12月2週目振り返り
ドル円は高値・安値を大きく更新することも無かったが、毎日しっかり動き乱高下の多い週となった。
週末12月9日(金)22:30~の米国生産者物価指数(PPI)は、前回130pips以上の急変動で暴落となっていたので警戒していたが、予想を上回る結果に。
12月9日(金)22:30発表の結果
♦米国生産者物価指数(PPI)(前月比)
予想:+7.2%
結果:+7.4%
またもやインフレ圧力が高まり、FRB政策金利の利上げを押す結果で、市場は激しくドル買いで反応。
いったん戻すがスグにドル買いが再び強まると、ドル円は指標直後の高値を更新した。
135.700付近から137円目前まで上昇となったが、道中では100pipsほどの値幅を往復する荒い値動き。
それでも米長期債も乱高下が激しく、ドルも売り買いがハッキリしない展開で終わった。
今週の超重要指標をチェック
12月12日(月)からの12月第3週目は、「超重要指標」「重要指標」「要人発言」などをピックアップしただけでも今年最後の「超重要指標」ラッシュとなる。
12月12日(月)
- 16:00~イギリス鉱工業生産指数・製造業生産高・貿易収支
12月13日(火)
- 22:30~米国消費者物価指数(CPI)
※今年はほぼ毎回200pipsほど急変動
12月14日(水)
- 8:50~日銀短観
- 16:00~イギリス消費者物価指数(CPI)・小売物価指数・生産者物価指数(PPI)
- 28:00~FOMC/FRB米国政策金利と声明発表・パウエルFRB議長の定例記者会見
12月15日(木)
- 17:30~スイス中央銀行SNB政策金利と声明発表
- 21:00~英国中央銀行BOE政策金利と声明発表
- 22:15~欧州中央銀行ECB政策金利と声明発表・ラガルドECB総裁の定例記者会見
- 22:30~米新規失業保険申請件数
- 22:30~米NY連銀製造業景気指数
- 22:30~米フィラデルフィア連銀景況指数
- 23:15~米鉱工業生産指数
12月16日(金)
- 17:15~18:30まで15分刻みでフランス・ドイツ・EU・イギリスPMI速報値
- 23:45~米国PMI速報値
その中でも注目したいのは、各国の政策金利と声明、そして各中央銀行総裁・議長の定例記者会見での今後の方針と見通しなど。
発表時期が年末ということもあり、来年からの流れを決めるような動きになると思われる。
それを占う各国の消費者物価指数(CPI)は以下の通り。
日本以外は歴史的なインフレで、今年ココまで各国はハイペースで利上げをしてきたものの、まだまだインフレを鈍化させた程度。
2025年までに2%という正常化に戻せるのか(!?)がポイント。
FRBを筆頭に利上げペースの有無やインフレの抑制率など次第で、今後の為替を占うキーカレンシー(世界の基軸通貨)ドルが買われるか、売り戻されるかハッキリしてくるだろう。
今年ココまでの通貨強弱を見ると、ドル買い・円売りでユーロはどちらでもないレベルなのがわかる。
この強弱が完全に入れ替わる可能性を秘めているのが、今週の指標結果とも言えるだろう。
トレードを完全に停止して結果を見守るのも、“上手いトレーダー”の戦略ではないだろうか?
明確な方向性が出るか定かではないが、今このタイミングで全力BETするのが賢明じゃないことは間違いないだろう。
全て終わってからの動きを見極めてから、残りわずかの年末相場を取っていきましょう。
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