「外国為替」編集部新人の佐野です!
第2回は「FXを始める準備」がテーマでしたが、第3回は「FXのリスク」をメインにしたいと思います。
【1】リスク管理について
①FXのリスクとは
FXのおもなリスク
1.為替の変動
2.金利の変動
3.流動性の変動
4.レバレッジの副作用
5.技術的な問題
第1回でも言及しましたが、FXで利益を上げるためには「安く買い、高く売る」または「高く売り、安く買い戻す」ことが必要です。
しかし、逆の言い方をすれば、「買った通貨の価値が下がった」「売った通貨の価値が後から上がった」という状況が、損をもたらします。
このような為替価格の変動は、利益をもたらす要素にもなりますが、同時に損をもたらす要素でもあります。FXでの損益に関わる変動には、以下のようなものがあります。
1.為替の変動
2.金利の変動
各国の中央銀行が金融政策として設定する政策金利や、その国の経済指標の数値によって金利が変動します。
また、前項で述べたように、不安定な政治状況や紛争が投資家の動きに影響し、その結果として通貨の金利が変動します。
通貨ペアの金利差拡大はプラスに作用しがちですが、逆に金利差が縮小すると、スワップポイントの低下や相場の下落をもたらし、マイナスになる恐れがあります。
3.流動性の変動
流動性とは、簡単にいえば「市場の盛り上がり」と言えます。
- 流動性が高い → 取引量が多く、取引がしやすい
- 流動性が低い → 取引量が少なく、取引がしにくい
USD(アメリカドル)やEUR(ユーロ)などは、通常、流動性が高い通貨です。こういった通貨はメジャー通貨と呼ばれます。
その一方、通常、流動性が低い通貨はマイナー通貨と呼ばれます。
流動性の低い通貨で取引を行った場合のリスクは以下の通りです。
4.レバレッジの副作用
レバレッジは高倍率にすればするほど、利益も損失も大きくなります。
5.その他、技術的なトラブルなど
通信機器の故障、回線障害、取引システムの不具合で売買ができなくなる可能性もあります。
また、インターネットを介して取引を行う時、注文を行ってからサーバーを通して注文が約定するまでに時間差が発生する場合があります。
その瞬間に値動きがあった場合、スリッページという現象が発生します。値動きの激しい時のスリッページも損失になりえます。
②リスクにどう対処するか
発生しうるリスクについて知れば、自ずと取るべき対策も見えてきます。
とはいえ、為替・金利の変動については完全に読み切れるものでもありませんから、常に情報を追い続ける姿勢が必要とされるでしょう。
各リスクへの対策方法
【1.為替の変動】【2.金利の変動】
→ 世界的な政治経済情勢や自国の経済指標などの情報にアンテナを張っておく。
【3.流動性の変動】
→ ユーロドルやドル円など、流動性の高い(取引が盛んな)通貨ペアを選択して取引する。
【4.レバレッジの副作用】
→ 欲張りすぎず、まずは5倍~10倍程度の低い倍率から始める。
【5.その他、技術的なトラブルなど】スリッページへの対策
→ 注文時に「スリッページ」のずれ幅を設定する。(※設定可能なFX会社の場合)
また、失敗を防ぐために覚えておくべき基本としては、以下のようなことが挙げられます。
1.常に勉強や分析を続ける
2.リスクを回避するための注文を学ぶ
3.まずはデモや少額の取引から始めて経験を積む
いきなり大きな結果を求めるのではなく、まずは足元を固めていくことが肝心。階段を一歩ずつ上っていくように、ということですね。
【2】FXにおける目標設定
FXに限らず、投資というと「一攫千金のチャンス」と考える人は少なくありません。
ですが、そう簡単に上手くいくのなら、世の中のあらゆる人が投資をしていることでしょう。
では何を目標とすればいいのか。この項目で触れていきます。
①具体的な目標設定にする
勉強、スポーツ、仕事、何においても目標設定は具体的であることが重要です。
例えば「今よりもいい車が買いたい」「将来家を買うための資金を稼ぎたい」と言った形で、FXで得た利益を何に使いたいのかがハッキリするだけでも、モチベーションは保ちやすくなります。
達成できる目標を作るためには、以下の三点を意識しましょう。
1.具体的な金額を設定する。
2.期間を定める。
3.逆算して考える。
このように、最終的な大目標を掲げておき、細かくしていくことで「今すべきことは何か」「自分が今どこにいるのか」を理解することが大切です。
②目標達成のためにすべきこと
いざ目標を定めたはいいものの、次に肝心になるのは実現する手段です。取引の手段も様々で、通貨ペアの選択肢も豊富にあります。
1.基礎的な知識の勉強
目標が定まっていれば、イメージも湧きやすくなり、モチベーションも維持しやすくなります。どんな取引をすれば目標達成に繋がるかも、目標を定めてから学ばなければ見つかりません。
2.仮説と検証、取引の練習
FXで成果を出すためには、目標設定に加えて、仮説を立てて検証する必要があります。
例えば、勉強している中で気になる手法が見つかったら、どのような時に勝率が高くなるのか(利益を得やすいのか)を考え、過去のチャートを参照しつつ、利益と損失のどちらが多く発生しているのかを検証する、といったやり方です。
また、スポーツが知識だけでは上達できないのと同じように、トレードの上達にも練習が必要です。
デモ口座を作ってリアルマネーを使わずに取引の練習をすることもできますから、いきなりリアル口座を作る前に、数日から数週間、デモトレードで経験を積みましょう。
【3】次回の予定
・FXでの取引では具体的にどのようなことをするのか?
(チャートの読み方、注文の方法など)
・実際にトレードを始めてみる
デモトレードについて:GMOクリック証券の紹介
などをお届けする予定です。これからFXを始めるみなさま、一緒に成長してきましょう!
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
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