編集部より
2025年12月22日発売(予定)のFX雑誌『外国為替』vol.17に掲載する対談記事の一部です。実力派トレーダーと名物投資インフルエンサーが出会うとどのようなトークになるのか…?! 皆さまにいち早くお届けしたく、記事の冒頭部分を一部、フライング投稿します。
目の前の値動きに一喜一憂せず、感情を揺らされずに済む「持続性の高いトレード」を追求してきた黒田雄士(相場師クロ)さん。『外国為替』にも幾度となく寄稿いただいた彼が、FX界隈の有名トレーダーと対談します。
一人目のゲスト、名物投資インフルエンサー岐阜暴威さんが、何やらお悩みのご様子。黒田さんの掲げる「楽に続ける投資の仕組み作り」は、岐阜暴威さんへの処方箋となるのでしょうか?(文:佐野雄二)

岐阜暴威(ぎふ ぼうい)氏プロフィール
投資系インフルエンサー。2006年に株式投資を始めるも、ライブドア・ショックで即退場。リーマン・ショックでも再び退場。以後、FXにも手を出し資産を減らすが、アベノミクス相場で資産を一気に4600万円にまで増やす。先物取引にも手を広げ、資産を大きく増やしては激減させながら市場の入退場を繰り返し、今日に至る。【著書】『高配当株と円安株で月15万円稼ぐ! 億り人がやっている(秘)投資法』

相場師クロ(黒田雄士)氏プロフィール
FX専門コンサルティング会社CEO|オーケーインテリジェンス合同会社。「相場は感情で動くが、勝つのは構造を読む者」が信条。SMA・水平線を軸にした短期デイトレ。焦らず、整え、安定して稼ぐ質実剛健のトレードスタイルが特徴。
衝動的なトレードは「仕組み」で制御する

