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シリーズ 投資詐欺│その傾向と対策 よくある事例を知ろう編

シリーズ 投資詐欺│その傾向と対策 よくある事例を知ろう編

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FXをはじめとして、株式やCFDなどが資産運用として注目されている昨今、義務教育で金融教育を行うこともあり、学生や若年層を中心に、将来に備えて投資に興味を持つ人が増えてきています。だからこそ注意したいのが「投資詐欺」。「すぐに儲かりますよ」「1年で1億円稼げます」のような誘い文句に引っかかってしまうと、再起不能のダメージを負ってしまう可能性があります。この記事では、注意すべき投資詐欺について解説していきます。

本文◉北原拓実

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投資詐欺の典型例、ポンジスキームとは

 投資詐欺の典型例として、ポンジスキームが挙げられます。ポンジスキームとは、米国の詐欺師であるチャールズ・ポンジに由来する詐欺手法で、運用益を還元すると謳って出資を募り、実際は運用をせずに集まった出資金の一部を配当として払っていくスキームです。出資者は配当金を受け取れるのでそのプロジェクトや商品を信用し、さらに出資をしてしまいます。

 この仕組みは、新たな出資者が途切れることで破綻します。そして最終的には、詐欺師が資金を持って行方をくらますことになります。預けた資金を返してもらいたくても、出資先との連絡は取れず、裁判をするにも証拠集めや弁護士の手配など、非常に手間や時間がかかります。さらに、出資をする際に、「経営破綻したら返済義務なし」という契約をいつの間にかに交わしている場合もあり、泣き寝入りとなるケースが多いです。

ポンジスキームの典型的な事例を知ろう

 チャールズ・ポンジは1949年に死亡していますが、ポンジスキーム、あるいはその要素を含む詐欺事件は何度も発生しています。ここでは2000年以降に発生した事例を紹介します。

①バーナード・マドフ事件

 米国史上最大の投資詐欺事件が、バーナード・マドフ事件です。被害額は約650億ドル(約9兆円)に及ぶともいわれています。首謀者であるバーナード・マドフはNASDAQの元会長で、高い年利を謳い文句に自身の投資ファンドに資金を集めていましたが、実態は出資者から集めた資金を切り崩して配当に回すというポンジスキームの典型例でした。

 2009年のリーマンショックで払い戻しを求められたが返金できず、ファンドは破綻。マドフも逮捕されました。マドフにNASDAQ元会長という信頼もあったことから、被害者には世界中の著名人やプロの投資家、金融機関が名を連ねています。マドフは禁錮150年の判決を受け、2021年に獄中死しています。

②エクシア合同会社

 日本の直近の事例として、エクシア合同会社があります。合同会社として社員権を顧客に販売するスキームで、700億円以上の資金を集めたといわれています。社員権を購入した出資者は、FXやCFDの運用益の一部を配当金としてもらえる仕組みです。

 最初は高い利回りを謳っていましたが、そのうちに出資者からの出金にも応じなくなりました。その後、出資者から訴訟を起こされています。

その業者は本当に信用に足るのか?

 日本において金融商品取引業を行う場合、金融庁に登録する必要があります。金融庁のホームページで「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」を見ると、登録をしている金融商品取引業者が確認できます。登録していない取引業者にお金を預けるのはリスクが高いので、見送った方が無難です。

 また、会社のホームページを見てみる方法もあります。代表者の名前や事業内容、住所などを確認し、本当に会社が存在するのかを調べてみましょう。ネットで会社や代表の評判を調べるのもありです。

 重要なのは、勧誘を受けてもすぐに投資しないで、まずは情報を調べてみることです。少しでも怪しいと感じたら投資するべきではありません。

さまざまな種類の投資詐欺がある

 投資詐欺はポンジスキームだけではありません。現在はインターネットの発達で、詐欺の手法も巧妙になっています。実際に発生している、気をつけるべき詐欺の事例を一部紹介します。

①海外ロマンス型

 マッチングアプリやSNSで、容姿端麗の外国人を装って接近し恋愛感情を抱かせ、FXや暗号資産などの投資を持ち掛けて、資産をだまし取る詐欺手法です。

 よくある例としては、やりとりをしていくうちに親密になったように演出し、「一緒に暮らすときに備えて資産を作ろう」のように、投資資金を入金する体で、詐欺師の口座に現金や暗号資産を送金させられるというもの。さらに入金後も追加資金の投入を持ちかけられたりしますが、最終的には連絡が取れなくなるという手口です。

 インターネットで、誰とでも気軽につながれるようになったからこその詐欺ともいえます。マッチングアプリやSNSで知り合った相手の勧めで、投資するのは止めた方が良いです。特に、相手が指定する入金先がよく分からない投資会社や個人のウォレットなら、まず詐欺と考えて間違いないでしょう。

②高額USBメモリの販売

「稼げるよ」「儲かるよ」のような謳い文句で興味を持たせ、バイナリーオプションやFXの必勝法や教材と称して、数十万円のUSBメモリを売りつける事例が確認されています。得られる情報には支払った金額分の価値はないことが普通。あまりお金がない大学生、若年層世代がターゲットにされやすいです。

 ありがちな例としては、友人や知人から投資話を持ちかけられ、「興味があるなら稼いでいるすごい人を紹介する」のような形で紹介された人物に、USBメモリを高額で売りつけられるという手口です。

 この詐欺の大きな問題は、購入した人が友達を紹介し、その人が同じものを買うと紹介元にもキャッシュバックされるシステムであることが多い点です。そのため、自身のお金だけでなく、友人も失う可能性があります。

 投資は、USBメモリ1本だけで勝てるようになるほど甘い世界ではありません。プロと呼ばれるトレーダーも日々勉強をし、経験を積んで勝てるようになっていることを肝に銘じておきましょう。

ABOUT ME
北原拓実
投資系の記事を書いているライター。編集者として今は亡き「FX攻略.com」の作成に従事し、その縁で外国為替の記事執筆に携わることに。FXとライティングが上手くなれるように日々努力中。
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