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ローソク足の基本形とその成り立ち~なぜあの形なのか~

ローソク足の基本形とその成り立ち~なぜあの形なのか~

FXのチャートを開くと、多くの場合、小さな棒がずらりと並んだチャートが表示されます。この棒の一つひとつが「ローソク足」です。毎日のように目にしていても、「細い線や太い部分が何を意味しているのか」と聞かれると、はっきり答えられない人も多いのではないでしょうか。

ローソク足は、ある一定の期間の値動きを1本の図形にまとめたものです。形が決まる仕組みを知ると、チャートは単なる模様ではなく、「その期間に何が起きたのか」を記録した資料として見えてくるようになります。

今回は、ローソク足の1本の成り立ちや、その形から読み取れることを、具体例を交えて整理します。日本で生まれたとされるローソク足が、どのような経緯で世界中のトレーダーに使われるようになったのかについても、ちょっとした豆知識としてご覧ください。

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ローソク足は「4つの価格」を1本にまとめたもの

始値・高値・安値・終値と、実体・ヒゲの関係

ローソク足1本の形は、ある期間の中で記録された4つの価格によって決まります。後述する1分足であれば1分間が、日足(ひあし)であれば1日が「ある期間」にあたります。

・始値(はじめね)
その期間の最初についた価格

・高値(たかね)
その期間の中で最も高かった価格

・安値(やすね)
その期間の中で最も安かった価格

・終値(おわりね)
その期間の最後についた価格

この4つをまとめて「四本値(よんほんね)」と呼びます。ローソク足は、この四本値を1本の図形で表したものです。

図形は大きく二つの部分からできています。始値と終値の間を四角い箱で表した部分が「実体」、実体から上下に伸びる細い線が「ヒゲ」と呼ばれます。上に伸びているヒゲが「上ヒゲ」、下に伸びているものが「下ヒゲ」です。上ヒゲの先端が高値、下ヒゲの先端が安値にあたります。

ローソク足1本の構造

例えばドル円が、ある1日の中で次のように動いたとします。

・150.00円で取引が始まった(始値)
・いったん149.70円まで下がった(安値)
・その後持ち直し、一時150.80円まで上がった(高値)
・最終的に150.50円でその日の取引を終えた(終値)

この1日をローソク足1本で描くと、150.00円から150.50円までの0.50円分が実体になります。実体の上端(150.50円)から高値の150.80円までの0.30円分が上ヒゲ、実体の下端(150.00円)から安値の149.70円までの0.30円分が下ヒゲです。

この1本からは、「始まりより高い水準で終わった」「途中で149.70円まで下げる場面があった」「150.80円まで上がったが、0.30円押し戻されて終わった」という経緯が読み取れます。数字を一つずつ追わなくても、形からその期間の値動きの流れが分かる。これがローソク足の大きな特徴です。

陽線と陰線、そして「1本が表す期間」

ローソク足は、始値と終値のどちらが高いかによって2種類に分けられます。

・陽線(ようせん)
始値より終値が高かったローソク足。その期間の中で価格が上がって終わったことを表します

・陰線(いんせん)
始値より終値が低かったローソク足。その期間の中で価格が下がって終わったことを表します

陽線と陰線の違い

先ほどの例は、150.00円で始まり150.50円で終わっているので陽線です。陽線では実体の下端が始値・上端が終値になり、陰線ではその逆になります。最初に混乱しやすいところなので注意が必要です。

陽線と陰線は色で区別されますが、その色づかいは取引ツールや国・地域、利用者の設定によって異なります。『外国為替』本誌掲載のチャートでは陽線を白、陰線を黒としていることが多いです。

日本の取引ツールでは陽線を赤や白、陰線を青や黒で表示するものが多く見られますが、海外では陽線を緑、陰線を赤で表示する例もあります。初めて使うツールでは、まずどちらの色が陽線なのかを確認しておくと安心です。

もう一つ大切なのが、ローソク足1本が表す期間です。1本が1分間を表すものを「1分足」、1時間を表すものを「1時間足」、1日を表すものを「日足」、1週間を表すものを「週足」と呼びます。取引ツールでは、この時間の区切り(時間軸)を切り替えて表示できるのが一般的です。

