みんな元気か? マッスル武藤だ! 前回は、コモディティの中心的な銘柄のゴールド(金)のトレードアイデアについて解説したけど、みんな理解できたか! ゴールドは基本的にボラティリティが低いが、できるだけ低くなったときに買うと、のちにリターンを上げやすくなるんだよ。近年は、ゴールド版のボラティリティ指数であるGVZが15前後まで低下したあと、ゴールドは上昇することが多いから、よく見ておくといいだろう。
ところで、ゴールドは24時間、為替と同じように取引されていることは知っているよな。昔は東京市場も活発だったが、今やアジア時間帯は香港とシンガポールが主要な拠点になっている。そういえば、東京にいたトレーダーたちも、何年も前にシンガポールに移住したな。東京はいろんな意味で地盤沈下しているが、ゴールドマーケットでも同じだ。
ゴールドも為替と同じように、アジアから欧州、そして米国へと市場が移っていく。一方、トレーダーのブック(ポジション)をゴールドのチームで、グローバルで回しているところもあれば、地域ごとで分けている場合もある。いずれにしても、市場の時間帯が変わるときに価格にも変化が生じる。この傾向は為替と同じだ。ゴールドには通貨の側面があることを考えれば、当然だな。
時間帯が変わると、それまでのトレンドを否定して反転することもあれば、トレンドに勢いがつくこともある。一概にパターンは決まっていないが、取引市場の移行が価格変動のきっかけになっていることが多い。このような傾向があることを知っておけば、FXトレードと一緒にゴールドでも収益機会を得ることができるわけだ。
また、市場別のレンジも意識しておくといいだろう。アジア時間帯では前日のNY市場のレンジが意識されるし、ロンドン市場ではアジア市場のレンジが意識されやすい。NY市場ではそれまでの1日のレンジを意識して動くことになる。自分がトレードできる時間帯と、前の市場のレンジを意識して市場動向を見るだけで、かなり違う。そして、時間帯の移行とレンジブレイクを意識しておけば、エントリーポイントを逃すこともないだろう。この原稿を書いている最中にも、早速ロンドン市場でレンジを意識した動きがみられ始めているぜ。毎日トレードチャンスがあるから、参考にするといいだろう。
今回は市場の時間帯とレンジを利用したゴールドのトレード方法を紹介したが、次回はファンダメンタルズ面で注目すべきポイントを取り上げるから、楽しみにしとけよ。じゃあまたな!
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
定価:980円(本体891円)