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アンティークコインのきほん[ゆったり為替]

世界最初期のコイン「リディア王国エレクトラム金貨」|アンティークコインのきほん[ゆったり為替]

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紀元前600年代のコイン(貨幣)

 現代社会ではデジタルマネーが普及し、コイン(貨幣)の出番は徐々に減っています。しかし、お金としての重要性に変わりはなく、今でも私たちは日常的に使っています。コインが重要なのは昔も同様で、世界で最初に登場したのは紀元前600年代、現在のトルコ西部地方で栄えたリディア王国だとされています。

 貨幣は国王が作れば自動的に流通するわけではなく、広く使われるには経済が一定水準まで発展している必要があります。例えば、日本では西暦700年代に銅銭が導入されましたが、根付くことなく958年を最後に発行が停止されました。経済が高度化して貨幣が復活したのは12世紀に入ってからのことであり、それに比べるとリディア王国が存在した紀元前600年代は大変な大昔です。リディア王国の経済の発展ぶりが想像できます。

リディア王国エレクトラム金貨
画像提供:株式会社ダルマ
※画像は加工処理しています

 当時、この「リディア王国エレクトラム金貨」は兵士の報酬として使われていたようです。小さくて持ち運びが容易ですし、腐ったり壊れたりせず、食料などと交換するのも比較的容易だったでしょう。国内で貴金属を産出していて、原料調達が容易だったという点も重要です。

 また、同じ大きさで大量生産できますから、兵士に均等に支払うこともできました。この画像のコインも最初は兵士がもらったはずで、それがさまざまな人の手を経て現在に至ります。 

強さの象徴のライオンと恵の源の太陽をデザイン

 コインは長年にわたって国内外で広く使われますから、当時の国家にとって重要なデザインが採用されます。リディア王国が採用したのは、勇ましいライオンと太陽です。太陽は、ライオンの額の先に小さく描かれています。強さの象徴としてのライオン、そして全ての恵みの源となる太陽。リディア王国ではこれら二つが重要だったことが分かります。

 なお、金貨の裏側には大きな凹みがあります。これはデザインではなく、金属を固定するために使った器具の跡です。ある程度時代が進むと両面にデザインが刻印されますが、当時はまだ片面だけだったことが分かります。

 リディア王国滅亡後の古代ギリシャ世界では、各地でコインが作られました。デザインとして採用されたのはイルカだったり古代戦車だったり実にさまざまで、いろいろなコインが存在します。コインは金属製ですから当時の姿のまま現在も残っていて、しかも買えるのが魅力です。特定の時代の歴史に興味があるなら、その時代のコインを収集すると、歴史を手に入れたような感覚を楽しむことができます。

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月足トレードを実践する超長期トレーダー。FXで2013年に退職・独立。現在はFX以外に仮想通貨とアンティークコインで日々生活中。
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