2023年も残りわずかとなりました。今年最後のアノマリーシリーズ「12月アノマリー」について、さっそく解説していきましょう。
大荒れの月
12月は「大荒れの月」と言われています。1年の中でも最も荒れる月は3月だというのが定説ですが、それに負けないくらい荒れるとされているのが12月です!
ボラティリティだけではなく、方向感の無い乱高下が強い傾向にあるという点が特徴と言われており、非常にリスクが高まるとされています!
12月上旬は活発に動く傾向があり、中旬以降になって急激なボラティリティ低下となりやすいことが要因です。その理由としては、年内最後となる【メジャーSQ】によるもので、この【メジャーSQ】を通過後に国内外の機関投資家からどんどんクリスマス休暇に入るからだと言われています。
※2023年最後の【メジャーSQ】は日本8日(金)・米国15日(金)
サンタクロースラリー
クリスマスラリーとも呼ばれる「米国株式市場」の強めのアノマリーです。
20日以降から1月新年にかけて株価は上昇傾向が強まるとされています!
12月に入ると節税対策などで処分売りが出やすいのですが、20日以降にはどんどん減少していき、新たなる買戻しが入ることが主な理由と言われています。
続いて日本のアノマリーを紹介しましょう。
掉尾の一振(とうびのいっしん)
日本の株式市場における年末最終売買である「大納会」に向けて株価が上昇しやすいという、非常に有名なアノマリー。聞いたことがある方も多いのではないでしょうか!?
決算期や月末権利落ち日・権利落ち翌日の大引けにかけ企業や投資信託、はたまた年金基金GPIFによる買い注文【ドレッシング買い(お化粧買い)】が要因ではないかと言われています。
12月ドル円、ユーロドルの直近10年間データ
では恒例の直近10年間によるドル円とユーロドルのボラティリティデータを見てみましょう!
ドル円の直近10年間データでは12月は平均395.88pips変動しています。
ユーロドルの直近10年間データでは、12月は平均355.37pips変動しています。
ドル円もユーロドルもデータ上、やはり平均値も各月と比べてもやや低い傾向にありますね。
年末は大きく動く日はもちろんあるかもしれませんが、全体的には後半にかけてどんどんボラ低下による薄商いが観測されやすいので本当に注意しましょう!
先月11月と同様にオセアニア通貨であるNZドル米ドル、豪ドル米ドルのアノマリーデータも気になるところです! 11月に続いて12月も連続の上昇となるかですね!
※アノマリー使用上のご注意
毎月できるだけ「アノマリーシリーズ」は解説していきたいと思っています。
あながちバカにできないとされるアノマリーは「儲ける」というよりも「危険意識」のほうを重点に置いてもらい、ご自身の大切な資産を守るために参考にしていただきたいです。
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