トレードとポーカーには多くの共通点があります。
①不完全情報ゲームである
囲碁や将棋のような、お互いの手札や意思決定が全て公開されているゲームのことを完全情報ゲームと呼びます。一方で、トレードやポーカーでは相手の手札(ポジション)が分からない状態でプレイするため、不完全情報ゲームと呼びます。
②掛け金が青天井である
トレードもポーカーも、その気になれば1回で大きなリスクをとってプレイできます。ポーカーの場合は、1回のオールインで100万円を超えるステークスのテーブルもありますし、トレードの場合も自己資金に応じてレバレッジの範囲内であれば、いくらでもポジションをとることができます。リスクをとりすぎれば、即座に破産する可能性があるため、適切な資金管理とセルフコントロールが非常に重要です。
③短期の結果は運に左右される
ポーカーでは、お互いに配られるカードの組み合わせや場に出るカードは運に左右されます。トレードも、次に来る値動きを完璧に予想することは不可能です。しかしどちらも長期的には期待値に収束していくので、目先の勝ち負けにとらわれずに淡々と正しいプレイをすることが利益につながります。
④損切りが重要である
ポーカーでは多くのチップを投じたハンドであっても、負けていると思えばフォールドする(降りる)ことで損失を小さくして相手にペイオフしないことが重要です。同様に、トレードも損失を確定して次のトレードに備えることで、資金を温存して1回あたりのトレードにコストを払いすぎないことが大切です。
⑤チャンスはたまにしか訪れない
ポーカーでは配られたハンドのうちの7割以上はフォールドすることが正しいプレイとされます。トレードも期待値のあるエントリーができるポイントは限られているので、チャートを見ている時間のうちの大半は「待つ」ことになります。チャンスを辛抱強く待つことで、優位性のあるポイントを捉えることができます。
⑥メンタルゲームである
上記のような特徴から、ポーカーもトレードも期待値の高いプレイを淡々と繰り返して、長期的に利益を残していくことが必要です。そのためにはブレないプレイや無理のない資金管理、短期的な不運や連敗に動じない強いメンタルが必須です。長く生き残るためには、プレイのうまさよりも、むしろ精神面の方が大きいと感じます。
いかがでしたか? 思った以上に多くの共通点がありましたね。これを読んでポーカーに興味を持ったら、ぜひプレイしてみてください。
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
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