今週は日本を含む主要国の中央銀行による政策金利発表が一斉に集中する、いわゆる「中銀ウィーク」でした。為替・株式・コモディティといったあらゆるマーケットに影響を与えうる1週間でしたが、蓋を開けてみると各国のスタンスの違いが鮮明に浮き彫りとなりました。今週の決定内容と要人発言を整理しながら、来週以降のトレード戦略を考えていきましょう!
♦ RBA(豪州中銀):25bp利上げ
コンセンサス通りの利上げとなり、これで2会合連続の利上げとなりました。豪州のインフレ抑制に向けた姿勢の強さが改めて示された格好です。豪ドルにとっては引き続き下値を支える材料となっています。
♦ BOC(カナダ中銀):据え置き
こちらもコンセンサス通りの結果。カナダは現状維持を選択し、方向感の乏しい展開が続いています。原油価格の動向がカナダドルに与える影響は引き続き注視が必要です。
♦FOMC/FRB(米国):据え置き
市場の予想通り据え置きとなりました。注目はその後のパウエル議長の記者会見です。主要な発言を振り返ると…、
「現在の政策スタンスは目標達成に向けて適切」
「個人消費は堅調に推移している」
「失業率は昨年夏以降ほとんど変化せず」
「短期的なインフレ期待はここ数週間で上昇」
「インフレ面での進展なければ、利下げはない」
「原油価格ショックの一部はコアインフレ率に反映されるだろう」
「金利をやや抑制的な水準で維持することが重要」
「FRBは困難な状況にあり、リスクのバランスを取る必要がある」
などなど、全体的なトーンは「引き締め継続・早期利下げ否定」といえそう。特に「原油価格ショックの一部はコアインフレに反映される」という発言は市場に対するサインとして重く受け止める必要があります。エネルギー価格の高騰がインフレの再燃につながりかねないという警戒感は、FRBとして容易に利下げに踏み切れない根拠を改めて示したものです。
また、「中東の動向が米経済に及ぼす影響は不透明」「エネルギー政策の見直しという問題を軽視することはできない」という発言からも、地政学リスクが米国の政策判断に影を落としていることがわかります。ドルにとってはファンダメンタルズ面でサポートとなる内容であり、ドル円・ドルインデックスいずれも底堅い動きが続きやすい地合いといえます。
♦BOJ(日銀):据え置き
こちらも予想通りの据え置きでした。植田総裁の記者会見では以下のとおり。
「今後の利上げ、経済・物価情勢など踏まえ毎回会合で判断」
「基調物価、先行き上下双方向に変動しうる」
「原油上昇に伴う交易条件悪化、今後景気への影響を判断」
「当面は春闘における賃上げ状況や企業の値上げの動きを点検」
「現在の実質金利は極めて低い水準にある」
「見通し実現なら政策金利引き上げ、金融緩和度合いを調整」
「毎回会合で判断する」という表現はある意味で定型句にもなってきていますが、「春闘の賃上げ状況」「企業の値上げの動向」「原油高の影響」を丁寧に見極める姿勢を崩しておらず、急ぎ利上げに踏み込む状況にはないことが確認されました。
日銀発表前にも関わらず、片山財務相の発言がありました。
「為替対応、いかなる時にも万全な対応、しっかり構える」
「原油高、為替もそれに影響されているがどう考えても投機的な部分ある」
「今日は日銀決定会合・植田日銀総裁会見などを控え、為替の投機筋が動きやすい日」
「為替動向、非常な緊張感を持ってみている」
市場が最も敏感に反応すべきはここでしょう。財務大臣が「投機的」「万全の対応」「非常な緊張感」と相次いで強い言葉を使っていることは、介入への地ならしと受け取ることができます。言い換えれば、口先介入から実弾介入への移行リスクが高まっているというシグナルです!
♦SNB(スイス中銀):据え置き・ゼロ金利維持
予想通り。スイスフランは引き続きリスクオフ局面での逃避先として機能しやすい状況が続きます。
♦BOE(英国中銀):据え置き
こちらもコンセンサス通り。英国はインフレと景気の綱引きが続いており、方向感が定まりにくい状態です。
♦ECB(欧州中銀):据え置き、ただし今後は利上げの可能性を高める
今回は据え置きでしたが、声明において「今後は利上げの可能性を高める」というタカ派寄りのスタンスが示されました。これはユーロドルにとって中期的なサポート材料となりえます。
ドル円の現状分析と来週の展望
ファンダメンタルズ面では、FRBをはじめ主要国の政策金利はコンセンサス通りで、基本的な方向性自体は変わっていません。となると円安ドル高傾向が継続しそうです。しかし、片山財務相の強い口先介入が示す通り、政府・日銀による為替介入への警戒感が極めて高い水準にあります。投機筋による急激な円安進行に対しては、いつ実弾介入が飛んでくるかわからない緊張状態が続いています。

地政学リスクでGOLDが買われやすいはずなのですが、ドル買いに抑え込まれていた状況からまさかの暴落となっているのは気になるところ。金・貴金属の過熱は終わりなのでしょうか? また、日経平均は回復気味でしたが、再び年始の振出し戻されています。あれだけ強い上昇へ年内に戻していけるのか、こちらも注視しておきましょう。
重要指標や材料出尽くしとなる3月後半戦は、まだまだ目が離せません! 3月4週目の週となる3月23日(月)からの注目すべき材料・指標は以下のとおりです。
■3月24日(火)
8:30~日本消費者物価指数CPI
17:15~仏PMI速報値
17:30~独PMI速報値
18:00~欧州PMI速報値
18:30~英PMI速報値
22:45~米PMI速報値
■3月25日(水)
ゴト日
16:00~英消費者物価指数CPI・生産者物価指数PPI・小売物価指数RPI
■3月26日(木)
21:30~米国新規失業保険申請件数
※3月アノマリー記事もご覧ください。


















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