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罫線のほそ道〜テクニカル分析の達人、平野朋之が教える即戦力トレードアイデア〜[第5回]

罫線のほそ道〜テクニカル分析の達人、平野朋之が教える即戦力トレードアイデア〜[第5回]

テクニカル分析の達人として多種多様なインジケーターの使用法に精通している平野朋之さんに、発展途上のFXトレーダーでも使いやすい分析、トレードのアイデアを教えてもらう企画です。今回は、GMMAとSTRSIを使ったトレンドフォロー手法を教えてもらいました。

平野朋之氏プロフィール
平野朋之(ひらの ともゆき)氏プロフィール

株式会社トレードタイム代表取締役。米国在住時にシカゴ等の市場を見学して金融に興味を持ち、大学卒業後に為替取次業務を行う。その後、ひまわり証券に入社。FX事業部の立ち上げ、自己売買ディーリング業務、オプション取引の助言業務やセミナー講師等を務めた後、2011年に独立。セミナー講師やトレード情報提供等で多数の実績を誇る。

取材・本文◉外国為替編集部

※FX雑誌『外国為替』vol.17(2025年12月22日発売)より転載 最新号の目次・お知らせはこちら

トレイダーズ証券

GMMAで流れを掴みSTRSIで狙っていく

 毎度おなじみ、「テクニカル分析の達人」平野朋之さんから、分かりやすいテクニカル指標を用いた、分析とトレードがセットになったトレードアイデアを教えていただきました。いつも編集部のリクエストを快諾してくださり、ありがとうございます。

 今回ご紹介いただいたのは、GMMA(複数EMA)とストキャスティクスRSI(STRSI)を組み合わせて押し目・戻りを狙うトレンドフォロー手法です。毎回異なるアプローチを惜しげもなく披露していただきながら、手法の引き出しにはまだまだ中身が詰まっているように思います。

「今回の手法のポイントは、GMMAで大きな流れを捉え、STRSIでエントリータイミングを絞り込むことにあります。GMMAは短期束と長期束の開きや向きでトレンドの強弱を視覚的に判断できます。STRSIは反応が早いため、トレンド中の押し目買いや戻り売りの初動を掴みやすい点が特徴です。明確なトレンドが出ている相場で力を発揮してくれる戦略です」

 押し目買い・戻り売りは、トレードの王道ともいえるエントリーポイントです。今回のように「流れの認識」と「入るタイミング」の両方を同時に把握できる手法は、初心者の方でも実際に扱いやすい内容といえるでしょう。

 平野さんは機能が充実したTradingViewを愛用されています。今回の手法で使用するインジケーターは2つのみで、TradingViewの無料プランで利用可能。皆さんも、ぜひ使ってみてください。

【Idea.01】トレード手法の概要と使用時のポイント

●この手法を使うメリット

▶GMMAで相場の大きな流れと短期の勢いを同時に可視化できる
▶STRSIの高速反応で押し目・戻りの初動をキャッチできる
▶トレンドを土台に短期~中期の波に乗りやすくなる


●この手法の使用環境

▶売買に適した通貨ペア:ドル/円、ユーロ/ドルなどの主要通貨。オージー/ドルなども可能だが、流動性の低い通貨ペアは非推奨
▶表示するチャートの時間軸:15分足以上で利用可能だが、30分足以上が推奨
▶使用するテクニカル分析:GMMA、ストキャスティクスRSI(STRSI)


●TradingViewのセッティング

STRSIの設定画面

インジケーターの反応をより早くするため、期間をデフォルトの14から8に変更します。

【Idea.02】環境認識・入るタイミングを同時に掴む

ドルカナダ30分足チャート

GMMA(Guppy Multiple Moving Average)は、複数の指数平滑移動平均線を短期束と長期束に分けて表示し、相場のトレンドと強弱を視覚的に捉えるトレンド系テクニカル指標です。短期束(緑)は直近の勢い、長期束(オレンジ)は相場全体の流れを示しており、両者の位置関係と傾きから上昇・下降トレンドを判断します。ストキャスティクスRSI(STRSI)は、RSIをストキャスティクス処理したオシレーター系指標で、短期的な買われすぎ・売られすぎをより敏感に捉えられます。例えば下降トレンド中にSTRSIが80付近まで反発し、青線がオレンジ線を割り込む(デッドクロスする)と、戻りの失速を示すシグナルとして機能しやすく、戻り売りの判断材料となります。GMMAで流れ、STRSIでタイミングを同時に確認することで、押し目買いや戻り売りの判断をより精緻に行うことができます。

