FXで3年後に資産を10倍にする…十分に現実的な目標だと思いますが、そのためには資金を守り、増やしていくための資金管理戦略が必須。
どうしても増やし方に目が行きがちですが、それ以上にマネーマネジメントと防衛術の方が重要度は高いのです。ここでは4項目に渡って、資金管理の要となる考え方を解説します。
1▶︎資金管理は損切りだけじゃない
資金管理=損切りと考えるかもしれませんが、それは狭義の資金管理です。広義では、マネーマネジメント全体を指します。負けを抑えるだけでなく、リスクを制限しながらできるだけ有利な価格で買い、不利な価格での取引を避け、効率的に資金を増やすための戦略全体を資金管理と呼ぶべきです。上昇トレンドだから上がると分かっていても、どの価格で何ロット買い、どの価格で決済するかで結果はまるで違ってきます。資金管理=トレードといっても、過言ではありません。
広義の資金管理
□いくらでエントリーするか
□何ロットでエントリーするか
□いくらで利益確定するか
□いくらで損切りするか
□分散エントリー、分散決済のルール
□全資産の何割を投資に回すか
□複利運用のルール
2▶︎ほとんどの問題はロット下げで解決
発展途上のトレーダーが陥りがちなよくある問題のほとんどは、ロットを下げることで解決します。嘘ではありません。ぜひやってみてください。含み益や含み損があっても心がザワザワしない程度のロットなら、まず損切りが苦じゃないです。また負けて悔しがったり、取り返そうとしたりという気も起きないはずです。毎回の勝ち負けが気になるのは、自分の資金や経験に対してロットが大きすぎることを表しています。あとで上げても構いませんので、まず一度ロットを下げてみてください。
ロットを下げれば全部解決する!
□エントリーのルールが守れない
□損切りができない
□チキン利食いをしてしまう
□負けたらムキになる
□負けたら落ち込む
□FXが気になって仕事にならない
□ポジションが気になって夜寝られない
3▶︎ロットは想定される損失から逆算する
分析や売買のタイミングと同じかそれ以上に、何ロットでトレードをするかは重要です。ですが、ロット数の決定方法がいつも曖昧な方もいるはず。そこで1つの考え方として、先に全資金に対する最大ドローダウンの割合を決めることで、想定される損切りの値幅から適正なロットが決まります。その際、頭の中でパッと計算するのに便利なのが、「1万通貨取引なら1pipsは100円」という公式。円が絡んだ通貨ペアなら、ここから想定損失額、そして適正なロットを計算できます。
4▶︎種銭を守り、増やすことを常に意識!
守る | 増やす |
・大きな損切りを回避する ・ロット上げは慎重に ・利益の出金も大切 ・迷ったら見送る勇気 | ・利益を再投資 ・本業、副業を頑張る ・得意な相場は積極的に ・とにかく大負けしない |
今回の特集テーマは、「3年で資金10倍」です。資金の増え方はトレード手法次第ですが、資金の大半を失うような負け方をしてしまうと、確実に目標達成は遠ざかります。種銭が大きく減らないよう、しっかり守りながら運用するのは最重要ポイントです。その上で、効率的に資産を増やす考え方も身につけてください。資金が増えるほど運用益も増えるため、本業や副業で得たお金を投資口座に注入するのは、非常に効果的です。また、利益の再投資による複利サイクルがはたらかなければ、大きく増やすことは難しいです。
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
定価:980円(本体891円)