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Iolite(アイオライト)編集長コラム[八木紀彰]

好調な暗号資産だが相場の裏には不穏も潜んでいる|Iolite(アイオライト)編集長コラム[八木紀彰]

ゴールデンウェイ・ジャパン
Iolite(アイオライト)外国為替の兄弟誌。
Iolite(アイオライト)
外国為替の兄弟誌。Web3.0を中核として、幅広くデジタル社会の情報を伝える。好評発売中の2025年5月号では、今年注目のWeb3.0領域のトッププレイヤー30名に、2025年の展望を予測してもらう大特集『Dawnbreak Players30』をお届け。
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金融市場を揺るがした米国関税貿易戦争

 米国の関税に関するニュースにより、既存の金融市場と暗号資産市場の両方が大きく揺さぶられ株価は乱高下。NYダウは10%以上の乱高下をみせたが、なんとか持ち堪えた。そして暗号資産市場は7月、米国において「CLARITY法案」「GENIUS法案」「反CBDC監視国家法案」の3法案が可決されたことを主な要因として、史上最高値12万3000ドル超をつけた。

 CLARITY法案は、SEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)の規制権限を明確化するもので、多くの暗号資産の法的地位を整理する意義がある。長年グレーゾーンだった証券・商品の線引きに一応の区切りがつくことで、米国市場での取扱いや流動性にも好影響が見込まれている状況だ。

「7万8000ドルを起点にトレンド転換も考えられるが、ビットコインが大幅に上げる要素も今のところ見当たらない」とした一抹の懸念を他所目に、あっさりと最高値は更新された。10万ドルを割れ7万5000ドル付近までの下落で、昨年11月頃に形成されたCMEの窓埋めは完了して、綺麗にトレンド転換をしたと振り返れる(図)。

図 ビットコイン/米ドル日足チャート 出典:Coin Market Cap

止まらぬ企業や組織の暗号資産投資

 2025年5月29日、ラスベガスで開催された大型カンファレンス「Bitcoin 2025」において、フットボールクラブのパリ・サンジェルマン(以下、PSG)が発表した「ビットコイン準備金採用」は、マーケティング施策を超え、スポーツ界と金融界をまたぐ戦略として話題となった。

 同クラブのファンの約80%が34歳以下という統計があり、ファンベースが変わっていた。若年層の間で暗号資産や分散型金融(DeFi)に対する関心が急速に高まる中、クラブはファンとの関係構築における軸足を移す試みとして、ビットコイン準備金の採用に踏み切った。その象徴となるPSG Labsは、ビットコイン関連のスタートアップや開発プロジェクトへの投資支援を行うものだ。クラブ自らがビットコインエコシステムの参加者となることを明確に打ち出している。つまりPSGは、単なる金融資産の保有にとどまらず、ビットコイン経済圏の構築に積極的に貢献しようとしているのだ。

暗号資産への投資は諸刃の剣か

 一方で、ナスダック上場の米Eコマース企業Upexi(UPXI)の株価が、2025年6月24日の米市場寄り付きで約60%急落した。同社が暗号資産ソラナ(SOL)蓄積のために4月に発行した新株と同規模となる約4380万株の売却登録が行われたことが主な要因だ。

 今年4月に同社は1億ドルの資金調達を発表し、その大部分をソラナの蓄積にあてる計画を打ち出した。このニュースで株価は一時700%以上も急騰。しかし今回、投資家グループが保有株の売却に向けた登録をSECに申請し、一気に株式が市場へ放出される可能性が浮上して、需給バランス悪化の懸念が広がったのだ。今回の急落劇は、小規模企業が暗号資産関連の戦略に乗り出す際に潜む希薄化リスクを如実に示したといえる。

 暗号資産を大量に保有する上場企業すべてが同様の供給ショックに見舞われているわけではないが、ビットコインを財務資産とする企業も、別種のリスクから無縁ではない。ビットコイン相場が急落すれば、そのような企業の資産価値が棄損され、株価も連動して下落する傾向があるだろう。基盤資産を担うビットコインの価格が崩れると投資家心理が冷え込み、株式にも連鎖的に売り圧力がかかりやすい。暗号資産そのもののボラティリティという価格変動リスクに常に晒されているのが、暗号資産の保有を進める企業なのである。

次の暴落はさらに拡大か?Xデーの到来に警戒せよ

 株式市場を賑わすメタプラネットは日本の企業で、主にビットコインへの投資とホテル運営を行っている。同社は年初から6月末時点での株価上昇率370%と強烈な数字を叩き出した。その売上は主に3つの事業から得られている。1つ目はビットコイン購入による評価益。2つ目がホテル事業による売上。そして3つ目がプットオプションの売却だ。

 プットオプションとは、特定の価格(行使価格)で、原資産を売却する権利を他者に提供する金融契約を指す。売却者はオプションを売ることでプレミアム(手数料)を受け取る。もちろん、オプションが行使された場合、原資産を行使価格で渡さなければならないリスクはあるが、行使されなかった場合、受け取ったプレミアムは利益となる。そしてこの利益もビットコインの購入に充てられているようだ。

 彼らがとるビットコイン戦略は長期的な価格上昇を見越したものだろうが、次に起こるであろうCrypto Winterでどのように舵を切るのだろうか。あくまで個人的な見解では、次の暴落は暗号資産市場だけではなく、暗号資産をポートフォリオに組み入れた企業も巻き込む形で既存金融市場へと波及しかねない。このXデーに備えて、偏ったポジションを定期的に見直す必要があると考えている。

(『外国為替』vol.16より)

ABOUT ME
八木紀彰
大学在学中に飲食業務に従事。その経験から、飲食店のコンサルティング事業及び、アミューズメント領域への人材派遣事業を立ち上げ、代表に就任。同時に自身のブランドを確立させる目的からSNS運用を始める。SNSの運用では、合計フォロワー数1万人を達成後に認知度の拡大を受け、自身のアパレルブランドを立ち上げる。2021年9月に株式会社J-CAMに入社。YouTubeやTwitter運用に従事した後、2022年4月より編集長に就任。2023年3月に『Iolite(アイオライト)』を創刊。
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