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【ダウ理論のきほん】高値と安値の連続更新が手がかり!相場に使えるベース知識

【ダウ理論のきほん】高値と安値の連続更新が手がかり!相場に使えるベース知識

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六つの法則で構成されるダウ理論の中でも、高値と安値の切り上げ、切り下げに着目して目先のトレンドの流れを規定する考え方は、幅広いトレーダーに用いられています。雑誌『外国為替』vol.7に掲載している、Kou@ベーシストFX手法研究家&物理学者さんの手法を学ぶ前に、この記事でダウ理論の基本を押さえておきましょう。

本文◉石井僚一

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ダウ理論におけるトレンドの定義を学ぶ

 ダウ理論とは米国のジャーナリスト・証券アナリストのチャールズ・ダウ氏が19世紀後半に提唱した相場理論です。ちなみにチャールズ・ダウ氏は米国を代表する経済新聞『ウォールストリート・ジャーナル』を発行する、ダウ・ジョーンズ社の創業メンバーの一人でもあります。

 ダウ理論は六つの法則から構成されています(記事内「ダウ理論を構成する6つの法則」参照)。

 ダウ氏はトレンドについて次のように定義しています(図1)。

・上昇トレンド→現在の高値と安値が前の高値と安値を「切り上げ」
・下落トレンド→現在の高値と安値が前の高値と安値を「切り下げ」

 いわゆる切り上げ、切り下げであり、ダウ理論のトレンドの定義は現在でも広く活用されています。切り上げが続く限りは上昇トレンド、切り下げが続く限りは下落トレンドと判断します。この切り上げや切り下げによる判断が、トレードでダウ理論を活用する際の基本中の基本です。

 そして、切り上げや切り下げに崩れが発生すればトレンド終了とみなします。さらに一歩進んで、切り上げから切り下げに変化した場合や、切り下げから切り上げに変化した場合は、「トレンドに明確な転換シグナルが出た」として、トレンドの転換と判断されます。

特に短い時間足ではダマシ発生に注意する

 相場に絶対がないのと同様に、相場理論にも絶対はありません。ダウ理論は19世紀後半から現在まで活用されている卓越した相場理論ですが、それでも絶対的な理論ではありません。ダウ理論では高値と安値の切り上げと切り下げが、トレンド把握の理論支柱となります。

 しかし上昇トレンドの中で安値が切り下がる、下降トレンドの中で高値が切り上がるというダマシも発生します。上昇トレンド時にポジションを持って、安値の少し下に損切りを置いた場合、安値更新で損切りされたあとに上昇し、高値が更新され悔しい思いをした人は少なくないでしょう。これがダマシです(図2)。

 ダマシはどのような時間足でも発生しますが、特に短い時間足では多く発生します。ダウ理論が提唱された19世紀後半には、既にチャートは存在しましたが、せいぜい日足までです。よって、ダウ氏は時間足や分足の存在は想定していません。「株価(価格)は全ての事象を織り込む」ため、短い時間足でもダウ理論におけるトレンドが発生することは当然あります。ただし、ダウ氏は時間足以下の短い足の存在を想定しておらず、ダウ理論は短い時間足になるとダマシが頻発する、という点は理解した上で活用する必要があります。

ダウ理論を構成する6つの法則

ダウ理論を構成する6つの法則

①株価(価格)は全ての事象を織り込む

価格にはファンダメンタルズ情報や自然災害など全ての情報が織り込まれている、という考え方。過去の値動きを示すチャート分析が将来の値動きの予想につながる、というチャート分析の理論的根拠となる。

②トレンドには3種類ある

トレンドには、1年から数年間続く「長期トレンド」、3週間から3か月間継続する「中期トレンド」、3週間未満の「短期トレンド」の3つがあるとする考え方。

③トレンドは3段階ある

トレンドには「先行期」(底値買い、天井売りがなされ価格に緩やかな値動きが発生)、「追随期」(先行期の値動きに市場全体が追随)、「利食い期」(先行期にエントリーした投資家が利益確定を行いトレンドが終わりに向かう)の3つの段階があるという考え方。

④平均は相互に確認される必要がある

トレンド判断には相関する複数の銘柄の値動きを確認する必要がある、という考え方。株式の場合は類似業種の銘柄となる。FXの場合は豪ドル(AUD)とNZドル(NZD)、原油価格とカナダドル(CAD)などの、値動きが相関する通貨や商品となる。

⑤トレンドは出来高でも確認される必要がある

トレンドの強さは出来高によっても確認できるという考え方。出来高増加が伴わないトレンドは弱いと考える(FXは市場全体の出来高の把握は困難であり注意が必要)。

⑥トレンドは明確な転換シグナルが出るまで続く

明確なトレンド転換サインの発生まではトレンドが継続するという考え方。なお、ダウ平均におけるトレンドの把握方法は図1を参照。

ダウ理論まとめ|100年前からユーザーが多い普遍性が高い相場理論だが、ダマシには注意

 ダウ理論は19世紀後半に提唱された相場分析理論です。100年以上前の相場理論にもかかわらず、現在も多くの投資家が活用して相場の分析を行っており、それだけ普遍性の高い理論といえるでしょう。高値と安値の「切り上げ」と「切り下げ」というトレンド把握方法は非常に分かりやすく、また「切り上げ」や「切り下げ」のトレンドが続くチャートは美しいともいえます。

 ダマシが発生したチャートは、「切り上げ」や「切り下げ」が崩れ不格好です。「切り上げ」や「切り下げ」が続く美しいチャートの出現を待つことで、ダマシに遭うことなくダウ理論を活用してトレンド方向へのトレードができるのではないでしょうか。

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FX「外国為替」編集部
FX「外国為替」編集部。たくさんの投資家の人生が、FXのおかげでほんの少し豊かになる—。そんな未来を目指して2022年8月に『外国為替』を創刊。雑誌は全国の書店およびAmazonで発売しています。
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