堅実なトレードスタイルで日々情報発信を続ける相場師クロさん(黒田雄士さん)が、外国為替の連載に帰ってきました。実際に彼自身が行っているエントリーポイントの見つけ方を解説していただきました。

相場師クロ(黒田雄士)氏プロフィール
FX専門コンサルティング会社 / オーケーインテリジェンス合同会社CEO。為替から株までやる相場師。FXはSMA・水平線軸のテクニカル、短期デイトレ、月利回り命。株式は需給分析ベースのロング&ショート。
私のトレードスタイルは、ロンドン時間初動のマーケットタイムに的を絞った、1日1回の短期デイトレです。1回のトレードで20~30pipsを狙いにいきます。したがって、ポジションの保有時間も長くて2~3時間程度。勝っても負けても、その日のトレードが終わったらまた次の日にチャンスを待ちます。
そんなやり方であっても、月間で原資に対して20~30%程度の利回りを出すことができます。私のマンツーマンサロンでも、まず手元にルールがない人には私のやり方を学習してもらい、生活にマッチしたトレードルールを一緒に作っていきます。
ちなみに私のテクニカル分析で用いているのは20、40、50、100(赤、緑、黄、紫)の4本のSMA(単純移動平均線)と水平線だけです。今回は、2024年10月15日に私が実際にしたエントリーを分析手順どおりに解説します。
以後の分析ではこれ以外のテクニカルは使わないので、最初にお伝えした分析手順のとおりに読み進めてみてください。
デイトレードルールの基本骨格はこれだ!
①1時間足
20SMAと価格の位置関係で『目線』を決める(今日、どっちに向かってトレードするか?)
②日足、4時間足
①で決めた目線方向に十分な利幅を狙える空間があるか
③15分足、5分足
①で決めた目線と同じ方向に短期足のセットアップが整っているか(主に3つのパターンのどれか)
①〜③の条件を満たしたら利確・損切りラインを決めてエントリー

Process.01|分析手順① 目線決め どっちに向かってトレードする?

具体的なエントリーを考える前にまずは目線(どっちに向かってトレードするか)を決めます。
目線を決める際の判断基準は、『H1(1時間足)/20SMAに対するグランビルの規則』を活用します。今回のチャートの場合、H1/20SMAを下抜けてから、短期足でプルバック(一時的な戻り)の入ったところを狙うので、グランビル1番⇒2番へ移行する過程のショート目線で行きます。
下にある40SMAと50SMAは、動きを邪魔する存在として見ますが、エントリーしてからしばらく空間がある(10pips以上)ので、最悪建値でも逃げられるくらいの余裕がありますね。
Process.02|分析手順②目線方向に空間はあるか?

次に、4時間足~日足のチャートを見ます。エントリーを検討している縦破線の段階では、ロング方向には日足/100SMA(紫)が邪魔をしていますが、ショート方向には邪魔なSMAはほぼありません。一番プライスに近いH4(4時間足)/20SMAでも60pipsくらいの開きがありますので、それまでには利益確定してしまうことを考えれば、十分にショート方向の空間は広いと判断できます。というわけで、ポンド円ショートは「できる」と判断。
Process.03|分析手順③短期足のセットアップ(タイミング取り)

さて、ここまでチェックしてようやく「どこでエントリーするか」を決めていきます。ここで用いるのが15分足と5分足です。
まず、15分足から見ていくと、東京時間の午前中に揉み合いを下抜けて、束になり収縮しているSMAの下に潜りこむ動きが確認できます(①)。ただ、縦破線手前はまだロンドン時間の早番になる前なので、私の型ではまだ手を出す時間帯ではありません。MT4時間の08:00前後(日本時間14:00以降)が出番なので、それまでに型が整っているならエントリーとなります。
ちょうどそろそろこの時間…というタイミングで上記チャートの20SMA(赤色)にプルバックが入っているので(②)、いくつかあるエントリー型のひとつである『20SMA』タッチを根拠の一つとします。

15分足の情報だけではアバウトすぎるので、より細かくロスカット設定を決めるために5分足を見て行きます。
より小さな時間足でチャートを見ると、大きな時間足では見づらかった「小さいプルバック」の中に「きれいなチャートパターン」が存在しているのが分かると思います(①)。長いこともみ合いが続いていたので、SMAの収縮も非常にキレイです。この収縮したSMAへのプルバックと、チャートパターンのネックライン(図中ピンク色の太線)へのタッチでエントリー(図中黒破線②)。
損切りは、根拠とした水平線とタッチしたSMAの外側(図中赤破線③)。利確は、取ったリスクに対して約3のリワードで設定(図中青破線④)。
結果は、ポストした通り38pipsの利確となりました。今回はボラティリティを味方につけて、少し大きなリワードが取れました。
トレードで大事な要素のひとつは、判断を一貫すること
①目線を決める
②空間を把握して、エントリーの可否を判断
③短期足のセットアップでタイミング取り
この3ステップを常に同じ判断軸で行っています。目線、空間、セットアップの3拍子が揃い、自分の間合いに入ってきたチャートだけで勝負する。そのうちのひとつでも欠けていればノートレードでOK。
これだけ一貫した判断軸でトレードができるようになれば「目先の値動きに振り回されて、売って買って往復ビンタで負ける」ことはなくなっていることでしょう。私が運営しているサロンや、マンツーマンコンサル(特練)では、このような日々のトレード事例を実際にタイムリーにお見せしながら、実戦ベースでより詳しい内容を学ぶ環境を提供しています。
今後、この記事内でも一貫したスタイルで勝てるトレードのやり方の一端を皆さんにお見せしていきますので、よりしっかり学びたいと思った方は、まず無料メルマガから購読してみてください。