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僕らは詐欺を決して許さない〜実例から学ぶ投資詐欺の手口〜

僕らは詐欺を決して許さない〜実例から学ぶ投資詐欺の手口〜

ゴールデンウェイ・ジャパン

※FX雑誌『外国為替』vol.16(2025年8月25日発売)より転載 最新号の目次・お知らせはこちら

依然として被害が後を絶たない投資詐欺。最近の投資詐欺はFXを「ネタ」にしている事例が多く、FX専門誌としては聞き捨てなりません。

そんなのに騙されるわけがないと誰もが思っているかもしれませんが、お金に困っている、何か収入源を作らないと、と切羽詰まっているときに「必ず儲かる」と言われたら…それでもあなたは絶対に騙されないと言い切れますか?

今回は実際にFXの投資詐欺被害に遭ってしまった被害者から巧妙すぎる手口を聞きつつ、これからも投資界隈にあふれる詐欺から身を守る方法を伝授したいと思います。

聞き手・本文◉田中タスク

トレイダーズ証券

止まらない投資詐欺被害。しかもFXが標的に

 投資詐欺自体は昔からありますが、最近特に多いように思いませんか? 今年報道された事件を少し挙げてみただけでも「富山市の50代男性 1000万円余の被害 SNS投資詐欺」(7月)「FX投資詐欺で70代の男性1500万円だましとられる」(6月)「SNS広告通じFX投資かたり勧誘…60代無職男性が現金・暗号資産計約1500万円分被害」(1月)などなど。これ、全部別の事件です。ということは、それだけ被害者も多いということ。金額が大きくて目立つ事件だけが報道されているわけで、それ以外にも無数の屍が…。

 これだけFXが詐欺に悪用されると、「FX=怪しい」というイメージを抱く人が増えるでしょうし、実際にそんな声を投げつけられることもあります。やはりこれは看過できません。我ら『外国為替』がFXを悪用する詐欺を撲滅するべく立ち上がろうではないですか。

今の主流(?)となっているFX投資詐欺の手口

 誠に残念ながら、投資詐欺の手口は常に進化しています。SNSやYouTubeなどには「必ず儲かる」「放ったらかしで〇〇万円」みたいな、コンプラ無視の広告があふれています。それが本当なら夢のような話ですが、これらのほとんどが、詐欺師が用意した地獄の入口です。

 よくあるのが、FX自動売買に関連する手口。MT4を使った自動売買であればFX初心者でもガッポガッポみたいな広告を流して、全然儲からないEAを法外な値段で売り付けます。そして指定されたFX口座は海外FX業者ということで、悪のダブルコンボ完成です。おそらくクソEAを売り付けた業者のもとには、指定した海外FX業者からIB報酬(スプレッドの一部をアフィリエイターに還元する仕組み。投資家がトレードするほどアフィリエイターが儲かる)が流れているんでしょう。当然ながらクソEAで利益が出るはずもなく、やがて被害者の口座残高は減り続け、最後はロスカットになってサヨウナラという流れです。

 この手口が恐ろしいのは、誰も明確な詐欺行為をしていないことです。クソEAを売り付けたとしても、EAの運用は自己責任です。自分でバックテストをして実力を検証してから運用する人であれば運用前にクソっぷりに気づくと思いますが、それを知らないFX初心者を初見殺しするのはたやすいでしょう。

 そして、MT4を運用する口座も海外FX業者とはいえ、実在する業者であればそのこと自体に詐欺性はありません。つまり、被害者が大損をしたとしてもすべて自己責任の世界であり、「詐欺だ!」と言っても責任を取らせたりお金を返させるといったことは難しいんです。これが今どきの投資詐欺、特にFXを悪用する投資詐欺の典型的なパターンです。

本物の被害者に聞いた巧妙かつ戦慄の手口

 それでは実際にFXの投資詐欺被害に遭ってしまったMさんに、生々しい顛末を聞いてみましょう。

─最初に今回の詐欺に遭うきっかけとなった「出会い」は何だったんですか?

