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Iolite(アイオライト)編集長コラム[八木紀彰]

Web3.0領域の発展と制限|株式会社J -CAM編集長コラム[八木紀彰]

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 Web3.0という言葉には「Web3.0」「web3」「Web3」と、さまざまな表記がある。どうやらいくつかの源流があり、その言葉が意味する内容にも違いがあるようだ。私の同領域の表記は、2014年の2月にイーサリアムの共同創設者であるギャビン・ウッド氏が書いた「DApps: What Web 3.0 Looks Like」という文章と、日本のデジタル庁がWeb3.0という表記を採用していることを参考にして、Web3.0と統一している。

 そしてWeb3.0の概念は、ブロックチェーン技術・スマートコントラクト技術・トークンを活用したエコシステムによって、分散化されたインターネットを目指そうというムーブメントを指すと認識している。もう少し噛み砕けば、クリプト・メタバース・Webのリブランディングであると言い換えることができるかもしれない。

 先ほど挙げたギャビン・ウッド氏の「DApps: What Web 3.0 Looks Like」の中には、「政府や組織はまず信頼できないので、我々は事前の前提を数学的に強制するシステムを設計する」といった内容が記載されている。極論、既存の制度ではなくシステムを信用したい、という意志を感じ取れる。

 しかし、暗号資産関連事業者の破綻等のネガティブなイベントが起こると、その解釈は法に求める。国外で起こった紛争を、国内で解決しようとしているようだ。少なくとも、Web3.0領域にマッチした法税制度の整備がなされなければ、さらなる領域の発展は難しいように思える。

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重要課題を解決できる可能性を秘めている

 Web3.0という言葉の中に、内包されるメタバースでも同じようなことがいえる。CG(Computer Graphics)やSFX(Special Effects)は高度な発展を遂げて、本当に存在するかのようなリアルな表現や、現実には起こり得ないような映像を創り上げることができるようになった。

 メタバース空間内では、想像を遥かに越える世界が広がりつつあるが、一方で私たちが一部のメタバースに入る際に必要となるガジェットは、まだまだ改良の余地がある。おそらく、コンタクトレンズや脳内に直接チップを埋め込み、メタバース内の活動ができるようになるくらいの進歩がないとメタバースの急速な普及は難しいと思う。情報技術等の発展よりも、既存の私たちの暮らしの中に新たに開拓された領域を受け入れるないし、共存するアイデアが必要なのだろう。

 まだまだ改良の余地を残す現実とは裏腹に、Web3.0領域には今まで解決できなかったさまざまな課題解決のミッションがあると考える。持続可能な開発目標(SDGs)として、2030年までにより良い世界を目指す国際的な目標が掲げられたが、Web3.0領域でもブロックチェーンやWeb3.0領域のアイデアを利用して、世界規模の環境問題や社会問題を解決しようとするReFi(Regenerative Finance)が注目を集めている。

 2023年、とりあえずWeb3.0っぽい事業ではなく、Web3.0だからこそ解決できる課題に取り組むプロジェクトが同領域のスタンダートとなるだろう。

ABOUT ME
八木紀彰
大学在学中に飲食業務に従事。その経験から、飲食店のコンサルティング事業及び、アミューズメント領域への人材派遣事業を立ち上げ、代表に就任。同時に自身のブランドを確立させる目的からSNS運用を始める。SNSの運用では、合計フォロワー数1万人を達成後に認知度の拡大を受け、自身のアパレルブランドを立ち上げる。2021年9月に株式会社J-CAMに入社。YouTubeやTwitter運用に従事した後、2022年4月より編集長に就任。2023年3月に『Iolite(アイオライト)』を創刊。
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