巻頭インタビューから飛び出し、このたび連載させていただくことになりました、陽和ななみです! 直近のトレードについて赤裸々に綴っていきますので、これからどうぞよろしくお願いいたします。
さて最近の為替相場ですが、取り巻く環境が大きく変化し、1か月間でドル円が約20円も円高になるなど、非常にボラティリティが高い状態が続いていますね。トレーダーとしては上でも下でも値動きがあれば利益を生み出すことができるわけですから、ありがたい相場つきでした。
あらためて私のトレードスタイルをお話ししますと、メインでは日足を中心としたスイングからやや長期のトレード、最近はそこにサブとして15分足での長めのデイトレ(週をまたがない程度のスイング)を組み合わせるときもあるというものです。
大きなトレンドをガッチリ掴む
連載初回なので、昨年末からの相場を振り返っていきたいと思います(図①参照)。2023年11月ごろから、ドル円はそれまでの円安が天井を打ち、円高へと方向転換を始めました。そこで11月21日には、148.271円で売りポジションを作り、売り増しをしながら年末年始へと突入。すると2024年が始まった瞬間から踵を返し、スルスルと円安に転換。そのため1月4日には145.324円で全てのポジションをいったん閉じ、294pipsの利益確定となりました。
トレードの指針にはパラーメーターの違う3本の移動平均線を使っています。基本的には上から短期(5)・中期(20)・長期(40)の並び順になれば買い、下から短期・中期・長期の並び順になれば売るというシンプルなものですが、相場状況や各線の角度に応じてそのタイミングは微調整を行います。
私は大きなトレンドを丸々取るのが好きなので、含み益が出ているときにはとことん伸ばす、「損小利大」のトレードを意識します。ただ今回のように小さなトレンドで終わることもしばしば。ですがそんなことは気にしません! 大きなトレンドを強い握力でしっかりと掴めていれば、利益が少ないトレンドも、もっと言えば損切りがある程度連続したとしても、トータルではプラスに持っていくことができます。続いて1月15日、チャートに「買い」と示しているポイントで買いに転じています(エントリー価格:145.554円)。
その後、旗マークをつけた押し目では一度利益確定し、売りに転じ損切り。また買い直すという一連の動きを経て、7月12日に利益確定。損切り分と相殺させて、921.7pipsの利益となりました(図②参照)。
ファンダメンタルズ分析とチャート分析の一致を狙う
そして注目すべきは5月。このときには買いポジション継続中ではありましたが、かなり警戒しながらポジションを持っていました。その理由はこちらのチャートをご覧ください(図③)。
それまで日本とアメリカの金利差とドル円の動きは連動してきました。それが5月から一変。日米の金利差は右肩下がり、つまり金利差が詰まっているにもかかわらず、ドル円は円安基調を続けていました。こういった、ファンダメンタルズとチャートの動きが食い違うときには、普段よりもチャートチェックの回数を増やし、ロスカットラインの調整も気をつけながらポジションをとります。そうして、正しい動き、ここから金利差の詰まりに合わせて円高に転換する瞬間が訪れるのかを慎重に見ていきます。
その瞬間は7月11日にやってきました。アメリカのCPIの発表とともに日銀が為替介入を行うというファンダメンタルズの変化もあり、一気に円高へと転換していきます。ついにファンダメンタルズ分析とチャート分析が同じ方向を向きました! こういったときには思考の転換をとにかく早く。買いポジションは全て利益確定し、一気に売りに転じる、つまりドテン売りをしています(図④)。
執筆時点(9月20日)ではこのポジションは持ち続けております。このトレードの結果がどうなるのか、そして8月にかけては15分足でのデイトレードやスイングトレードも行っていましたので、また次号詳しく書いていけたら良いなと思っております。
なんといってもアメリカは利下げを、日本は利上げを行うという真逆の金融政策になっているわけですから、そこから生じるトレードチャンスは逃さないようにしていきたいものです。最後までお読みいただきありがとうございました。
FX雑誌「外国為替」vol.14
発売:2024年12月23日(月)
定価:980円(本体891円)