まずは先週の振り返りです。
重要指標となる政策金利・金融政策の発表ラッシュな一週間でした。
■3月19日(火)正午過ぎ【日銀金融政策決定会合】
ついにマイナス金利解除となりYCCも撤廃、日本株やETF買い入れも廃止に。
今回は、日銀は予想を裏切ることはありませんでした!
しかし、市場の反応はまさかの円安ドル買いとなり、ドル円は急上昇してしまい、2022年・2023年の最高値まで試す152円台目前へ。
■鈴木財務相
「金融政策の具体的手法や経済指標に関しては日銀に委ねている」
「金融政策決定会合については政府としてのコメントは控えたい」
などの発言
■岸田首相
「日銀総裁から決定会合について説明を受けた」
「為替については日銀総裁と特段のやり取りはしていない」
などの発言
これまで散々口先介入を行ってきたのは何なのでしょうか!?(苦笑)
■植田日銀総裁
「YCC、マイナス金利はその役割を果たした」
「当面、緩和的な金融環境が継続する」
「物価目標が持続的安定的に見通せる状況に至ったと判断」
「異次元の緩和は役割を果たした」
「為替動向について経済や物価の見通しに大きな影響及ぼすなら、金融政策としての対応を考える」
「賃上げの動きが広がっていくかは政策を決めるポイントになる」
「ETFなど異次元緩和の遺産のようなものは当面残り続ける」
「為替の短期的な動きについてはコメント控えたい」
「ある特定の金利水準か緩和的かは、中立金利がどれくらいかに依存する」
などの発言
金融緩和維持に関しては継続させるのは変わらず、こちらも為替への変動に大きく影響させているのも関わらず、為替に対しては謎のコメントが目立った会見となりました。
■ほぼ同時刻【RBA豪州中央銀行政策金利・声明発表】
市場予想通り政策金利を4.35%のまま据え置きに。市場の反応は豪ドル売りで持続し、豪ドルレートは急落しました。
■3月20日(水)27:00~【米国政策金利・声明発表FRB/FOMC】
こちらもコンセンサス通り今回も金利据え置きとなりました。
ドル売りが先行となり、ドル円レートは急落。市場の反応は日銀のときとは真逆に動き152円台には乗せきれず…。
パウエルFRB議長の定例記者会見でも「年内の利下げ回数3回」に関しては変更はなかった感じでしたが、翌年の利下げ回数に関しては減らす可能性を示唆するような発言がありました。今後も毎会合後の発言内容に変化があるかに注目です!
週末NY大引け後までも152円台には乗せれず、2022年・2023年の高値とほぼ同レートまでが限界でした。
今は急落するほどの反発はなく、スグそこに152円台に手が届くレベルの高値圏で推移しています。
しかし、このままトライに失敗し続けると同じように10円近く落ちる可能性も大きいのではないでしょうか!? 金利差の縮小に関して言えば、より明確になってきたのがファンダメンタルズです。
トレーダーも152円台を超える・超えさせないの予想が拮抗しているのかもしれません。この円安は「為替介入」を警戒したくもなるでしょう。
■3月21日(木)17:30~【SNBスイス中央銀行政策金利・声明発表】
まさかのサプライズで利下げとなり1.75%→1.50%へ。
コレにより一時スイスフランは強く売られました! 3か月に一度しかない政策金利発表でサプライズは急変動になりやすいので、今後も注意したいですね。
■同日20:00~【TCMBトルコ中央銀行】
こちらもさすがに据え置きと思われていたのですが、まさかのまた利上げとなり、ついに50%の金利に。もはや理解不能の領域です…。
■同日21:00~【BOE英国中央銀行政策金利&声明発表】
コンセンサス通りの金利を据え置きとした。
ポンドは強く売られ始め下落を開始となった。
政策金利前後の通貨強弱をみても、圧倒的に円が売られたのが分かります。その後は円買いドル買いで戻されているので152円に乗せきれなかったのでしょう。
スイスフランも売られているので今後も強まるかどうかは注目です。
米ドルが強いターンに再び持続しているので、全体的に他の通貨を抑え込み、ドル円以外は下落となった感じです。この流れが3月末へと続くのかが問題ですね!
3月最終週となる3月25日(月)からの注目指標や材料は次のとおりです。
■3月25日(月)ゴト日
23:00~米国新築住宅販売件数
■3月28日(木)
23:00~米国中古住宅販売成約指数
■3月29日(金)
イースターにより日本以外はほぼ全て休場なので取引きに注意です!
21:30~米国個人所得・支出・PCEデフレーター
などとなっております! 材料も出尽くしといった感じで月末相場へ。
こちらの3月アノマリーの記事も参考にしてください。
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