2023年度相場の1年間を振り返っていきたいと思います!(2023年12月25日(月)執筆)
今年もあっという間だったなぁと感じる、イベントや見せ場の多い年だったと思います。
今年はなんといっても【主要国の政策金利】【インフレ問題】に注目された年でした。
2020年3月に起きたコロナショック相場で米国FOMC/FRBをはじめ、緊急緩和により歴史的にも驚きのスピードで金利を“下げ”ました。しかし、今度はFRBバランスシート縮小をかかげ、急激なスピードで金利を“上げ”ていったワケです。
コレは物価高騰が一時的だと判断していた米国要人たちのミスで、後々【大きな間違いだった】とパウエルFRB議長・イエレン米国財務長官が謝罪をするほどインフレ率は急激に上昇しました。それを抑え込むことにこの1年を費やしたといっても過言ではないでしょう!
米国だけに限った話ではなく、欧州も英国も豪州・ニュージーランドなど全ての国も同じでした。唯一日本だけが孤立したような感じでした。
問題の為替ドル円レートは、昨年2022年が直近22年間で最大級のボラティリティとなり38円を軽く超える動きとなって驚愕したわけですが、今年2023年も2008年とほぼ同じ25円ほどの変動となり、直近22年間では昨年に次ぐ2番目のボラティリティとなりました。
ドル円の最高値も昨年2022年とほぼ同レートで152円目前であり、天井も同じでした。上昇も下落もスピードこそ半減していますが、上がり方や落ち始めたタイミングも酷似していて驚かされましたね。
水色の円がずっと売られる傾向が強く、年末でようやく反転を開始しています。他の通貨とどれだけ乖離していたのかが分かりますね。
円安・ドル高の動きの流れが軸となっていました。ドル買いは横ばい傾向だったため、円売りの強さが要因でドル円は上昇していたのが分かります。
コレは先日にあった今年最後の「日銀声明」や「植田日銀」の会見内容も同じことでしたが、何度も世界が新日銀総裁に期待したのに最初から最後までハッキリしない期待を裏切るような内容で、その都度「円売り」となり【日銀政策決定会合】=【円安】となっていたわけです。
米国FRBは3会合連続の利上げ停止で【ターミナルレート】に達したとされ、今後の利上げはほぼないであろうと本格的にドル買いはSTOPしている感じでしょう。
FX市場で最も取引高の多い通貨ペア、ユーロドル(EUR/USD)は、直近22年間で2番目に動かない年となりました。パリティ割れからは回復してどんどん上昇していましたが、上値は重く戻しきれず。
欧州全体の経済状況がロシアウクライナ侵攻後に重くのしかかり、コロナ禍からスグに戻せるわけもありません。ラガルドECB総裁からEU経済についてポジティブな発言はなかったので、まだまだ時間がかかりそうな感じです。
アメリカの銀行破綻問題も記憶には新しく、リセッション入りは回避できそうなのか!? 中国の破綻問題や戦争のリスクなど日本も円安のままで本当に良いのか…。ファンダメンタルズ分析は材料盛り沢山となっています。
2024年度の注目は…、米国や主要国の利下げ時期はいつなのか?? 日本は本当に利上げできるのか?? など、まだまだインフレ率正常化2%と各国政策金利は目が離せそうにないですね。一緒に注目していきましょう!
皆さん、今年のFX・投資の成績はどうだったでしょうか? 良かった方も悪かった方も一年間お疲れさまでした。来年も皆さんに少しでも参考になるような記事を書いていきますので、よろしくお願いいたします。
FX雑誌「外国為替」vol.12
発売:2024年8月22日(木)
定価:980円(本体891円)