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【MT4】バックテストの超実践的フロー|3つのステップで適正ロットと想定利回りを把握!

【MT4】バックテストの超実践的フロー|3つのステップで適正ロットと想定利回りを把握!

JFX株式会社

MT4でEA運用をする際の必須技術であるバックテストですが、これがまたクセがあって難しいんですよね。バックテストで得られる情報はたくさんありますが、誰もが気にするのは、「いくら勝てそう?」ってことだと思います。

今回はそこに至るまでの分析の流れを、必要な情報だけに絞り込む形でお伝えしていきます。

本文◉外国為替編集部

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バックテストをするから適正なロットが分かる

 既に完了しているバックテストの結果に対して、まず一番最初に確認すべきは、「証拠金額」「取引ロット」「テスト期間」となります。これらを把握せずに、そのEAの性能を推し量ることはできません。

 いくら勝てたか、あるいはいくら負けたかは、同じ成績であっても、取引ロットで上下します。同じ100pipsの勝ちでも、1万通貨なら1万円勝ちですし、1000通貨なら1000円勝ちです(円絡みの通貨ペアの場合)。

 つまり、ロットが決まらなければ成績の判断はできません。バックテストとは、実は妥当なロットを決めるための作業でもあるわけです。

最大ドローダウン(DD)の5倍は資金を用意したい

 ロットを決める際に重要なのは、「自分がどれくらいの負けを受け入れられるか」という基準です。最大DDに対し、●%まではOKという考え方をします。最大DDとは、バックテスト期間において、資産がどれだけ目減りしたかを示し、一般的にバックテスト結果の最大DDに対して、資金の10~20%に収まるようなロットにします。

 例えば、最大DDを資金の20%までとする場合、最大DD時に減った金額の5倍を口座に用意することになります。「そんなにたくさん必要?」という意見もあるかもしれませんが、実際はこれくらい必要です。過去に起きた好調や不調は、今後もまた起きる可能性が十分あり、また、DDは更新される可能性があります。

 100万円の資金から、いくら減ったら萎えて自動売買をやめてしまうか、想像してみると良いかもしれません。バックテストにおける最大DDの2倍程度の損失は現実的なので、20%の設定でも、40%ほどの資金の落ち込みは普通にあり得ます。100万円が40万円になってしまったら、萎えてEAを止めてしまう人も多いと思います。トレードが続けられない可能性は、できるだけ排除するべきです。

ロットが分かれば想定リターンも分かる

 最悪なケースの想定から本ロット(妥当な取引数量)が割り出せたら、ようやくそのテストで、「どれだけ儲かったか」の判断ができます。

 利益の基本は純益で、テスト期間を経て、この金額が増えた(あるいは減った)ことを表しています。最初にテスト期間を把握しているはずなので、例えば10年分のバックテストなら、純益の10分の1が想定される1年間の損益で、これを資金で割って100を掛け算すれば、想定年間リターン率となります。どれくらい儲かったかを判断するためには、運用期間の情報も必要というわけです。

 また、同じように取引回数を期間で割れば、平均的なトレードの発生頻度も把握できます。なお、海外のツールや情報が絡んだFXの損益は、円ではなくドル表記されることも多いです。日常で使っている通貨ではないですが、これはもう慣れるしかありません。いちいち円換算していると、逆に計算が増えて混乱するため、ドルで全て考えて、一番最後に1ドルいくらで円に戻すようにしましょう。

勝率やPFは単独で判断しない

 FX関連のデータで、非常に人気があり多くの投資家が気にするものとして、勝率があります。しかし、勝率だけでEAを判断するのはよろしくありません。勝率は、あくまで他のデータと連動して判断されるものであり、単一での勝率の高低にはほとんど意味はないといえます。

 これはプロフィットファクター(PF)も同様で、いくら以上だったら良いとは一概にいえません。ただ、PFが1以上あることは、そのEAを動かす絶対条件です。当たり前ですが、トータルで負けていれば1を下回るからです。

バックテストの技術が自動売買成功の要

 ここまでEAのバックテスト結果について、基本の基本といえる部分に絞り込んで解説してきました。原則的にEAの中身を知ることができない以上、テスト結果から性能やリスクを推測する必要があります。

 もちろん今回紹介しなかった重要なデータは、他にも山ほどあります。それらの分析には、以下の二つのツール(QuantAnalyzer、岩ライザーFX)を使うと、より深く、分かりやすく把握できるはずです。

 自動売買で投資家ができるのは、EAを選別し、適正なロットで運用することだけです。そのために必須のバックテスト技術を、継続的に磨き上げていきましょう。

ストラテジーテスターによるレポート

ストラテジーテスター画像

MT4でバックテストを行うと、このようなレポート画面が表示されますが、パッと見て意味不明ですよね。そしてここで表示されるデータの中には、極めて重要なものもあれば、実はさほど重要ではないものが混在しており、自分でその取捨選択をしなければいけません。今回のテーマに沿って、必要となる情報を上に示しました。ここで強調されていない数字は、今回はスルーしてOKです。

STEP.1 初期証拠金と取引ロット、バックテスト期間をまずは確認!