「YouTubeとかLINEの広告でした。ちょうど勤め先の事情で会社を辞めないといけないかも、それでも家族を養っていかないと、と追い詰められていたときだったので、何とか収入源が欲しかったんです」

─その類の広告が出てくるということは、副業や投資関連の検索をされていたということですか?

「そうなんです。副業、副収入あたりのキーワードでいろいろと検索していたので、『副収入に興味がある』と見なされたんでしょうね」

─そのあたりのキーワードで検索をしている人はお金を欲しがっているはずということで、効率良く「集客」しているんでしょうね。マーケティングの悪用事例だと思います。その広告に反応したら、具体的にどんな流れになったんですか?

「問い合わせをしたら、MT4を使ったFXの自動売買とのことでした。先方から指定された海外の会社に口座を開設して、そこでMT4の自動売買をやったら儲かりますよ、という話でした。

─早くも嫌な予感しかしない展開です。

「国内と海外のFX業者の違いなんて当時は知らなかったですし、調べてみると実在する会社。しかも私がファンだった人が公式サイトに登場していることもあって信用してしまって。MT4を稼働させるVPS業者も実在するマトモな会社です。すべて実在する会社、サービスを使うということで、信用しちゃいました」

─今の投資詐欺では、すべて実在するサービスを使うので、その時点では詐欺だと気づきにくいんです。その「投資」には、どれくらいのお金を出されたんですか?

「EAの使用料や契約金の名目で120万円、あとは運用資金として280万円。この280万円を工面するために、借金もしました」

─まさに背水の陣という感じですが、運用成績のほうはどうだったんですか?

「一応、画面上では口座残高が少しずつ増えていっていました。でもその一方で含み損も増えていって。さすがにそれが100万円を超えてきた頃に、『これ大丈夫?』と思い始めてきました」

─証拠金が280万円で含み損が100万円を超えているとなると、危険ゾーンではあります。

「そう思ったので、業者に問い合わせて聞いてみたんです。『それは戻してくるので大丈夫』と」

─「戻してくる」と言い切れるあたり、彼らは相場の未来が分かるエスパーなんでしょうね。

「確かに口座残高も増えているので大丈夫だと思ってしまったのが、良くなかったです。その後もさらに含み損が増えていったので、さすがにヤバいだろうと思って連絡したら、連絡がつかなくなってしまいました」

─連絡は、どういう形で取っていたんですか?

「最初はメールでやり取りをしていて、ヤバいと感じるようになってからは電話で連絡を取ることもありました。でもメールでの連絡がつかなくなってきたあたりから、嫌な予感はしていましたね」

─そのときの心中、お察しします…。悪い奴らですね! ただ、連絡はつかなくても自動売買は続きますよね。その後はどうなったんですか?

「そのとおりで、運用はその後も続いていました。でも相変わらず含み損は増え続けて、ある日、残高がゼロになっていたんです」

─あ…(察し)。海外FXの強制ロスカットなので、ゼロカットですね。

「そのときは知らなかったんですが、そういうことです。証拠金がパンクしてゼロカットが発動して、残高が完全にゼロになりました」

─詐欺師としては「一丁上がり」なのかもしれないですが、それまでに利益を出金することはあったんですか?

「2回くらい、10万円ずつ引き出したことはありました」

─海外FXには出金トラブルもよくあるので、それだけは不幸中の幸いだったかもしれません。ということは、合計400万円を投じて10万円を2回引き出しただけで、残りは持っていかれてしまったわけですね…。

投資詐欺と交わした契約書
Mさんに当時の契約書を見せていただいた。「1,200,000円」という金額が非常に生々しい。契約書内に、推奨のFX会社として件の海外FX業者が明記されている。意外にもしっかりとした契約を結ぶのだなという印象。

FX投資詐欺のココを押さえておきたい

─お気の毒としか言いようがない黒歴史ですが、今になって考えてみて、なぜ騙されてしまったのかとお感じですか?

