成功ルートは人それぞれ
コンボイ◉間もなくvol.3の編集作業も終わりそうですね。ようやく最後が見えてきました。
鹿内◉今号もバタバタした中、おつかれさまでした。恒例の特集振り返りといきましょう。今回印象に残ったのは…もちろん平井聡士さんだよね?
コンボイ◉当然です! いつかスキャルピングで成功したいという夢は変わっていません。
鹿内◉何より勝っている金額がすごいよね。この3年間で3億円をゲットしているという。落合博満かと。
コンボイ◉例えに昭和を感じますがそう思います。
鹿内◉平井さんのお弟子さんたちの多くも、めっちゃ勝っているとか。
コンボイ◉何から何まですごいことになっていますね。鹿内さんが印象に残ったのは?
鹿内◉まずはスケーターさんの「むずない」。取材の段階では概要を教えてもらっただけだけど、かなり細かいレベルまで言語化されている手法という印象。みんなで同じやり方でトレードするというのにも適している。
コンボイ◉ポジションを持ったら利益確定と損切りを入れて、あとは放置するんですよね。
鹿内◉そうそう。その状態になったら、あとはポジションに手出しせず応援するだけだから、同志との連帯も深まりそう。FXは孤独な戦いと捉えられがちだけに、こういうみんなで頑張る的なのはすごく良いと思う。
コンボイ◉ただ、平井さんもスケーターさんも、勝てるようになるまでにかなり苦労されてますよね。
鹿内◉どちらも壮絶だよねえ…。
トレード成績の証明が求められる時代に
鹿内◉それにしてもコウスケさんはすごいね。
コンボイ◉なんといってもワールドチャンピオンですからね。年間通じての収支で優勝したってのはさすが。
鹿内◉FXのトレード技術や成績を証明する場がなかなかなくて、勝ち組かどうかは自己申告による部分が多かった。でもコウスケさんみたいな形なら、全く文句なしだよね。
コンボイ◉本当にそう思います。最近はGMO系列のトレードアイランドもユーザーめきめき増えていますよね。
鹿内◉業界の雰囲気とか求められる情報が変わってきた感じはするよね。オープンな大会とはまた違うけど、事実上のトレード成績コンテストみたいになってきていて、それはそれでめっちゃありだなと思う。投資成績が良いからといって、人に教えるのがうまいか、教わった人が結果を出せるかはまた別の話かもしれない。けれど、一つの客観的な基準ではあるからね。マーケティングのうまさやSNSの技術だけで目立つかどうかが決まるよりは良いかなと。
コンボイ◉そうですね。少なくともリアルトレードで増やしていることは事実ですからね。
いらんことをするのはいつだって人間です
コンボイ◉自動売買の方も見ていきましょう。
鹿内◉その点について、以前から課題だと思っていることがあるんだ。
コンボイ◉なんですか?
鹿内◉EAの自動売買ってさ、必ず事前にバックテストするじゃない。そして、バックテスト結果がマイナス収支なら、その自動売買を動かす人なんかいないわけじゃない。
コンボイ◉そりゃそうですよね。
鹿内◉にもかかわらず、勝つ人は意外に多くないわけよ。おかしくない?
コンボイ◉たしかに。
鹿内◉その理由の一つは、やっぱりドローダウンだと思うんだ。あとで振り返ってみて、想定内の一時的な資産減少であっても、リアルタイムにお金が減りだしたらストレスに感じて、余計なことをしてしまうことが多いんだろうね。自分もそういう経験あるし。
コンボイ◉EAが勝てなくなったわけではなく、運用者がしなくてもいいことをしてしまうわけですね。
鹿内◉そのためにも、たっくんさんが言っているように、バックテストをしっかり行い、ドローダウンからロット調整するのは基本の基本だね。ドローダウンがストレスになっているようでは、長く運用を続けられない。
コンボイ◉そしてForexさんの記事、しびれましたね。参考になる内容が多かったのもありますし、物語性もあります。
鹿内◉長くこの業界にいて、一度は去った人が戻ってくるってのは熱いよね。
コンボイ◉そして、市販のEAだけでちゃんと結果を出しているのも、これから始める人にとっては勇気が出ますよ。
鹿内◉本当にそう思う。たっくんさんもそうだけど、プログラムが書けなくても自動売買で成功できる。希望があります。
コンボイ◉2億り夫婦さんはいかがですか?
鹿内◉ものすごい安定感だよね。さすがリピート系。勝ち額もすごいんだけど、それ以上に余計なことをしないという考え方が徹底されていて、この部分は見習わないといけない。
コンボイ◉頻繁にチェックしていたら、裁量トレードと変わりませんよね。
相場の本質を理解して何を狙うかを見極める
鹿内◉村居孝美さんの、インジケーターを使わないで練習してみようという部分も参考になった。
コンボイ◉本質的な値動きを追わず、インジケーター、特にオシレーター系ばかり見ていると、あたかもそこに答えがあるように錯覚してしまうと。
鹿内◉どんなインジケーターも、価格変動を再計算して図示しているだけなんだよね。見た目がかっこよかったり、上か下かを教えてくれたりしているように見えるけど、それは本質じゃない。
コンボイ◉インジケーターがだめなわけではなく、あくまでメインの戦略なり相場観があり、それを補強したり、精度を高めるためにインジケーターを使おう、みたいな。
鹿内◉そういうことだね。この辺りは、我々メディア側の責任もあると思う。記事を書く際、結論が明確であることを前提に書かないと読めたもんじゃないからね。なおかつ簡便性を伝えないと、なかなか読んでくれない。
コンボイ◉誰にも読まれない記事は、存在していないのと同じですからね…。
鹿内◉多くの方に読んでもらいつつ、本質の部分も伝えていけるように頑張ります。
コンボイ◉そろそろ特集の総括をお願いします。
鹿内◉裁量トレードでも自動売買でも、マーケットに存在する優位性があるポイントを狙うことは変わらないと思う。なので、今からやろうとしているそのスタイルが、どういう狙いがあるかを知った上で取り組むところからかな。
コンボイ◉また次号もよろしくお願いします。
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
定価:980円(本体891円)