける状態になりました。
結局、トレードをコツコツと続けてさえいれば、トレーダーに向いている気質とか才能だけが残って、ずっと生きていけると思います。ただ、続けている間にしんどくなってトレードを止めてしまい、その結果として「トレードで勝つには特別な才能が必要だ」と思ってしまうんだと思います。本当にマインドやメンタルの話に尽きると思いますね。
anan トレードは辛い部分もたくさんあるので、続けることができるのは才能といえるかもしれないですね。
初心者ほど退場はしておいたほうが良い
anan トレードを続けるためには退場しないことが重要だと思いますが、初心者が退場を防ぐために大切なことを教えてください。
NOBU塾 退場したときが一番反省するので、私は初心者ほど退場したほうが良いと思っているんですよ。
anan 確かに、本当にやらかしたときにしか反省しないかもしれないです。
NOBU塾 ただの損失はまだ先があるから心の底から反省はしないんですけど、退場は本当に危機感が生まれます。危機感があるからこそ、相場を舐めてかかってはいけないという思いが育まれます。最初でボロボロにやられないと、相場に対する尊敬の思いはなかなか生まれないんです。相場を舐めてかからないからこそ、慎重にエントリーポイントを見つけ出して、タイミングをじっと待てるようになります。
一方で、退場経験がない人は軽率にエントリーしてしまいがちです。それは、トレードの勉強をしていくと、あらゆるチャートの値動きや経済ニュースが全てエントリーポイントだと思えるぐらい知識が身についてくるからです。知識があると、買う根拠も売る根拠もいくらでも作れてしまうので、最終的に口座にログインした瞬間にエントリーする状況になってしまいます。
anan 私もよくやってしまいます。チャートを見た瞬間に「買い時は今だ」みたいな感じです。
NOBU塾 そういう人はトレードについての知識もあるし、経験もあるからできるんです。本当の素人は損失が怖いから即エントリーはできません。ある程度の経験を積んでトレードに対する怖さがなくなると、損失の道を突っ走るみたいな感じになるんですね。
初心者になぜビギナーズラックがあるのかというと、相場が怖いから舐めてかかっていないんです。
anan それは私のことですね(笑)。NOBU塾さんはトレードが今でも怖いですか?
NOBU塾 ものすごく怖いです。YouTubeで配信していて、多くの人に見られながらトレードをしているから怖いという部分もあります(笑)。
anan 私は損失が出たら取り返せばいいやと思っているので、怖くなくなりました。
NOBU塾 本当にいつでも取り戻せるようになっている人と、取り戻すという考え方がトラップで損失を重ねる人がいます。私自身、いくらでも取り戻せると思っていて、実際に勝っています。一方で、相場を決して舐めてはいないです。どれだけ勝てる自信があっても資金の2〜3割くらいしか投入しないみたいに決めてやっています。
要するに、危機感があるからこそ、相場を舐めてかからないという気持ちが醸成されて、その気持ちがあるからこそ勝ち続けることができるので、退場する経験はしたほうが良いと思っています。
初心者が相場に慣れてきて軽率なエントリーをし出したり、今日も儲けるぞみたいなメンタルになり始めたころが一番危険ですね。あとは、相場が分かってきたときです。例えば、経済ニュースが分かるようになったころは、含み損が増えても放置したり、逆に損切りを連発して傷口が広がった結果、最終的に退場に追い込まれがちです。退場して本当に痛い目に遭わないと、こういうパターンを消すことは難しいんじゃないかなと私は思っています。
anan 推奨はしないけど、一回は退場を経験すると相場に対する真剣さが違ってくるということですね。退場したらトレードに対するメンタルが崩れると思うんですけど、その場合の立ち直り方はどうすればいいですか?