「一番仕事とお金に困っているタイミングで、冷静な判断ができなかったことですね。あと、FX口座やMT4、それを動かすVPSなどなど、どれも実在するものばかりだったことも巧妙だなと思います」

─海外FX業者であることはともかく、実在するブローカーであることは確かですもんね。しかもおなじみの某格闘家が登場しているとなると…同じ流れで被害に遭った人が他にもたくさんいそうな気がします。

「あと、EAを自分で選べる仕組みになっているんです。自分で選べるところも、どこか顧客目線というか」

─逆に詐欺師からすると、「選んだの自分なんだから自己責任」と言えるようにもなるので、ホント巧妙ですよね。

「最初の契約書に、『入金した保証金は利益が出たら引き出してください』とありました。ますます儲かりそうな気がしてきていましたね」

─これで毎月、FX自動売買の利益が入ってくると感じると思います。私も自動売買をやっていて毎月利益を引き出しているので、そういうことが可能なのは嘘じゃないですもんね。

「業者からは、『医者もやっている』『金持ちの小遣い稼ぎとしても活用されている』というようなことも言われました」

─投資詐欺の典型的なトークです。そういう人たちだけの選ばれた投資で一般には知られていないという文言も加われば、立派な詐欺トークの完成です。「放ったらかしで一生モノの収入源」みたいなことも言われませんでしたか?

「言われました(笑)。何せ初心者なので、『放ったらかし』『何もしなくてもいい』というトークに惹かれましたね」

─これをお読みになっている良い子の皆さんは、こういうトークにはくれぐれも注意してくださいね!

「これは個人的な事情ですが、うちの嫁は投資や資産運用といったことが大嫌いなんです。『もうやっていない』と言っていた裏では詐欺に遭っていたんですから、騙されたことが分かったときには怒りというより焦りのほうが強かったです」

─一番悪いのは詐欺師なのに、ご自身を責めてしまいますよね。やっぱり投資詐欺は撲滅せねば、と気持ちを新たにしました。最終的にその被害は奥さんにバレなかったんですか?

「金額が金額なので、バレてしまいました」

─修羅場ですね…。投資詐欺に遭うだけでなく、別の〝被害〟に遭ってしまわれたということですね。お察しします。それでは最後に、『外国為替』はFX初心者、投資初心者の方々もお読みになっています。一番カモにされやすい立場でもあるので、こうした方々にメッセージをいただけますか?

「投資をするのにあたって欲をかくこと自体は悪いことではないと思いますが、変な欲はかくな、と伝えたいですね。私の場合もそうですが、仕事を続けられそうにない、でも家族を養うために収入源が欲しい、という心の隙間がありました。

 相手がどんな魅力的なトークをしようとも、おいしい話はありません。今は改めて勉強し直してFXに取り組んでいますが、知れば知るほどおいしい話はないと実感します。FXであれ、どんな投資であれ、努力をした者が結果を出す世界です。何もしなくても放ったらかしで儲かると言われた時点で怪しいと思うようにしてほしいです」

─説得力満点のメッセージ、ありがとうございます。今は改めてFXに取り組まれているということで、詐欺の被害金額を取り返せる日が来ることを願っています。ありがとうございました。

投資詐欺で使われた取引画面
当時の取引画面のキャプチャも提供していただいた。たくさんの売買が繰り返されたことが、チャート上にプロットされた矢印(隠してあります)からうかがえる。また、残高がほぼゼロになっているため、最終的に強制ロスカットが発生後のキャプチャ画像と思われる。

投資詐欺の裏で何が行われているのか

 今回のインタビューで聞くことができたお話から、編集部でこの詐欺の構図を推理してみました。この詐欺の最大の当事者は、良からぬEAを売り付けた業者Aです。そしてその業者は、海外FX業者であるB社に口座を開設するように指定しました。