同じ値動きでも、時間軸が変わると見え方は大きく変わります。先ほどの「150.00円で始まり150.50円で終わった1日」を、1時間足に分解してみましょう。1日分の値動きは、1時間足では24本のローソク足に分かれます。たとえば、

・取引開始から数時間は売りが優勢で、陰線が続いて149.70円まで下げた
・その後、買いが入って陽線が続き、昼過ぎに150.80円まで上昇した
・夕方以降は上げ幅を少し縮め、陰線をはさみながら150.50円で1日を終えた

といった流れがあったとします。

日足では「上ヒゲと下ヒゲのある陽線」1本ですが、1時間足で見ると、下落・上昇・やや反落という三つの局面を含んでいたことがチャートに表れます。

時間足の違いによる見え方の変化図

時間軸を短くすると細かな経緯が見え、長くすると全体の流れが見えやすくなります。どちらが正しいということではなく、目的に応じて時間軸を選ぶことが大切です。

形から読み取れる「その期間に起きたこと」

実体の大きさに注目する

ローソク足の形を読むうえで注目したいのが、実体部分の長さです。実体の長さは「始値から終値までにどれだけ動いたか」を表しています。

ローソク足の基本形

実体が長いローソク足のうち、陽線を「大陽線(だいようせん)」、陰線を「大陰線(だいいんせん)」と呼びます。たとえば、ドル円のレートが150.00円で始まり、ほとんど下げることなく151.20円まで上がって151.10円で終わった1日を描くと、実体が1.10円分もある大陽線になります。これは、その期間を通じて買いの勢いが強く、一方向に大きく動いたことを示す記録です。

これに対して、実体が短いローソク足は「コマ」と呼ばれることがあります。ドル円が150.00円で始まり、上は150.40円、下は149.60円まで動いたものの、最終的には150.10円で終わった1日を描くと、実体は0.10円分で、その上下にヒゲが伸びた形になります。期間中にはある程度の値動きがあったものの、終わってみれば始まりとほとんど変わらない水準に戻ってきた、という経緯を表しています。

さらに、始値と終値がほぼ同じ価格になり、実体がほとんど線のようになった、上下にヒゲが伸びて十字のような形になったものを「十字線」、または「(寄引)同事線」と呼びます。たとえば、150.00円で始まって上下に動いたものの、最後は150.00円ちょうどで終わった1日がこれにあたります。その期間は、上がる力と下がる力が拮抗していたと読み取ることもできます。

ヒゲの長さに注目する

次に注目したいのがヒゲ部分です。ヒゲは、「期間中に一度はそこまで価格が動いた」という事実の記録です。

上ヒゲ下ヒゲの概念図

長い上ヒゲを持つローソク足を考えてみましょう。たとえば、150.00円で始まり、一時151.00円まで上昇したものの、終わりにかけて押し戻され、150.20円で終わった1日です。この場合、実体は0.20円分の小さな陽線ですが、その上に0.80円分の長い上ヒゲが伸びます。「一度は151.00円という高い水準まで買われたが、その水準を最後まで保つことはできなかった」という経緯が、この長い上ヒゲに表れています。

反対に、長い下ヒゲは、期間中に大きく下げる場面があったものの、終わりまでに値を戻したことを示します。たとえば、150.00円で始まり、一時149.00円まで下げた後に買い戻され、149.90円で終わった1日を描くと、0.10円分の小さな陰線の下に、0.90円分の長い下ヒゲが伸びる形になります。

終値だけを見れば小幅な動きに見える日でも、長いヒゲがあれば、その裏で大きな値動きがあったことが分かります。

ここで一つ注意しておきたいのは、ローソク足の形は、あくまで「すでに終わった期間の値動きの記録」であるという点です。長い上ヒゲが出たから次は下がる、大陽線が出たから次も上がる、というように、1本の形だけで次の値動きが決まるわけではありません。相場はさまざまな要因によって動くものであり、形の読み方を知ることは、過去の値動きを正確に理解するための第一歩と考えておきましょう。