黒田雄士(以下黒田) 岐阜さんは、個別株からFXまで幅広くやられてますよね。
岐阜暴威(以下岐阜) そうですね。今は株が右肩上がりだからっていうのもあるんですけど、FXのほうが圧倒的に難しいんですよ。
黒田 FXを完全停止してるってわけじゃないんですか?
岐阜 そうですね。 例えば、自動売買はずっと放置で動かしたりとか。FXは、先月(2025年9月)までやってたんですけど、FOMCのときに200万円の損切りをしたんです。その翌日に全戻ししてしまったことがあって。握っていれば200万円も損切りしなくてよかったのに…と、その全戻しで心が折れて「これはあかん、向いてへんわ」と思って株取引をやるようになりました。そうしたら、地合いが良くて勝ち始めて、今は株にシフトしてきています。
黒田 私も、株とFXを両方やっています。投資としての株とトレーディングとしてのFXを切り分けて考えたいというのが自分の中にあって。私はもうFXはほとんど作業になっています。大体は裁量トレードですが、自動売買にも最近興味があって、トラリピに手を出したりしています。自動売買の勉強もちょっとやりつつ、というところで。
岐阜 裁量トレードってどうですか? ストレスがたまりませんか?
黒田 ストレスがかからないように、取引の回数は少なくしています。レバレッジも国内の個人口座で回せるぐらい低くしていますね。
岐阜 ポジションはどれぐらいの長さで持つんですか?
黒田 デイトレですね。ポジションを持つのは1時間とか、長くて2時間ぐらいです。
岐阜 裁量トレードでルールを破っちゃったりはしませんか?
黒田 損切りのルールも含めてトレードルールは全部決めているので、破ることはないですね。
岐阜 そこ、詳しく聞きたいです。めちゃくちゃルール破っちゃうもん(笑)。
黒田 こちらからも聞いてみたいんですが、リスク管理に関してはどういったポリシーを持ってやられていますか?
岐阜 損切りはしますが、基本的にはそれだけです。あとは、突発的にポジらないこととか。損切りや利確をどこにするか、出口戦略まで考えてポジれたら良いなとは思ってるんですが、チャートをずっと眺めて適当に入って、含み損になって「どうしよう…」みたいなのが多いんで、非常に辛いです(笑)。しかもレバレッジも予想外にかけちゃったりすると、受け入れられない損失が出たときに「これは切れねえ…」ってなっちゃいますし。
黒田 利確や損切りは成行注文でやってるんですか?
岐阜 全部成行でやっちゃいます。スピード注文も使っちゃうんですよ。
黒田 私は指値注文ばっかりですね。成行でエントリーや利確、損切りってやろうとすると、人間の心は弱いと分かっているので、私でも迷っちゃいます。迷ったトレードで納得がいかない結果になると、ストレスがかかるじゃないですか。そういうのが嫌なので、エントリーするときも、利確も損切りも全部入れて、指値注文してほったらかしておけるようにしています。
岐阜 半自動売買ってことでしょうか。自分主導で決めておいて、後はチャートも見ないってことですよね。
黒田 そうですね。含み益になっているときだけ、損切りラインを建値に移動しておきます。そうすれば、逆行しても引き分けに持ち込めますから。
岐阜 いろんな人にめっちゃ言われるんです。「とりあえず成行はダメですよ。成行はだいたいIQ下がってるから」って(笑)。そうは言われても、どうしてもやってしまうんです。一時期は、スピード注文であまりにも負けてしまうから、スピード注文ができないようにアプリを消して、ブラウザでログインするようにもしていました。
黒田 エントリーに手間がかかるようにして、ハードルを上げるってことですね。ハードルを上げれば上げるほど、適当にポジらなくなると。
岐阜 ですが結局、同じようなことをやってしまいました。いつの間にかアプリを再インストールして、成行注文どころかスピード注文も再開していました。
黒田 スピード注文は本当に簡単なんですよね。
岐阜 簡単にエントリーできちゃうからこそダメなんですよね。逆指値とかも入れはするんですが、ずらしちゃうんですよ。根拠があって逆指値を入れているのに、ずらしちゃったら根拠がなくなっちゃうんです。自分で決めたルールを守れないんです。何か良い方法ってありますか? どうして「ついやっちゃう」んですかね?
黒田 それはチャートの見すぎだと思います。岐阜さんはどれぐらいチャートを見ていますか?
岐阜 スマホを一日14時間見てるんですよ。ずっとチャートを開いて出している感じです。いつでも見られるようになっていて、パソコンでYouTubeを見ている間も、横ではずっとチャートが動いています。
黒田 機会損失を強く意識しているのかもしれないですね。
岐阜 勝ちたいっていうのはもちろんあるんですけど、チャートをずっと見るのが日常になっちゃってるんです。昔、会社員をやりながらもずっとチャートを意識していました。今は専業になって3年目ぐらいなんですが、結局芽が出ませんでした。例えばイフダン注文も絶対良いと思うんです。でも、多分私がやっても、それが続くのは最初の5回ぐらいなんですよね。「ルールを守る」という心がけが、いつも続かないんですよね。これを有名トレーダーに聞いたら「岐阜さん、本気じゃないんだよ。もしルールを破ったら腕を切り落とされるってぐらいのリスクがあるなら無茶なことはしないでしょ? それくらいの危機感を持っていないからあなたはルールを破っちゃうんだよ」って言われて。
黒田 ちょっとその危機感だと、リアリティが持ちにくいかもしれませんね。実際に腕を切られることはないわけですし。強迫観念で抑え込むのも手だと思いますが、仕組みに任せるトレードで稼げるっていうことが分かったら、あとは楽できるんじゃないか?と私は考えています。
私の所に教わりに来ている人は、勝てなくて悩んでいる人がやっぱり多いです。そういう人たちに対して、ルールどおりにトレードをする練習をしてもらうんです。成行注文をやっていたら、それを一回全部やめてもらうんです。指値注文するまでのルールを固めて、利確も損切りも作ったルールどおりに決める。含み益になったら建値に逆指値注文を入れて、引き分けに持ち込めるようにする。その仕組みに委ねて2、3か月やってもらうと、めちゃくちゃ負けてて履歴が真っ赤だった人たちが、とりあえずトントンに近い成績になってくるんですよ。やっぱり慣れてないから最初はマイナスになっちゃうんですけど、修正を重ねて余計な負けが減ってくると、引き分けの中でたまに勝ってくるようになります。でもリスクリワードが良いから、勝ったときの利益は1回や2回負けたぐらいじゃなくならないんですよ。
岐阜 そうすると、トレード回数もやっぱり減ってきますか?
黒田 格段に減ります。ちなみに岐阜さんは1日に何回ぐらいトレードするんですか?
岐阜 そんなに取引はしないですね。含み損を握ったままにしてしまうんです。もう一つ良くないのが、「待てない」ことなんですよね。
黒田 私の周りにも「待てないんです」って悩んでいる人はたくさんいました。なんで待てないんだろう?と思っていたんですが、待つことそのものをストレスに感じているんだったらそれは無理だろう、と気づきました。「待つ」っていうと、お預けをくらっているような気持ちになってしまうんじゃないかと思うんです。だから私は言い方を変えました。「待つ」ではしんどくなるから、「いつチャンスが来ても良いように備えておきましょう」と。自分の型に当てはまるものが来たときだけ打つ準備をしておきます、って形です。
例えば、1時間経っても刺さらなかった指値はキャンセルしちゃいます。それでも構わないんです。あまり手間をかけずに、仕掛けたらあとは放置しておくだけ、という形にしておくと、どんな結果になってもあまり心が揺らがないんです。そもそもそんなに手間はかかっていませんしね。「待つ」というと、漫然と待つというか、「いつまで待てば良いんだろう」となってしまいますよね。だから「来たときだけやる」という形で、いつ来ても良いように指値で備えておくことが大切だと思います。
※先出し記事はここまでです。お二人の対談の続き、全文は2025年12月22日発売(予定)のFX雑誌『外国為替』vol.17の誌面でご覧ください!
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