裁量トレードとは全く違う思想のトレード手法であるリピート系自動売買。
意識してその差異を受け入れないと、裁量トレードの感覚で判断してしまい、するべきではない損切りを実行してしまったり…といったミスが考えられます。
ここではあえて概念的に、リピート系自動売買を理解するためのポイントを、7つのキーワードを通じて解説していきます。
本文◉外国為替編集部
チャート提供:TradingView
KEYWORD.1|予想しない
デイトレード、スイングトレードといった一般的な裁量トレードでは、安く買って高く売るか、高く売って安く買い戻すことで利益を得ます。いわば点と点をつなぐ線のトレードです。
それに対してリピート系自動売買では、狙った範囲内に価格が滞在し続けるか、しないかで勝敗が分かれます。線ではなく面、範囲に対して仕掛ける運用となります。
設定範囲内に価格があれば、上がるか下がるかは大きな問題ではなく、目先の上げ下げを予想せずに済むことにつながります。
KEYWORD.2|放置できる
自動売買という名前がついている通り、全ての売買は自動で行われるため、投資家のリアルタイム操作は一切必要ありません。また、売買はFX会社側のサーバ内で行われているため、MT4の自動売買のようにパソコンを稼働させ続ける必要もありません。
ただし、売買が自動だからといって、自動的にお金が儲かるほど簡単な話ではないのです。自動売買だからこそ、どんなルールで売買し、どういうリスク管理をするかといった、事前の計画がほぼ全てといえます。
KEYWORD.3|明確な売買ルール
同じ自動売買でも、MT4のEAを用いるものは、売買ルール自体が商品であり企業秘密です。よって、投資家側がどういうルールでトレードされるかを知ることはできず、バックテスト、フォワードテストから推測するしかありません。
それに対してリピート系自動売買は、売買のルールで曖昧な部分は一切ありません。相場の変動に合わせて新規建てと決済を繰り返すだけなので、勝因も敗因も全て設定次第。謎の勝ちも負けも存在しません。
KEYWORD.4|損切り禁止
リピート系自動売買では、利益確定は一定値幅で行いますが、損切りを入れない設定が一般的です。つまり常に含み損を抱え続けることになるのが普通であり、裁量トレードと全く違う思想の運用であることに慣れる必要があります。
できるだけ損切りにならないような、事前の計画が腕の見せ所です。
KEYWORD.5|暴落・暴騰が好物
リピート系自動売買では、基本的に損切りをしません。よって買いの戦略なら下降、売りの戦略なら上昇がずっと続くと、どんどん含み損が膨らんでいきます。この状態に耐えられないと、強制ロスカットにまで追い込まれて運用が破綻してしまうわけですが、反面大きな利益を得るチャンスでもあります。
含み損がたくさんある状態から相場が反転すると、保有ポジションがまとめて利益確定されるからです。上のような「いってこい」の値動きを耐え抜くと、嬉しい展開が待っています。
KEYWORD.6|ハーフ戦略
注文を仕掛ける範囲を上下2分割し、上半分では売り、下半分では買いを入れることで、必要資金が少なくなるため、資金に対するリターン率が向上します。また、レンジ中央付近では含み損がゼロに近づくため、撤退や仕切り直しがしやすいです。
こういったハーフ戦略は多くの投資家が採用している、リピート系自動売買の基本戦略ともいえますが、デメリットもあります。上がっても下がっても、設定範囲から逸脱してしまうと含み損が広がっていきます。
KEYWORD.7|リスクとリターンの関係
注文の設置密度を上げるかロットを増やせば、得られる利益は増えます。ただし、相場が逆行したときの含み損も増えます。リターンを追いすぎると、強制ロスカットになりやすくなるというわけです。
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