トレンドを追いかけて利益を追求するのは、FXトレードにおける王道の稼ぎ方です。だからこそ、基本となる「型」をしっかりマスターすることで、実践的なトレードにつながっていきます。3種類の基本パターンに加えて、トレンドフォローの3原則も知っておきましょう。
本文◉外国為替編集部
トレンドフォローの3原則
① 相場には、上昇トレンド・下降トレンド・もみ合いの3種類しか存在しない
② トレンド相場より、レンジ相場(もみ合い)の時間の方が長い
③ トレンドフォローには、押し目買い(戻り売り)とブレイクアウトの2種類しか存在しない
【1】トレンドの発生を確認後、有利な価格で売買する「押し目買い・戻り売り」
上昇トレンド発生中なら一時的な下落、下降トレンド発生中なら一時的な上昇のタイミングでポジションを持つことで、「安いときに買い、高いときに売る」という投資の大原則とトレンドフォローを同時に実現させるのが、押し目買い・戻り売りです。
押し目買い・戻り売りのメリットとデメリット
例えば上昇時ならできるだけ安い価格で買うため、利益になる幅が大きく、損失になる幅が狭いです。ただし、トレンドがひっくり返っていた場合、そのまま損失になることも。
トレンドラインで押し戻りを視覚化
上昇トレンド時なら安値、下降トレンド時なら高値を結んだ斜めの線はトレンドラインと呼ばれます。トレンドの流れを視覚化するとともに、押し目買いや戻り売りのタイミングを計る目安にもなります。そしてラインをブレイクすることで、トレンド転換の可能性も分かります。
【2】発生と同時にトレンドを追いかける「ブレイクアウト」を使いこなすには?
意識されている高値、安値を突破したらトレンドの発生や継続と判断して、その方向にエントリーするのがブレイクアウトです。ダマシになりやすい難しさはあるものの、トレンドの初動を捉えられるメリットがあります。
ブレイクアウトのメリットとデメリット
タイミングが分かりやすく、注文を置けるメリットがあります。ただし、ダマシになってそのまま逆行した場合、頂点買い、大底売りになる可能性もあります。また、注文が集中する価格帯を狙うため、スリッページやスプレッド拡大が発生しやすい点にも注意が必要です。
エントリーを自動化できる逆指値注文
FXの注文を大きく分けると、なるべく早く約定させる成行注文と、価格を指定する指値・逆指値注文があります。
指値と逆指値の違いは、「基準となる価格に対して、投資家にとって都合が良いものが指値、都合が悪いものが逆指値」と考えます。より安く買い、高く売るのが指値、より高く買い、より安く売るのが逆指値です。
例えばブレイクアウトの買いエントリーは、今より高く買わなければいけないため、逆指値注文を使うことになります。
【3】長短2種以上の時間軸で相場を多層的に見る「マルチタイムフレーム(MTF)分析」
多くの成功している裁量トレーダーは、長短複数の時間足を組み合わせて相場の分析やエントリーを行っています。上位足のトレンドに下位足が飲み込まれるのが相場の原則なので、上位足で大局的な流れや注意すべき価格を把握し、下位足で局所的な売買タイミングを把握することが基本です。
押し戻りとブレイクアウトの融合がMTF分析の神髄
これまで見てきた通り、押し目買い・戻り売りとブレイクアウトは一長一短で、それぞれにメリットとデメリットがあります。マルチタイムフレーム分析では、両者を組み合わせることが可能。上の図は、上位足で押し目買い、下位足でブレイクアウトを実行するイメージ例です。
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
定価:980円(本体891円)