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第2回|なぜ、1勝2敗2分のルール作りに意味があるのか?[相場師クロ/黒田雄士]

第2回|なぜ、1勝2敗2分のルール作りに意味があるのか?[相場師クロ/黒田雄士]

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質実剛健な情報発信を続ける相場師クロさんのコラムが、好評連載中です。
単にチャートとにらめっこをしていても、継続的にFXで利益を得られる状態には決して近づきません。「なぜそれが必要か」を理解しながら、勝つための思考と技術を積み上げていきましょう。

相場師クロ氏のプロフィール
相場師クロ(黒田雄士)氏プロフィール

FX専門コンサルティング会社 / オーケーインテリジェンス合同会社CEO。為替から株までやる相場師。FXはSMA・水平線軸のテクニカル、短期デイトレ、月利回り命。株式は需給分析ベースのロング&ショート。

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なぜ、1勝2敗2分のルール作りに意味があるのか?

トレードで「勝つ」ための思考経路

 前回の記事では、「勝つことより負けないこと」を意識する意味と、その重要性について話をしてきました。これは私が投機としてのFXトレードを収益性のあるビジネスとして取り組むためにもっとも重要な要素として意識していることです。

 今回はさらにこの要素を細分化して、私がいつも言う「負けない」トレードを実践するためにどんな考え方で取り組む必要があるのか? という話をしていきたいと思います。そのためのキーとなる考え方を端的に言うと「1勝2敗2分のルールを作る」ということです。

「お前は何を言っているんだ? 負け越していたら損をしているだけじゃないか」と思われるかもしれませんが、これにはもちろんきちんと意味があります。

 FXトレードは特に相場の不確実性、つまり「値動きの先を予測することは誰にもできない」ことを前提に考える必要がある、という話を前回の記事でもお伝えしました。それを踏まえて、私は常にFXのテクニカル分析において「確率論的思考」で取り組む必要があると主張しています。

 この意図を具体的に説明すると、値動きの先が誰にも分からない以上、常に自分が定めた「基準」に沿って一貫した判断でエントリー・決済を行うことを意識するのが重要であり、個別の勝ち負けの結果に一喜一憂しないようにするということです。

 すなわち、個別の勝ち負けの結果はコントロールできない(ある程度は確率論的に捉えるしかない)ので、一貫した「基準」でトレードした勝ち負けの結果を積み重ね、「トータル収支をプラスにする」運用を行える状態に持ってくることが大事になります。

 冒頭で述べた「1勝2敗2分のルール」をより正確に言い換えると「1勝2敗2分でも、トータル収支がプラスになるルール」を構築することが、トレーダーに求められる技術であり、この点をブラッシュアップすることにフォーカスするのが何よりもFXで安定して稼ぐために必要な要素である、ということになります。

1勝2敗2分ルールの真意。トータルで勝つための考え方

 では、「1勝2敗2分でも、トータル収支がプラスになる」には、どんなルールを作れば良いのでしょうか?

 私が個別コンサルでもいつも皆さんに伝えていることなのですが、要点は大きく分けて二つあり、「勝率より利回りを意識して設計する」ことと「分析の作業工程をルーティン化し、一貫させる」ことです。

 まず「勝率より利回りを意識」する意図について説明します。

 ここで皆さんに質問ですが、トレードにおいて勝率の高いトレードをするにはどうすれば良いでしょうか?