【Idea.03】トレード実践例(押し目買いエントリー)

ユーロ円日足チャート

まずは流れを把握する所から始めます。GMMAの短期束(緑)が長期束(オレンジ)を割り込んでおらず、両方とも上向きに揃っていれば、上昇トレンド継続の目安です。その流れが続いているのを確認したら、エントリーのタイミングを計ります。上昇トレンド継続中に、STRSIが「売られすぎ」の水準である20以下の水準から20ラインの上へ戻る動きを見て、青線がオレンジ線を上抜ける(ゴールデンクロスする)タイミングを目安に押し目買いエントリーします。下降トレンドの際はこの逆です。

【Idea.04】トレード実践例(損切り・決済)

ユーロ円日足チャート

今回の手法で損切りを設定するなら、GMMAの長期EMA(オレンジ)の60のラインを終値で割り込んだ所が明確なラインとして有効です。STRSIが80付近に到達したタイミングを上昇の一巡と判断して利確の目安にすることができます。ただ、GMMAの短期束の傾きが弱まる、または短期束が長期束に接触するのを「トレンドの鈍化」と考えて、それまではポジションを握り続けたままトレンドの伸びを追いかけていく戦略も有効です。その際は損切りラインをトレーリングしていくと良いでしょう。

【Idea.05】検索するだけ。インジケーターお手軽導入

今回の手法のインジケーターは簡単に導入できます。TradingView本体メイン画面の「インジケーター」のボタンを押すと、検索窓が出てきます。検索窓にGMMAと入力すればGMMAが、STOCH RSIと入力すればSTRSIが候補に出てくるので、インジケーター名をクリックすれば、そのままチャート上に表示されるようになります。TradingViewを無料で利用している場合、表示できるインジケーターが2つまでとなっています。そのため、無課金で使っている場合は、他のインジケーターをオフにしてから導入しましょう。

流れの把握とタイミングを同時覚化する戦略

「今回は、まず GMMAで相場の流れを掴むことが重要です。GMMAの短期束(緑)が長期束(オレンジ)を割り込まず、双方が同じ方向にきれいに揃っていれば、明確なトレンドのサインになります。

 押し目買いや戻り売りのエントリーを仕掛けるタイミングはSTRSIで判断します。上昇トレンドならSTRSIが20前後から反転した場面、下降トレンドなら80前後から失速した場面がエントリーの狙い目です」

 GMMAは設定を変更せずに使いますが、STRSIの方はどうしてデフォルトの設定より「敏感さ」を高めて使うのでしょうか。

「STRSIは短期的な売られすぎ・買われすぎを素早く捉える性質があります。デフォルトの設定だと反応が少し遅く、押し目や戻りの初動を逃しやすいこともあります。そのため、期間を短めに設定することでエントリーの間合いを測りやすくなるんです。特にトレンドフォローでは、反転の『最初の動き』を掴むことが大切ですからね」

 短い時間足ではダマシが増えますから、STRSIの反応速度を整えれば、より適切なタイミングでのエントリーを狙えるということですね。出口戦略についても教えていただけますか?

「損切りは、GMMAの長期EMA(60付近)を終値で割り込んだら明確なラインとして手仕舞うのが良いでしょう。一方、利益確定は(上昇トレンドの場合)STRSIが80付近(買われすぎ)に到達したタイミングを短期的な一巡と考えるのが目安になります。また、GMMAの短期束の傾きが弱まるまでポジションを保有して伸ばす戦略も有効です。その際は価格の伸びとともに逆指値を引き上げていけば、損失を抑えつつ利幅も狙えます」

 ルール化された損切りと利益確定の基準があることで、ホールドと手仕舞いの判断がしやすくなりますね。平野さん、今回も実践的な手法をご紹介いただき、ありがとうございました!

ABOUT ME
平野朋之
ひらの ともゆき。株式会社トレードタイム代表取締役。米国在住時にシカゴ等の市場を見学して金融に興味を持ち、大学卒業後に為替取次業務を行う。その後、ひまわり証券に入社。FX事業部の立ち上げ、自己売買ディーリング業務、オプション取引の助言業務やセミナー講師等を務めた後、2011年に独立。セミナー講師やトレード情報提供等で多数の実績を誇る。
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