2024年の金融市場は、株式市場の「急騰」「急落」が凄まじく、為替市場での円安進行は年始から相変わらずとなりました。そして米国や主要国の金融政策の変化など、多くの重要な出来事がありました。日銀がようやく政策金利を7月31日に上げることを決定し、「円キャリー」の崩壊でとてつもない相場となったのも記憶に新しいところです。
日経平均株価は急落し、8月5日には前日比4,451円安の31,156円と年初来最安値を記録しました。この急落は米国の金融政策や世界的な景気減速懸念など、複数の要因が重なった結果とされています。「ジャパニーズブラックマンデー」「円キャリーショック」などいまだに正式な名称はありませんが、歴史的な動きとなりました。
為替相場は、「円キャリーショック」と呼ばれるほど売られていた円が全て買い戻されそうになっていると言われ、ドル円レートは最終的に年始の始値すら割り込み、激しいドル円の下落となりました。ドル円は162円台目前から140円台を割り込んだのです!
誰もが円安の終わりを見たが、そこからジワジワと円安ドル高が戻り始め、11月の米大統領選挙「トランプ勝利」直後に米長期金利が大幅に上昇したため、ドル買いが再び目を覚ます。いったん戻すも円安ドル高は年末まで続きドル円はまたもや157円台後半まで戻す驚きの結果となった。
米国の金融政策、FRBは3会合連続の政策金利を引き下げ、過度な雇用不安が後退し、物価上昇率も下げ渋っているものの、高水準の政策金利を調整する目的があったとされています。米国の強さを2025年も見せつけそうな状況が今の相場と連動していくか…。
ECBも政策金利を下げる方向でユーロは買われにくく、ドルが強くなる一方でユーロドルは膠着状態が長引きいったんは上昇しそうになったものの再び失速すると下へ抜けてしまいます。パリティにも届きそうな勢いとなりましたが、1.03台はキープしボラティリティが低いのに助けられた感じにも見えました。2年連続で9円以下のボラティリティしかないのは非常に稀なレベルの低さです。来年こそ弾けてくるか!? それともまだまだ動けない年となるでしょうか!?
1年間のボラティリティをドル円とユーロドルで比べても平均値では2倍以上の差があります。ドル円の異常なまでのボラティリティの高さもいよいよ落ち着くのでしょうか!?
円安ドル高で7月まではずっと続いていたが、7月で一気に逆転しそうなほどになった。しかし、それは長続きせず再び元に戻りそうな状況となっています。
GOLDは安全資産としてかリスクオフでは非常に強く、真っ先に買われていた感じでドルとの逆相関も強めていた感じでした。ビットコインもトランプ勝利の後に期待から一気に買われ始め10万ドルを簡単に超える上昇となりました。
2025年1月に正式にトランプ大統領が就任してからもこの流れが続くかに注目すべきでしょう! 株価を支えるのか!? それともドルを強くするのか!? 両方はありえるのか!? 円安は金利差縮小などには関係なく安いままとなってしまうのでしょうかか…。
2024年の激動相場も皆さんお疲れさまでした。2025年も心機一転やっていきましょう!
FX雑誌「外国為替」vol.14
発売:2024年12月23日(月)
定価:980円(本体891円)