表示情報をカスタマイズする
トレーダーの数だけトレードスタイルがあります。1分足を見てスキャルピングをする方もいれば、月足を見て数年ホールドし続ける方もいるでしょう。トレードスタイルによってチャートに表示させたい情報は変わります。また、バックテスト等で過去のチャートを見るときと、実トレードで最新のチャートを見るときも、表示させたい情報は変わります。
TradingViewのチャートはさまざまな情報の表示を切り替えることができるため、状況に合わせてチャートをカスタマイズすることが可能です。
今回はスケールとライン(黄緑色枠内)の表示を自分のトレードスタイルに合わせて魔改造しましょう。まず、画面右上にあるアイコンをクリックし、チャート設定画面を表示します。
尾崎彰彦(おざきあきひこ)氏プロフィール
PineScriptプログラマー。2019年にスタートしたblog「超入門 TradingView PineScript」が2021年にパンローリングより書籍化。X(旧Twitter)ではTradingViewの便利技、個別株・J-REIT・債券等投資に関することから夕食のレシピまで、さまざまな役立つ情報を発信中。
【著書】PineScriptだからできる自由自在の「高機能」チャート分析 ― 一歩先行く「トレーディングビュー」の活用法(パンローリング)
チャート設定画面
チャート設定画面左側、「スケールとライン」をクリックし、設定画面を表示します。
通貨と単位
「マウスの移動時に表示」にすると、スケールにカーソルを移動させたとき、スケール上部に通貨選択のコンボボックスが表示されます。コンボボックスをクリックすると通貨選択画面が表示され、スケールの単位が選択した通貨に変更されます。
スケールモード(AとL)
「マウスの移動時に表示」にすると、スケールにカーソルを移動させたとき、スケール下部にAとLのボタンが表示されます。AをONにすると、スケールのレンジが自動となり、表示しているチャートの高値・安値から縦軸の範囲が自動的に設定されます。LをONにするとスケールが対数になります。
価格とバーの比率をロック
スケールのレンジを数値で指定します。スケールのレンジが自動になっている場合、チェックをつけると解除されます。チャートの表示期間を変更して、最高値・最安値が変わっても設定したスケールが維持されます。
スケールの配置
スケールをチャートの右側もしくは左側どちらに表示するかを選べます。スケールを左右同時に表示させることはできません。
ラベルを重ねない
複数のラベルが近い位置にあるときに、ラベルを重ねないように表示します。ラインの位置は変わりません。ラベルが重なると見にくいのでチェックをつけておくことをおすすめします。
プラスボタン
ボタンを押した価格でアラートや水平線を引いたり、ブローカーと接続している場合は注文を行えます。アラートを追加するときや水平線を引くときや、プラスボタンを使って注文をするとき以外は非表示にすることをおすすめします。
バークローズまでのカウントダウン
チェックを入れると最新足が終了するまでの時間(29:49)が表示されます。最新足があと29分49秒で終了することを意味しています。日足より短い足では便利ですが、月足や年足では終了までの時間が長すぎるため、非表示のほうが見やすくなります。
シンボル
最新足の終値の位置に名前、値、ラインをそれぞれ表示するかコンボボックスから選択します。名前はティッカー(USDJPY)が軸の内側に表示されます。値は一行下のコンボボックスから「スケールに応じた値」を選ぶと終値(147.276)が、「価格とパーセント値」を選ぶと終値に加え、表示している最も古い(一番左側の)足の始値からの上昇・下落割合(+0.06%)が表示されます。ラインを選択すると水平線が引かれます。
前日終値
前日終値の位置に、値・ラインを表示するか選択します。値は前日終値(146.817)が表示されます。ラインを選択すると水平線が引かれます。前日終値は日足より短い足のみで表示されます。
これらは最新足や最新足の前日についてラベルやラインを表示するため、バックテスト時には非表示にすることをおすすめします。
インジケーターと財務指標
表示しているインジケーター(移動平均線など)や財務指標等の最新足の数値に名前、値をそれぞれ表示するか、コンボボックスから選択します。ラインは表示できません。上図は短期・中期・長期の移動平均線を表示するインジケーター名をチャートに追加した状態です。線ごとの名前と最新足での値が表示されます。
高値・安値
表示しているチャート範囲内の最高値(161.951)・最安値(75.565)の位置に、値・ラインを表示するか、コンボボックスから選択します。
Bid/Ask
BidとAskの位置に、値・ラインを表示するか選択します。最新足についてラベルやラインを表示するため、バックテスト時には非表示にすることをおすすめします。
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