名物投資インフルエンサー、岐阜暴威さんがトラリピに挑戦中も、何やらしっくりいっていないご様子。そこで、長くトラリピ運用の猛者たちと仕事をしてきた編集長鹿内が、岐阜さんのマインドにマッチした「岐阜リピ」を提案します!
岐阜暴威(ぎふ ぼうい)氏プロフィール
投資系インフルエンサー。2006年に株式投資を始めるも、ライブドア・ショックで即退場。リーマン・ショックでも再び退場。以後、FXにも手を出し資産を減らすが、アベノミクス相場で資産を一気に4600万円にまで増やす。先物取引にも手を広げ、資産を大きく増やしては激減させながら市場の入退場を繰り返し、今日に至る。【著書】『高配当株と円安株で月15万円稼ぐ! 億り人がやっている(秘)投資法』
地球儀を見ながらトラリピ戦略を練る
鹿内 岐阜さん、お久しぶりです。あれからトラリピの調子はいかがですか?
岐阜暴威(以下岐阜) よく分からんのです。なんとなく始めて、なんとなく評価損になっているような。
鹿内 それでは、僭越ながら私がアドバイスを差し上げます。どういう運用をしているのか、教えていただけますか?
岐阜 お願いします! 資金は750万円で、豪ドルNZドルと米ドルカナダドルを運用しています。ちょっと前までは、ユーロドルとポンドドルも動かしていました。
鹿内 なるほどです。トラリピはレンジ相場が続くと運用が安定しやすいので、地理的な要因を考慮して通貨ペアを選ぶのがおすすめです。ユーロドルとポンドドルは、地理的に近いユーロとポンドの対ドル通貨ペアなので、やるとしてもどちらか片方でOK。そもそもユーロ、あるいはポンドと、米国は地理的に遠いため、そこそこトレンドが出やすく、あまりトラリピ向きじゃないです。
岐阜 なるほど。それならやめて正解ですね。
鹿内 こういった観点から、マネースクエアがプッシュしている、「トラリピ世界戦略」を真似するのがおすすめです。地理的にトラリピに向いている通貨ペアの豪ドルNZドル、ユーロポンド、米ドルカナダドルをポートフォリオ化することで、地理的なメリットを生かせます。岐阜さんは今はまだユーロポンドは動かしていませんが、豪ドルNZドル、米ドルカナダドルと遠い地域の通貨ペアなので相関性が低く、ポートフォリオ効果が期待できます。
本数を増減させてロスカット位置を調整
鹿内 (トラリピ管理表を見ながら)岐阜さんの運用、割とハイリスクですね。
岐阜 え、そうなんですか。
鹿内 複数の運用が断続的に追加されているので分かりづらいですが、それらをまとめ、2通貨ペア運用なので資金の半分の375万円で回していると仮定すると、豪ドルNZドルは1.13をちょっと超えたくらいで強制ロスカットになります。月足チャートだと、それほど遠くないですよね?
岐阜 ああ、確かに…。
鹿内 本数が増えるほど、強制ロスカット価格が近づく分、利食い回数も増えるので、このあたりはどこまで攻めるかという好みの問題でもあります。
トラリピ運用試算表をとにかく使い倒してみてください。「最悪の場合、この価格でロスカットになる」ことが分かるので、注文本数を増減させて、自分ならここまでは耐えられる、という相場観を基に、長く使えるプランを練ってみましょう。
岐阜 やってみます!
リターン追求型の岐阜リピはいかがですか
岐阜 とはいえ、トラリピ王になるには…、みんなと同じじゃダメだし、これまでの人生の負け額は取り戻せん。
鹿内 存じております。やはり岐阜さんは攻めの姿勢だからこそ輝きます。というわけで、マネースクエア公式の世界戦略をベースに、強制ロスカット価格が近づくかわりに、注文本数を多めにして利食い回数を追求する設定を考えてみました。また、たくさん利益確定が発生して賑やかに楽しめるように、利食い幅を狭めています。名付けて「岐阜リピ世界戦略」です!
岐阜 おおお、ありがとうございます!
鹿内 3通貨ペアそれぞれに200万円ずつ投資し、150万円を緊急時の追加資金としてプールしています。
岐阜 今、豪ドルNZドルが高値圏で評価損が増えていますので、下がってくるタイミングで移行を狙ってみます。
鹿内 読者の皆さんも、こんな考え方で、自分なりのトラリピ設定を見つけてみてくださいね。
「岐阜リピ」構築ロードマップ【1】「距離」を考慮する通貨ペアとポートフォリオ
トラリピはレンジ相場と相性が良いので、できるだけトレンドが発生しづらい環境がおすすめです。通貨ペア、あるいは通貨ペア同士の組み合わせを考える際、「地理的に近いほど同じ動きに、遠いほど別の動きになりやすい」という特徴を利用するのがセオリー。通貨ペアは同地域で組み、通貨ペア同士のポートフォリオは違う地域で構築します。これがトラリピ世界戦略のベースにある考え方です。
「岐阜リピ」構築ロードマップ【2】自分が納得する位置に強制ロスカットを置く
「トラリピ運用試算表」により、「その設定の全ての新規注文が約定した際の強制ロスカット発生価格」が分かります。運用開始前に注文本数を増減させることで、強制ロスカット価格を自分の相場観と合致する水準に置くことこそ、トラリピにおける資金管理の本質です。上の豪ドルNZドルの売りトラリピの場合、赤い線の位置で強制ロスカットになります。これが近いか遠いかは、その人の相場観によりますが、注文を増やすほど利食い回数が増えるかわりに、強制ロスカットの価格も近づきます。
「岐阜リピ」構築ロードマップ【3】利食い回数が多め!攻めの岐阜リピご提案
岐阜暴威さんの現在の運用資金は750万円とのことなので、200万円×3通貨ペア+余剰資金150万円で設計してみた「岐阜リピ」です。マネースクエア公式の設定より強制ロスカット価格を手前に置くことで、利食い回数アップを試みる攻めの設定です。また、利食い幅を狭めにして、ポジポジ病の自覚がある岐阜暴威さんでも運用を楽しめるように、利食い幅を一律で30pipsと狭めに設定しています。
※2024年7月17日時点の情報で制作しています。
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
定価:980円(本体891円)