「円ドルチャート」で円高円安を直感的に理解！｜TradingView魔改造マニュアル［vol.1］

尾崎彰彦（おざきあきひこ）氏プロフィール

PineScriptプログラマー。2019年にスタートしたblog「超入門 TradingView PineScript」が2021年にパンローリングより書籍化。X（旧Twitter）ではTradingViewの便利技、個別株・J-REIT・債券等投資に関することから夕食のレシピまで、さまざまな役立つ情報を発信中。
【著書】PineScriptだからできる自由自在の「高機能」チャート分析 ― 一歩先行く「トレーディングビュー」の活用法（パンローリング）

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【1】ドル円チャートと円安・円高の関係
【2】ドル円チャートを表示する
【3】ドル円チャートを円ドルチャートにする
【4】円ドルチャートを100倍する

【1】ドル円チャートと円安・円高の関係

ドル円チャートは、日本人FXトレーダーにとって最もなじみのある為替チャートです。しかし、ドル円は「1米ドルを何円と交換できるか」という意味なので、ドル円が下がると円の価値が高く（円高）、上がると円の価値が低く（円安）なります。そのため、チャートの上下と円安・円高の関係が逆となり、分かりにくくなっています。そこで、ドル円のチャートを演算して、「1米ドルを何円と交換できるか」（1米ドル／円）から、「100円を何米ドルと交換できるか」（100円／米ドル）のチャートを表示します。

【2】ドル円チャートを表示する

画面左上のシンボル検索をクリックし、シンボル検索画面を表示します。シンボル検索ボックス下の「FX」をクリックした後、検索ボックスに半角で「USDJPY」と入力すると、ドル円のシンボルが複数表示されます。複数表示されるのはそれぞれデータの提供元が異なるためです。

【3】ドル円チャートを円ドルチャートにする

シンボル検索ボックスに「1/USDJPY」と入力するか、「USDJPY」と入力した後、検索ボックス右側の「1/」ボタンを押してください。Enterキーを押すと「1/USDJPY」のチャートが表示されます。計算された値が正しいか確認します。執筆時点のドル円の直近終値は152.928でした。電卓で1/152.928を計算すると0.00654（0.007）となり、円／米ドルの値が正しく計算されていることが分かります。

【4】円ドルチャートを100倍する

再度シンボル検索画面を開き、シンボル検索ボックスに「1/USDJPY*100」と入力するか、「1/USDJPY」と入力された状態で検索ボックス右側、「+」ボタンの右にある「×」ボタンを押した後、半角数字100を入力してください。Enterキーを押すと円ドルチャート（1/USDJPY）を100倍したチャートが表示されます。

電卓で計算した円／米ドルの値は0.00654だったので、100倍すると0.654となります。100円／米ドルの値が正しく計算されていることが分かります。

今回は四則演算の解説をしたかったため「1/USDJPY*100」としましたが、「100/USDJPY」としても同じ結果となります。では、演算して求めた100円／米ドルチャートを見てみましょう。円高だった2012年ごろは1ドル80円台だったので、100円を1.3米ドルと交換できました。円安の直近（2024年）は1ドル150円台なので、100円を0.65米ドルとしか交換できません。100円／米ドルチャートが下がると円安、上がると円高となり、チャートの上下と円安・円高の関係が分かりやすくなりました。