 MT4に対応している業者はたくさんあるのに口座開設する業者を指定してきたということは、おそらくB社からIB報酬が業者Aに還流する仕組みになっているのでしょう。

 このクソEAがB社の口座でしか動かないかどうかは、インタビューでお聞きしても分からないとのことでした。実際はそんなことはないと思いますが、初心者にEAを売り付けて口座を指定したら、ほぼ全員が言われたとおりにすることでしょう。

 つまり、この業者Aは最初の契約料と、B社からのIB報酬の両方を受け取っていたと思います。金額にして最初の120万円と、Mさんがゼロカットになるまでのトレードに応じて得られるIB報酬ですから、少なくとも150万円近くの荒稼ぎをしたのではないかと推測できます。これだけボロい金儲けだけに、FXの投資詐欺が後を絶たないのも理解できてしまいます。

 もう一点、この業者Aが売り付けたクソEAは際限なくナンピントレードをする挙動をしたそうです。「口座残高は増えているが、その一方で含み損も増えていた」という証言からも、その挙動が推測できます。

 海外FXは何百倍という天文学的なレバレッジをかけることができるので、口座残高に近い金額の含み損があっても強制ロスカットにはなりません。

 今回のインタビューでは強制ロスカット直前に口座残高が310万円くらいであるのに対して含み損も300万円くらいあったそうです。日本のレバレッジ25倍ではこんなことになるはずもなく、もっと早い段階で強制ロスカットになって300万円のうち100万円くらいの証拠金が残ったはずです。しかし海外FXなのでゼロになるまで含み損の拡大が続き、強制ロスカットになったら残高はゼロに…。

 果てしなくナンピンを入れるクソEAをわざと運用させてゼロカットになるように誘導して、海外FX業者とグルになっているとしたら…なんて邪推もできてしまいます。こうすることで詐欺業者と海外FX業者の両方がしっかり儲けを出すことができるので、もし私が詐欺師ならそんな「ビジネスモデル」を考えるかもしれません。

 さらに、今回のインタビューでは「あるタイミングから急に負け始めた」という証言もありました。これも、かなり怪しいですよね。

 最初は儲けを出して信用させるというのは詐欺の常套手段なので、それを実現した。そして、信用を得た後で「あるタイミング」から急に負け始めてロスカット一直線ということだと、そのEAがちゃんとロジックに応じてトレードしていたのかどうかすら怪しいと思ってしまいます。

投資詐欺の一例フロー
今回の詐欺被害の関係図。Mさんは業者Aから120万円でナンピン型の粗悪な自動売買システムを購入。推奨されていた無登録業者であるB社にて売買。結果として資金の280万円はゼロになってしまった。なお、B社での取引量に応じたIB報酬(pipsバック)が、業者AにB社から支払われている可能性が極めて高い。

投資詐欺の入口はだいたい同じ「顔」

 古今東西、投資詐欺の大まかな手口や入口は変わっていません。「こんなに儲かる」「こんなに楽」ということをそれぞれの時代に流行っているものを使ってアピールしまくって、そこに食いついた人にお金を出させて、最終的には大損させてドロン。

 この流れ自体は擦り倒されているので珍しくはないんですが、何となく儲かりそう、これなら大丈夫かもと思わせるための手法は常に進化を続けています。最近の投資詐欺においてFXの自動売買は、「今どきのお金儲けができるかも?」と思わせるのに都合のいい商材なんです。少し前であれば暗号資産の流行とともに暗号資産の詐欺も流行しました。

 詐欺にもトレンドがあるので、流行っているもの、注目されているもので「儲かる」と言っている変な広告やSNS投稿などは全部詐欺と思っておきましょう。

 あ、もちろん『外国為替』は詐欺に関連する広告や記事は一切掲載していませんし、詐欺師が登場することもないので、ご安心ください!

インタビュー実施日◎2025年7月22日

ABOUT ME
FX「外国為替」編集部
FX「外国為替」編集部。たくさんの投資家の人生が、FXのおかげでほんの少し豊かになる—。そんな未来を目指して2022年8月に『外国為替』を創刊。雑誌は全国の書店およびAmazonで発売しています。
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