9月17日(水)27:00(日本時間)に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と市場の反応、その後の展開についてまとめました。
FRBは8会合ぶりの利下げに踏み切る
米連邦準備理事会(FRB)は9月17日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き下げることを決定しました。今回の利下げは9か月ぶりで、誘導目標であるフェデラルファンド(FF)金利は4.0〜4.25%のレンジとなります。
背景にあるのは雇用環境の変化です。これまで米国経済をけん引してきた企業の採用ペースが鈍り、失業率上昇への懸念が強まっています。インフレ率は依然としてFRBの目標を上回っていますが、景気の減速リスクを重視し、金融引き締めを緩める方向へ舵を切った格好です。パウエル議長は記者会見で「今回の利下げはリスクを管理するためのもの」と述べ、景気後退を防ぐための予防的な措置であることを強調しました。
意見が割れたFOMCメンバー
今回の決定をめぐっては内部でも意見が割れました。特に注目を集めたのは、トランプ前大統領が送り込んだミラン新理事です。彼はやはり0.5%の大幅利下げを主張し、今回の0.25%利下げに反対票を投じました。参加メンバー19人のうち9人は「年内は利下げ不要」との立場をとっており、追加利下げの是非をめぐって委員会内の温度差が鮮明になっています。もっとも、政策金利の見通し(中央値)では年内残り2回の会合で、計2回の追加利下げが示唆されており、市場は利下げペース加速の可能性を織り込み始めています。
為替市場の反応
発表直後、ドル円相場は一時146円を割り込みましたが、その後のパウエル議長の会見を受けて買い戻され、146.85円付近まで急反発しました。もっとも147円台には届かず、上値の重さも意識されています。米金利低下を背景にしたドル売り圧力と、景気悪化懸念による安全資産としてのドル買い需要が交錯し、相場の方向感が掴みにくい展開となっています。

株式市場との温度差
一方、株式市場ではNYダウが46,260ドルまで上昇し、高値圏で推移しました。S&P500やナスダックも上昇基調を維持しましたが、日経平均先物はややマイナスに転じる場面もあり、株式市場と為替市場との間で整合性が見えにくい状況です。投資家心理が「利下げは株にプラス」とする一方で、「景気減速は日本市場にマイナス」と捉えられている可能性もあります。
週末は日銀金融政策決定会合もあります。据え置き濃厚とされてますが果たして動けない日本はいつまで続くのか!? それとも重い腰を動かしてくるのでしょうか ?? いずれにしても結果に注目です!
※9月アノマリー記事も参考にしてください。