NOBU塾 まずは自分のメンタルが崩壊していることを認識するのが大事です。本当に辛い状態になっていることを認識しないと、「なんで俺だけ」とか「これだけ一生懸命やっているのになんで報われないんだ」と自暴自棄になってしまうので、メンタル崩壊を受け入れることが大切です。「退場したけど新しい経験ができて良かったな」と、自分を肯定していかないといけません。映画やドラマでも主人公はいろんな挫折や苦悩を乗り越えて成功するから視聴者は感動するのです。それと同じように、いろいろな苦労や挫折経験を乗り越えていかないと、良いトレーダーになれないと私は感じています。
また、私は最初のころはエクセルシートに記録をつけていました。例えば、月に200万円の利益を出すと目標を立てた場合、1か月はおよそ20営業日なので、毎日10万円の利益を出さないといけません。そんな中、仮に1日で50万円の損失が出てしまった場合、200万円の目標金額から50万円を引いて、この月は150万円稼げばいいと目標を切り下げるんです。そうすれば、明日も10万円を稼ぎ続ければいいやとマインドをリセットでき、50万円の損失を次の日に取り戻そうとしなくなります。
そして、心の声は実際に呟きましょう。連続で負け続けていたら「負けて焦っているな」「危険だな」と自分で声に出して現在の状態を耳に入れないと、「今回はたまたま負けただけで明日は勝てる」というように自分を誤魔化しちゃうんですよね。自分を誤魔化さずに現状を受け入れて、「明日からまた、愚直に淡々と儲けすぎないように気をつけながらトレードしていこう」と口に出していくことが大切です。
anan 自分が落ち込んでいることやマイナスの部分を受け入れていくのはしんどいです。
NOBU塾 その人の性質によりますね。私は自分を磨くために一生懸命で、磨いているときは辛いんですけど、その辛いときが一番楽しいです。
感情的な自分を受け入れるNOBU塾流メンタル管理
anan NOBU塾さんはメンタルがすごく強そうですよね。メンタル面だと、初心者は損切りができない人が多いと思いますが、NOBU塾さんは損切りできなかったことはありますか?
NOBU塾 私はスタートから損切りできていました。損切りしないといけないと本に書いてあったので、損切りするところを決めて、ここまで下がったら損切りすると形式的にやっていました。ただ、損切りして良いときと、損切りせずに持ち続けないといけないときがあります。それを見極められるようになるのに時間がものすごくかかりましたね。
例えば、RSIが20になったら買って良いときと、20でも買ってはいけないときがあります。これは全てにおいてそうなんですけど、その時々に応じて柔軟に対応していかないといけないんです。その判断力を磨くには場数を踏むしかなく、他を寄せつけないぐらいの場数が必要です。
初心者にお勧めの損切りの基本的な方法としては、まずは損切りラインを決めて、現在値を確認します。そうすると損失の幅が明確に分かるので、その損失幅で許容できる損失額を当てはめていきましょう。例えば、ドル円が157.50円の時に買いエントリー、損切りはエントリーから10pips下の157.40円で、損失を受け入れられる金額は1万円とします。そうしたら、ロット数は10万通貨まで取引できると決まりますよね。
要するに、損切りラインを決めると損失幅が決まります。そこに許容できる損失額を当てはめると、ロット数も分かり、淡々と損切りができるようになるので、まずはそこから練習すると良いと思います。損切りはゴミ拾いと似ていると私は考えています。
anan 不要なことを自ら進んでやるということですか?
NOBU塾 その通りです。誰も見ていないところで決めたことをやれるかなんです。ゴミを拾うという行動はすごく良い行動ですが、自発的にゴミを拾う人は少ないと思います。損切りも自分の資産を守るためのすごく良い行いですけど、やらなくても良いだろうとつい思いがちです。それを「誰も見ていないところで、ちゃんと何年間もできますか?」と相場に聞かれているんですよ。良い行いができる人間かどうかを試されていて、「できます!」という人だけが生き残れる世界です。勝てるようになる人は、誰も見ていないところで決められたことを淡々と続けられる人だと私は思います。
anan NOBU塾さんは淡々としているイメージがあって、あまり感情的になることはないと思います。トレードは感情で動くと失敗すると言われますが、冷静さを保つために意識していることはありますか?
