2023年6月28日時点でのドル円レートは再び144円台を突破。「円安」は加速しており世界中が注目する状況となっています。
そんな状況の中7月相場へ突入するわけですが、今回は「アノマリーシリーズ」7月の解説をしていきましょう!
7月は「円安・ドル高の月」
なんといっても有名なのが「円安アノマリー」です!
7月は「円安・ドル高の月」とされ、リーマンショック以前まではその確率は驚異の「78%強」となっており、1年間で最も強力なアノマリーだったとされています。
リーマンショック後もバカにはできない数値で、過去23年間では「60%強」としっかり高い確率となっています。今年も本当に「円安・ドル高」が強まるのか!? 注目しておきましょう!
その背景にある「株式市場のアノマリー」を知っておくことも重要です。
6月決算の企業やETF(上場投資信託)の決算があり、6月後半から7月上旬にかけて好需給の傾向が強くなります。
そして7月下旬からは「七夕天井天神底」と言われる有名なアノマリーがあります。
七夕頃に天井をつけ、大阪天神祭りの頃に底をつけやすいとされ、いわゆる「夏枯れ相場」に入っていきます!
米国市場では、日本の「夏枯れ相場」とは逆の意味する「サマーラリー」が有名です。
米国は7月インデペンデンスデーから9月レイバーデーまで長期間のサマーバケーションに入ります。その前までは株価が上がりやすい傾向にあるとされています。
株価指数の影響でどこまで為替が連動するかは、毎年未知数ですがアノマリー通りに動いていることが多いので参考にしてください!
過去10年間の7月ドル円データ
ドル円は1月変動幅「750pips」以上、2月変動幅「800pips」以上、3月も「800pips」以上と非常にボラティリティが高く、4月だけは少し落ち着いたものの5月では再び「700pips」以上、6月も結果は「600pips」程度とボラ高な結果になりました。
7月もまだまだ「500pips」以上は想定しておかないと危険ですね。
過去10年間の7月ユーロドルデータ
ユーロドルは直近10年間の平均値をやや上回る・下回る状況で推移しています。トレーダーに取っては一番やりやすいボラも続いているような感じです!
7月の注目ポイント
まだまだインフレ指標=各国の政策金利は目が離せません。7月も主要国の政策金利&声明発表が多いのでお忘れなく!
7月4日(火)13:30~
「RBA(豪州中央銀行)政策金利」
7月12日(水)11:00~
「RBNZ(ニュージーランド中央銀行)政策金利」
7月12日(水)23:00~
「BOC(カナダ中央銀行)政策金利」
7月20日(木)20:00~
「TCMB(トルコ中央銀行)政策金利」
時間未定~
「SARB(南アフリカ政策金利」
7月26日(水)27:00~
「FRB/FOMC米国政策金利」
7月27日(木)21:15~
「ECB(欧州中央銀行)政策金利」
7月28日(金)時間未定~
「BOJ (日本中央銀行)政策金利」
その他にも米国をはじめ世界各国の「消費者物価指数CPI」なども、引き続き注目されるでしょう。
※使用上のご注意
毎月できるだけ「アノマリーシリーズ」は解説していきたいと思っています。
あながちバカにできないとされるアノマリーは「儲ける」というよりも「危険意識」のほうを重点に置いてもらい、ご自身の大切な資産を守るために参考にしていただきたいです。
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