テクニカルトレーダーhana氏プロフィール
CFD、FXが主戦場の専業トレーダー兼Fincsアドバイザー。hana塾で累計2000人以上の【自分の頭で考える】トレーダーを育成。鋭いテクニカル分析・分かりやすい指導に定評がある。日々、完全初心者でも根拠のあるトレードができるような情報を発信中。
早くも連載5回目の記事ですね。暑い夏の時期、体調を崩しやすいので、皆さんもトレーダーとして体調をしっかり管理しながら相場を乗り切っていきましょう!
前回はトレード手順(前準備+エントリー+決済)について解説しました。今回は私のトレードの真骨頂とも言える「ローソク足とプライスアクション」の考え方について分かりやすく解説していきます。
変化する環境に応じて素早く判断した者が生き残る
皆さんが普段のトレードで意識していることは何ですか? どのようなトレードスタイルでしょうか? 例えば、ボリンジャーバンドや移動平均線、オシレーターなどを使ったトレンドフォローでしょうか?
相場の転換点ではトレンドフォローだと中々勝てない時期があると思いますが、その場合どのようにトレードしているでしょうか?
一般的に使われることの多い移動平均線などは、過去の値動きを平均化してチャートに映し出してくれるものであり、どうしても反応が遅れます。
一方で今回ご紹介する「ローソク足とプライスアクション」は「今現在のチャートの値動き」をリアルタイムで分析することを可能にします。市場の動きや投資家の心理を素早く読み取り、タイムリーに相場の「転換点」を判断していきましょう。
ワンポイントアドバイス
トレードにおいて後手に回ることは、利益額を減らし、損失額を増やす原因です。トレンドの「継続」時は順張りの意識でトレンドフォローしつつ、値動きを見ながらトレンドの「転換」をいち早く察知しましょう。いち早く相場の「転換」を察知して判断していく癖をつけるために、「ローソク足とプライスアクション」について学んでいきます。
まずはローソク足をマスターしよう
はじめに、プライスアクションの構成要素である「ローソク足」について解説をしていきます。ローソク足は、1日の取引時間中の値動き(始値、終値、高値、安値)を1本のローソクの形で視覚的に表現したものです。この形式は、投資家が価格の動向を理解しやすくするために利用されています。
私が特に注目しているのは「ヒゲの長さとローソク足の実体の長さ」です。特に、ヒゲに関しては、それが取引のサインとして直接影響します。上ヒゲが長い場合は売り圧力が強く、価格が下落しやすくなります。逆に、下ヒゲが長ければ買い圧力が強く、価格が上昇しやすくなります。
私はローソク足こそが、裁量トレーダーが一番重要視すべきテクニカル指標だと思っています。他のテクニカル指標と併用しながらも、図2で示したような長期足での上昇トレンドを形成しているチャートで下ヒゲを確認したら反射的にロングするくらい、「ヒゲ」を重要視してトレードに活用しています。反応が早ければその分だけ逆指値を浅く置くことができます。判断の早さが利益に大きく貢献してくれます。
たった一本のローソク足でさえ、このような明確なサインを提供してくれますが、複数のローソク足の並びを把握しながらトレード判断に活かしていくのが「プライスアクション」です。
プライスアクションで相場を予測
「プライスアクション」は、価格の動きを直接分析して市場の心理を読み取り、相場の動向を予測する投資手法です。ローソク足の値動き(並び)から投資家の感情や市場の状況を把握し、未来を予測していきます。
例えば、図3のように今まで4連続陽線の上昇の波を形成している状況において、長大陰線(前のローソク足を包み込み下落するローソク足の実体が長い陰線)が出たとします。これは、相場の「転換」を示唆するサインとして知られています。
この長大陰線が出たタイミングでロングを手仕舞い、下目線に切り替える必要があります(※正確には私であれば長大陰線が出そうなタイミングを見計らって上ヒゲを確認した段階でショートします。早く判断することで有利なポジションを作ることができます)。
大衆(相場参加者)が上昇すると思っていたところに、上昇の波を否定するようなプライスアクションが発生したことで下落の波に転じたわけです。(続きは『外国為替』公式サイトでご覧ください!)
FX雑誌「外国為替」vol.13
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