NOBU塾 私も感情的ですよ。感情はエネルギーなので、自分を奮い立たせるとか、悔しいと思うからこそ相場と向き合う原動力にもなります。だから、感情は大切だと考えています。ただ、相場に入った後に感情でエントリーポイントを変えてはいけませんよね。私はそこを改善していくのにかなり時間がかかりました。
anan 具体的にどのぐらいかかりましたか?
NOBU塾 私の場合は1日10時間以上のトレードを毎日していて、2〜3年続けたら感情に振り回されなくなりました。私は感情の起伏が激しく、徹底的に相場から叩きのめされたのでこうなれたのだと思います。結局、自分の感情を肯定するしかないですよね。今の自分は悔しがっているとか、焦っている、調子に乗っているとかを客観的に見ることができて、調子に乗ってる自分最高とか、凹んでる自分も最高みたいになってくると、やっと感情が消えてくるんですよ。そうなると、冷静に客観的に自分の感情を俯瞰して見ることができて、淡々としたトレードができるようになってきます。
利益を欲張らないことでどんな相場にも対応できる
anan 著書である『日利1%FX 鉄壁の不動心トレード』ですが、日利1%は地味に感じます。月利100%を狙いたくなる初心者をどう説得しますか?
NOBU塾 ちょっと格好つけた言い方をすると、取りすぎるのは宇宙の法則に反するんです。要するに、自分が生きていける分だけ頂いて、余った部分は他の人に分け与えないといけないということです。具体的には、頭と尻尾はくれてやれ戦略で自動的に実現できます。100円で買って110円まで上がると思ったら、102円くらいで撤退して、残りの8円分は他の人にあげるんです。私はそれを繰り返しているだけです。
anan 確かに、本来は絶対に自分が取れるところだけ取ればいいですよね。
NOBU塾 それを続けていくと、スキャルピングトレードであればずっと勝ち続けられます。本当に勝てるところでしかエントリーしないし、欲張らずにすぐ撤退するからほぼ利益になって、次のチャンスがすぐに来るわけです。
実は、私も月利100%にチャレンジしたことがあります。そうすると、レンジ相場に対応できなくなるんです。レンジ相場は不規則な動きを繰り返すため、そこでいっぱい稼ごうと思っても、空回りして損失を出してしまう可能性が高まります。1日に1%ぐらいの利益が、レンジ相場でもトレンド相場でも安定して取っていける目安だと思います。
anan 月利100%を狙うと逆に利益を伸ばしにくいのは分かります。NOBU塾さん的に、初心者がこれだけは最初に覚えるべき考え方、チャート分析、手法などのテクニックを教えていただきたいです。
NOBU塾 一つ目は、「まさか」というところまでエントリーをしないことです。例えば、ここまでは下がらないだろうみたいなラインがありますよね。実際に、そのラインまで下がってきて、さらにラインを割って下がったときに「まさかここまで下がるとは」が登場します。
そして、まさかここまで下がると思わなかったところからさらにもう一段下がるときがありますよね。そこまで待ったら、逆張りのロングエントリーをします。「まさか」が二回から三回ぐらい発生するまでエントリーをしないと決めてしまえば、かなり勝率は上がります。
二つ目はダマシの後にエントリーすることです。例えば、レンジ帯を上に抜けると思いきや下落してレンジ内に戻るダマシが発生した場合、そのままレンジの下限を抜けるタイミングで売りエントリーをします。下落のダマシも同じで、レンジの下限を抜けたけど再上昇するダマシが発生したら、そのまま上限を抜けるタイミングで買いエントリーをして利益を出すという方法です。これは勝率がものすごく高い方法です。
三つ目は損小利大ではなく「損小利小」を心がけることです。2割や3割だけもらって逃げることを繰り返していけば、利益は増え続けるだろうなと感じています。
anan 単純に見えて深いテクニックですね。
専業トレーダーのラインはプラスの成績3か月維持
anan 自由になりたいからFXを始めるという初心者は多いと思いますが、NOBU塾さんの中で「この条件を満たすまでは会社を辞めるな」という基準があれば、ぜひ教えていただきたいです。
