まずは先週の振り返りです。
日本GW明けとなる週は多くの重要な経済指標の発表がありました。
■5月7日(火)13:30~「RBA豪州中銀政策金利」発表
RBAはコンセンサス通り今回も金利を据え置きとしましたが、ブロックRBA総裁の会見では…、
「理事会では金利をさらに引き上げる選択肢について議論した」
「必ずしも再び引き締める必要があるとは思わないが、それを排除することはできない」
「現時点での正しいスタンスは現状に留まり、景気を見定めること」
として、利上げの可能性もしっかり残した感じでした。
豪ドル買いがジワジワと強まる可能性がファンダメンタルズでは高まりました。
■5月9日(木)20:00~「BOE英国中銀政策金」発表
こちらもコンセンサス通り金利据え置きとしましたが、政策委員9名中2名が利下げを主張したとしました。次の会合からは利下げになる可能性がジワジワと高まった感じです。
そもそも英国は一番最初にサプライズ利上げした国ですので、もちろんデータ次第というところでしょうが可能性は十分にあるでしょう。
GW明けてからも関係なくドル円レートはどんどん円安が強まり再び上昇となり、財務相や日銀総裁の発言も色々と多くなっていました。以下にまとめます。
■鈴木財務相
「為替、高い緊張感をもって動向を見ている」
「円安、輸入物価の押上げというマイナス面に強い懸念」
「円安はプラスマイナス面両面ある」
「為替相場、守るべきラインがあるわけではない」
「市場を注視し、とるべき時にはしっかり対応」
「物価上昇を上回る所得や賃金の上昇を目指す」
「為替水準について、コメント控える」
■林官房長官
「為替介入については実施の有無を含めコメントは控える」
■神田財務官
「イエレン財務長官の発言について、コメントしない」
「為替、ファンダメンタルズに沿って安定推移が重要」
「過度な変動、無秩序な動きあれば政府が適切に対応」
「為替介入についてコメントするほうが普通ではない」
「介入の有無にコメントしない」
「為替介入実施報道について政府関係者が話した事実はない」
「為替介入、いつでもやる用意がある」
■植田日銀総裁
「大きな政策変更をしたあとなので、その後の経済金融情勢について意見交換した」
「政府・日銀で緊密に連携することを確認」
「為替についても議論した」 「為替、十分注視していくことを確認」
「円安で今後基調的物価情勢にどういう影響が出てくるか注意深くみていく」
「今後、大規模緩和からの出口進める中で、国債買入額を減額していくことが適当」
「物価見通しの上振れリスク大きくなれば、金利を早めに調整していくことが適当」
「為替を直接コントロールする対象とはみてない」
「為替、物価変動に影響を及ぼしやすくなっている」
「日本銀行としては円安の動きを十分注視している」
「為替動向次第で金融政策の対応が必要になる」
「足元の為替について具体的なコメント差し控える」
「急速かつ一方的な円安は日本経済にマイナスであまり望ましくない」
「為替はファンダメンタルズに沿った推移が重要」
「為替の影響は業種や企業規模・経済主体によってさまざま」
「実質金利が現在は非常に低い水準にあり、緩和的な金融環境にある」
「原油価格や為替相場の今後の動き、注意して見ていく必要がある」
植田日銀総裁の国会答弁などもありますが重複した発言も多く、同じことばかり言っていて何か意味があるのでしょうか…!? 円安は止まるどころか再び加速し始めた週となりました。
1週間の通貨強弱を見ても水色の円だけが売られているのがハッキリした週でした。
もはやこの流れはずっと止まらないのか!? 先日に実施されたであろう「為替介入」もトータルの介入額だともはや9兆円規模なのでは!? などの憶測報道も出ており、これが本当なら2022年と同額近くになります。
まだまだ「為替介入」はできる外貨準備預金は余裕だと思われますが、根本的なことが変わらなければ焼け石に水でしょう。
5月3週目となる5月13日(月)からの注目すべき材料は以下のとおりです。
■5月14日(火)
21:30~米国生産者物価指数PPI
■5月15日(水)ゴト日
21:30~米国消費者物価指数CPI・小売売上高・NY連銀製造業景気指数
■5月16日(木)
21:30~米国新規失業保険申請件数・住宅着工件数
などとなっております。参考にしてみてください!
※5月アノマリーの記事も参考にしてください。
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