みんな、元気か! マッスル武藤だ! ゴールドが連日のように過去最高値を更新しているな! みんな、ちゃんと見てるか?
ゴールドの上昇は、FRBが利下げしたからだとか、金利が下がったからだとか、はたまた地政学的リスクが高まって安全資産として買われたとか、いろいろ言われているようだが、そんな話ではなくなってきてるな。もっと本質を見ないと間違えるぞ! 現在のゴールドの高値更新の動きは、歴史的転換期にある国際社会の枠組みの中で起きていることを理解しないと、とんでもないことになるぞ!
確かにこれまでのゴールドは、ドル建てで取引されることもあり、米金利や米ドルの動きに左右されてきた。また、金融危機の際に買われたり、時折発生する中東情勢の混乱などの地政学的リスクで買われてきた面もあった。しかし、今回は明らかに値動きが違う。これらの材料だけではここまで上がらないだろう。それに気づいていない世界の投資家はまだまだ多いようだな。
今年に入ってからのゴールドの需要は、価格が上昇していることもあり、減少するのではないかとみられていた。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の最新のデータによると、今年第2四半期の宝飾品需要は410.6トンで、前年同期の494.1トンから大きく減少した。投資需要は253.9トンと、同252.6トンからわずかに増加したものの、中銀の買いは184.4トンで、同173.6トンから減少した。需要全体でも減少しており、やはり価格高騰の影響がみられる。しかし、金上場投資信託(ETF)には引き続き買いが入っている。この2年ほどは売り越しが続いてきたが、5月から8月まで4か月連続で買い越しになっている。年間ではまだ43.9トンの売り越しだが、この勢いであれば年末までに買い越しになりそうだ。とはいえ、価格高騰による需要鈍化懸念は残る。しかし、それでも価格水準を日々切り上げているのが現在のゴールドの実態である。
この背景には、おそらく新通貨の裏付けとしての買い需要があるのではないかと考えられるようだな。その代表例が「BRICS通貨」だ。この新通貨制度の導入に関する検討が進んでいることは、もはや周知の事実である。すでに米ドルの基軸通貨としての価値は劣化している。国としての地位も危うくなってきている。そんな中、BRICSは着実に勢力を拡大させており、通貨コントロールまでも取り込もうとしている。しかし、BRICS各国の通貨は価値が低い。それでゴールドを裏付けることで疑似的な金本位制を採用し、新通貨の価値を担保しようとすれば、彼らはまだまだ大量にゴールドを買わなければならない。そうなると、ゴールドが青天井に上げていっても不思議ではないな! これからもゴールドをよく見ておいたほうがいいぞ! じゃあな!
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
定価:980円(本体891円)