NOBU塾 私は兼業のほうがメンタルは安定しやすく、早く取り戻したいという気持ちも出てきにくいと思います。ただ、本当にトレードが大好きなら専業になっても良いとも考えています。
anan 私はトレードというよりはお金が好きなので、兼業のほうが良いのかなと思います。
NOBU塾 お金が好きな方は兼業がおすすめです。専業がお勧めな人は検証が好きな人です。あとは、成績が乱れないことが重要です。
1日くらいマイナスの日があっても良いと思うんですが、週単位のプラスを3か月間、つまり12週間ずっとプラスの状態をキープできる人でないと、専業トレーダーは厳しいですね。また、プラスといっても1日に1〜2回トレードするくらいだと、たまたまの可能性があるので、数をこなすこともある程度大事だと思います。
私は10時間ぐらいチャートを見続けて、最低20回は取引をしています。取引の数が多くなるほど偶発的な確率が減っていくので、多くの取引をして3か月間生き残っているのであれば、専業でも食べていける実力があると私は思います。
anan 1日のトレードが20回以上で、週単位でプラスの状態を12週間維持することができれば専業でもいけるということですね。
NOBU塾 それくらいの実力があれば、仕事を辞めても、感情のブレぐらいでトレード成績は変わらないと思います。私はどんな状況でも勝てる自分を作ろうと思って、あえてお酒を飲みながらトレードをするとか、寝不足の状態でトレードをするのもやってみました。そういう試練を自分に与え続けるのが好きなのもあるんですよ。
anan 今までNOBU塾さんが自分に与えた試練で一番大きいものは何ですか?
NOBU塾 やはりお酒ですね(笑)。ベロンベロンに酔った状態でトレードするのはキツイです。お酒を飲んでいるときはトレードするなというのは基本ですが、それを乗り越えられると強くなるかなと思ってやりました。あらゆる世界を乗り越えていかないと、本物にはなれないと思います。
バイアスを持たず柔軟に相場に対応しよう
anan 最近はAIが発達していて、トレードに応用するという話もあります。今後も人力で勝ち続けることは可能だと思いますか? また、NOBU塾さん自身はトレードにAIを使っていますか?
NOBU塾 私はAIを使うシステムトレードはしていません。AIについてですが、1人の製作者によって作られたAIと人類の対決だったら人類が負ける可能性があります。ただし、AIはいくつもの企業が作っているので、AI同士が競いだすんです。より早くエントリーできるAIをある会社が作れば、他社はそれより早くエントリーできるAIを作ります。
天井だと思ったら売りから入るAIを作れば、そこを買い上がって損切りさせようというAIが出てきます。AI同士が戦ってくれるので、トレードに関しては人間と同じような状況になると思っています。
トレーダーにとって一番しんどいのはボラティリティが出にくいレンジ相場ですが、AI同士で競い合ってくれれば、相場に方向感が出てレンジ相場を抜け出す可能性も高くなると思われるので、私はAIについては全く問題ないだろうと思っています。
anan ありがとうございます。最後に『外国為替』読者の皆さんにメッセージをお願いします。
NOBU塾 〝分からない〟という現実を心の底から知ることが大切です。自分の感情はもちろん、この後の値動きがどうなるかは誰にも分からないということを本当に分かっていないといけません。相場はバイアスがあると負けてしまいます。「このチャートの形は上がるに違いないから買おう」「あの人が上がると言っていたから買おう」ではなく、「もし逆行したらこうしよう」と次の手を考えておくことが大切です。水のように柔軟に構え、どういう相場でも自分は勝てるという状況になるまで場数をこなしていくことが大事だと思います。本当に諦めずにトレードを続けていれば、必ず勝ち続けることができるのがFXの世界です。絶対に諦めないように頑張っていきましょう。
anan 辛いこともあるけど、トレードを続けてさえいればチャンスは誰にもあるということですね。本日はお話をありがとうございました。
対談実施日◎2025年11月20日








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