初期証拠金と取引ロット、バックテスト期間をまずは確認!
これらが分からないと、どれだけ勝ったか、どれだけ負けたかの基準がない

バックテスト結果を見るとき、「いくらか勝ったか」に目が行きがちです。でもその前に、資金・ロット・期間をしっかり確認します。これらがはっきりしているからこそ、テスト結果内の儲けや損失がデータとして分かります。

また、この3要素は、バックテストを始める前に投資家が設定できるものです。バックテストを繰り返していくうちに、これらを事前に把握し、狙った情報を引き出せるようになります。逆に他者のバックテスト結果を見る際は、自分で設定をしていないわけですから、なおさらこの3要素を最初にチェックすることになります。

ストラテジーテスターの初期設定

ストラテジーテスターの初期設定

インストールから一切の設定をいじっていないと、初期証拠金は10,000ドルになっているはずです。また、バックテスト期間はできるかぎりの全期間ですが、ロットはEAの初期設定によります。

STEP.2 どれくらい負けるかを最大DDを中心に把握→ロットが決まる

STEP.2 どれくらい負けるかを最大DDを中心に把握→ロットが決まる

次に、「どれくらい負けたか」を把握します。これが分からないと、実は「どれくらい勝ったか」を判断できないからです。負けの幅は、最大DDで判断することになります。これは、最も資産が増えた時点から、最も資産が減じた時点でどれくらい下落したかを表します。そして、同じ成績であっても、取引ロットで上下します。

裁量トレードにも共通する考え方ですが、損切りから資金管理をするのがFXの基本です。自分が許容できる損失内で取引することが重要で、一般的には最大DDが全資産の10~20%になるようにします。この部分のコントロールは、取引ロットを増減して行います。つまり、テスト時の資金と仮ロットを把握した上で、リスクから本ロットを決めます。

STEP.3 どれくらいのロットを打つか分かればバックテスト期間の儲けが割り出せる

取引コストの影響を判断する上で重要な数値

自分が受け入れられる損失(最大DD)から本ロットが決まったら、そのロットで取引した場合のテスト結果を想定でき、ここまでやって初めて「どれくらい稼げたか」が分かります。利益の基本は純益で、これは総利益から総損失を引いたもの。さらにこの純益を取引期間で割ることで、想定年間リターン、いわゆる年利も計算できます。また、期待利得も重要で、これはトレード1回ごとに期待できる損益を表しています。この値が少ないほど、それに占めるスプレッドの割合が高くなり、スリッページやスプレッド拡大の悪影響を受けます。

勝率やPFが重要でない理由

勝率やプロフィットファクター(PF=総利益÷総損失)を多くの方が気にしますが、実は重要度は高くありません。なぜなら、これらには適正な基準がないからです。勝率もPFも、もちろん高いに越したことはありませんが、どれくらい以上なら良いEAである、という判断は、EAの性質により大きく変わります。

例えば高勝率であっても、1回の負けが大きいので、全体の成績は良くないといったEAもよくあります。勝率やPFを参考にする場合は、他のデータとあわせて全体的に判断するようにしてください。

見づらいバックテスト結果を見やすくする2種類のツール

QuantAnalyzer

QuantAnalyzer

MT4のバックテストデータを読み込むことで、より多くの情報が得られるツール。日本語対応しておらず、英語での操作になりますが、無料でも多くの機能を使用できます。

岩ライザーFX

岩ライザーFX

有料ではありますが、非常に多くの機能を有するバックテストツール。日本語操作できる点も嬉しく、特にDD関連のデータが充実しています。

ABOUT ME
FX「外国為替」編集部
FX「外国為替」編集部。たくさんの投資家の人生が、FXのおかげでほんの少し豊かになる—。そんな未来を目指して2022年8月に『外国為替』を創刊。雑誌は全国の書店およびAmazonで発売しています。
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