 答えは簡単で「含み益になったら即、利確する」か「プラ転するまで損切りしない」という方法が挙げられます。この方法なら、理論上自分の取ったポジションがプラスになるまで決済をしないので、運が良ければ10トレードして100%の勝率を保てることもあるかもしれません。

 ですが、ほんの少し落ち着いて考えてもらえば分かる通り、これはコツコツドカンで退場するトレードの典型例です。今まで、このようなトレードをしてきたから、利益を残すどころか手持ちの資金を大きく減らしたり、悪くすれば退場させられた人も多かったはずです。ですから、少々極端な例だったかもしれませんが、勝率だけを必死に追い求めても、「トータルで勝つ」トレードにはつながらないわけです。

 そこで、「利回り」に意識を向けてトレードしようと思ったら、どういう考え方に変える必要があるでしょうか? それは「勝率とリスクリワードのバランス」を意識することです。

 例えば、リスクリワード1:1(損失と利益がイーブン)ならば、単純計算で50%を超える勝率で理論上はトータル勝ち越すことが可能です。ですが、勝率50%と言っても確率の偏りで3連敗、4連敗する可能性もあるわけで、そのときに資金や自分のメンタルがもつでしょうか?

勝率とリスクリワードの考え方

 上に示した図は少々極端な例ですが、勝率とリスクリワードのバランスを意識したルールを構築することによって、利回りの改善が見込めるだけでなく、大きなドローダウンや破産リスクを抑えることもできるのです。

 さらに細かいことを言えば、FXには必ずスプレッドがありますから、その幅の分だけトレーダー側の方が払うコストが多く、見かけ上勝率50%でも利益が残る確率はもう少し下がります(この少しの差がトータル収支に大きく影響するのです)。私の場合は、勝率はあまり気にしていませんが、70%程度を平均として見ておき、リスクリワードは1:2~3は確保できると見込んだところでトレードするのを徹底しています。

 もちろん、エントリーした先の値動きがどうなるかは分からないので、取ったポジションでいつも満額の利益を獲得できるとは限りません。逆に、だからこそ損切り位置の建値移動を活用して負けにくい状況を作り、時々勝って得た利益を徹底して守り抜く戦術を用いることで、毎月の収支をプラスにしていくのです。

 採用するテクニカルや、トレーダー自身の思考やストレス耐性などによっても最適解は違いますが、それぞれに適した「勝率とリスクリワード」の基準を考え、その基準を一貫した結果、トータル収支がプラスになるなら、そのトレードスタイルが正しいということになります。

一言で説明できるくらいシンプルな工程にする

 続いて、「分析の作業工程をルーティン化し、一貫させる」とはどういうことかを考えてみましょう。私のトレードスタイルについては本誌Vol.6の中でも紹介しましたが、2段階の分析をルーティンとしています。

 それは「①1時間足のグランビルを軸とした目線の固定」と「②目線方向に沿った短期足のセットアップ」の確認、そのうえで目線とセットアップが揃ったときにのみエントリーするというものです。もちろん、具体的な作業の内訳を説明するにはもっと細かい説明を必要としますが、大枠としてのルーティンはこの一言で説明ができます。

 皆さんは、これくらい自分の行っている分析をルーティン化できているでしょうか? トレードをする都度、目線を決める手段のテクニカルが違っていたり、もしかして「目線→セットアップ」という手順すらも統一されていない、なんてこともあるかもしれません。

 これでは当然ながら一貫したトレードになりませんし、これで勝ち負けを積み重ねたとしても、後で振り返りをしたときに「何が勝ち・負けの要因なのか」を洗い出すことができません。負けたトレードの原因を突き止められないというのは、トレーダーとして致命的な問題です。

「型通りに行った結果としての、ある程度受け入れるべき負け(必要経費)」なら仕方ありませんが、改善次第で撲滅できる負けは無くしていかなくてはなりません。

 それをあぶり出し、自身のトレードの型をより精度の高い(より高い利回りを出せる)ものにしていくには、一言で説明できるレベルまで分析をルーティン化し、一貫させることが必要不可欠であると言えます。

 今回は、「トレードにトータル収支で勝つ」ことを意識するうえで、考え方の全体像を解説しました。次回は私のトレードスタイルをモデルケースとして解説しながら、「自分だけの手法」を構築し、その最大性能を発揮するための「考え方」を一緒に考えていきましょう。

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相場師クロ
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