ブラウザ稼働、FX以外の銘柄も豊富、テクニカル分析が充実と、あらゆるスタイルの裁量トレーダーのニーズを満たすTradingView。この記事では、TradingViewをさらに使いこなすためのテクニックを紹介していく。
チャート提供:TradingView
一つのチャートで複数のシンボルを比較
TradingViewは一つで多くの市場にアクセスできるだけでなく、一つのチャートに複数の銘柄を表示する機能も備えている。操作は簡単で、追加したい別シンボルを検索して選択するだけで、ラインチャートが新たに追加される。ライン以外のスタイルにも対応しており、メインチャートに重ねるだけでなく、新規ペイン(サブチャート)にも表示できる。
注意したいのはスケール(縦軸)で、価格水準を別々に並べる以外にも対数や騰落率で統一することもできるため、何を比較したいのか目的に合わせてしっかり使い分ける必要がある。騰落率で見る場合は、クロス通貨を複数表示してボラティリティを比較したり、相対的に勢いが強い通貨ペアを探すのにも役立てられる。
相関関係の判断や市場をまたぐ分析に
シンボル同士を比較する際は、相関関係にも注目したい。相関関係とは、お互いの値動きの方向性に一定の傾向が認められることで、一方のシンボルが上昇したときに、他方も同調するように上昇する場合を正の相関(順相関関係)、反対に他方が下降する場合は負の相関(逆相関関係)と呼ばれる。
例えば、ドル円はユーロドルと負の相関が出やすく、豪ドル円とNZドル円には正の相関が出る傾向が強い。こうした比較分析をすることで、環境認識やトレンドのダマシを判断したり、リスク分散や資金管理の参考にすることができる。
また為替以外の市場と比較してみることも重要。主に株式や債券市場は、為替と相互に影響を受け連動しやすいので、市場を横断した広い視野での分析に活用していきたい。あらゆる市場をチャート分析できるTradingViewだからこその便利な機能なので、ぜひ使いこなせるようになろう。
ドル円チャート+ユーロドル&クロス円
相対的な比較で勢いのある通貨ペアを見つける
他の通貨ペアを表示することで、相対的な通貨の強弱や相関関係を分析できる。ドル円とユーロドルは、負の相関になりやすい。反対にクロス円は正の相関になりやすく、同じスケール(縦軸)の騰落率を比較することで、ボラティリティの違いを確認できる。
ドル円チャート+日経平均&米10年債利回り&金
異なる市場を比較分析し優位性を探す
あらゆるシンボルを追加できるので、通貨ペア以外にも関連性がよく見られる指数や他市場との比較分析も1枚のチャートで可能。ドル円であれば、日経平均、米10年債利回りや金などとの相関関係が見られやすいので、参考にしている投資家も多い。
チャートに別シンボルを追加する方法
画面左上のシンボル横にある「+」マークを押すと、シンボルの検索ウインドウが表示される。目当てのシンボルにカーソルを合わせると、縦軸のスケールや追加場所を選択できる。追加したあとにも、設定からライン以外のスタイルに変更したり、新規ペインへの移動なども可能。
FX雑誌「外国為替」vol.13
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