ローソク足はどのように生まれ、世界に広まったのか

日本生まれのチャート

ローソク足は、日本で生まれたチャートだといわれています。その背景としてよく挙げられるのが、江戸時代の大坂・堂島で行われていた米の取引です。

堂島では、米そのものの売買に加えて、帳面の上で米を売買する先物取引も行われていました。1730年(享保15年)には、幕府がこれらの取引を公認し、堂島米会所が成立します。日本取引所グループは、堂島米会所を日本における取引所の起源であり、世界における組織的な先物取引所の先駆けとして紹介しています。

ローソク足の考案者として名前が挙がることが多いのが、出羽国(現在の山形県)酒田の米商人、本間宗久(ほんまそうきゅう:むねひさ)です。米相場で大きな成功を収めたと伝えられ、ローソク足を使った相場の見方を生み出した人物として語られることがあります。

ただ、本間宗久の教えとして伝わる書物について、原本の存在が確認されておらず、明治以降にまとめられたものではないかという指摘があります。ローソク足そのものの成立についても、江戸時代にさかのぼるとする説と、明治時代に入ってから形が整ったとする説があり、起源がはっきりしていないとされている点には注意が必要です。

誰がいつ考案したのか断定こそできないものの、米の取引をはじめとする日本の相場の歴史の中で育まれてきたチャートだと考えられています。

世界へ広まった経緯と、現在の位置づけ

日本では株式や商品の相場で長く使われてきたローソク足ですが、欧米で広く知られるようになったのは比較的最近のことです。きっかけとされているのが、1991年に米国のアナリストが英語で出版した、ローソク足を体系的に紹介する書籍です。これを機に、ローソク足は「Candlestick(キャンドルスティック)チャート」として英語圏のトレーダーの間に広まっていきました。

現在では、ローソク足は国内外のFXの取引ツールで標準的に使われるチャートの一つになっています。チャートの表し方にはほかにもいくつかの種類がありますが、代表的なものと比べると、ローソク足の特徴がよく分かります。

3種類のチャート比較

・ラインチャート
各期間の終値だけを線で結んだチャート。全体の流れをすっきりと見られる一方で、期間中の高値・安値や、始値からどう動いたかは分かりません

・バーチャート
縦の線で高値と安値を、左右の短い横線で始値と終値を表したチャート。四本値をすべて表せますが、上がって終わったのか下がって終わったのかを、ひと目で区別しにくい面があります

・ローソク足
四本値をすべて表したうえで、実体の色によって陽線か陰線かが一目で分かるチャート

ローソク足が広く使われているのは、こうした「情報量の多さ」と「ひと目での分かりやすさ」を両立している点にあるといえるでしょう。

実際のチャートで形を確かめてみたい場合は、FX会社が提供しているデモ取引を利用する方法もあります。

たとえば、ヒロセ通商の「LION FX」、みんなのFX、DMM FXなどではデモ取引の環境が用意されており、実際のお金を使わずに、時間軸を切り替えながらローソク足の形を観察することができます。1分足、1時間足、日足と切り替えて、同じ値動きがどのように見え方を変えるかを確かめてみるのもよいでしょう。

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まとめ

ローソク足は、ある期間の始値・高値・安値・終値という4つの価格を、1本の図形にまとめた記録です。実体の大きさからは「始まりから終わりまでにどれだけ動いたか」を、ヒゲの長さからは「期間中にどこまで動く場面があったか」を読み取ることができます。また、同じ値動きでも、1本が表す期間(時間軸)によって見え方が変わることも押さえておきたいポイントです。

ローソク足の形には、大陽線やコマ、十字線などさまざまな呼び名がありますが、名前と意味を丸暗記するよりも、「なぜこの形になったのか」を値動きのストーリーとして想像してみることが、チャートを理解する近道になるはずです。そのうえで、ローソク足はあくまで過去の値動きの記録であり、1本の形だけで今後の動きが決まるものではないことも忘れないようにしましょう。

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FX「外国為替」編集部
FX「外国為替」編集部。たくさんの投資家の人生が、FXのおかげでほんの少し豊かになる—。そんな未来を目指して2022年8月に『外国為替』を創刊。雑誌は全国の書店およびAmazonで発売しています。
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